motoさんの、「成瀬と西崎は府中で会っていない」を読んで…成瀬は西崎に会うことはできない。motoさんのお考えの通りだと思います。会うことができる=偽証との矛盾、になります。そして差し入れと手紙のやりとりができたとしても、検閲されますから偽証の内容を維持した状態で連絡を取り合う必要があります。とすると、「希美と西崎はただの隣人、成瀬と希美は疎遠な同級生」ですよね。そして「成瀬と西崎は事件時に初対面」という関係のはずです。初対面である犯罪者の西崎に、ただの通報者である成瀬が、何故自らコンタクトをとり続けたのでしょうか?「成瀬と西崎は事件時に初対面」を警察が疑うような行為を、わざわざ実行したその意図は?ここでふと思ったんですが…成瀬って、コンシェルジュに「花が届けられている、その人戻って来ました?」って聞いてるんですよね。ここでコンシェルジュは怪訝そうな顔をして、その直後に防犯カメラにそのやりとりが記憶されているという映像が入るんです。この台詞って、事後の成瀬はどう処理したんでしょうね。チェーンに残っている指紋についてもそうです。「外鍵はかかってなかった」、でも成瀬と安藤の指紋は検出される。安藤は他にも訪問した日がありますが、成瀬は事件当日あの時間のみです。何のためにチェーンに触ったのか…警察は聞きますよね。成瀬が警察に偽証したことって、映し出されていない部分にたくさんあると思うんです。逆に警察側は、成瀬が西崎と初対面ではない証拠もたくさん掴んでいたと思います。府中での差し入れって、私はここと関係してくるのかなって思いました。つまり、成瀬の偽証は「希美は偶然居合わせた」のみ徹底して貫き、自分と西崎の関係については「初対面」と断言していない。西崎との関係に自ら触れないが、警察の動向に合わせる形をとった。「初対面ではない」証拠は簡単に見つかりますからね。その場合は希美に容疑の目が向かないように、共犯である可能性が自分に向くように、とさえ考えていたのでは。「希美は偶然」という部分が成瀬の死守する部分です、つまり府中への差し入れは希美に容疑がいかないためのカモフラージュでしょうか?
ひまわりさん、こんばんわ成瀬が西崎と接触を取り続けたのは、私的には『製作者の都合!』(爆)。つまり串若丸で安藤をテストした後に西崎が成瀬に杉下の病を西崎から伝えさせる為には西崎が成瀬の携帯番号を知っている必要がある。その為には服役中から二人が接触していた事にしないといけない…だと踏んでいます。それ言ったら…な部類ですね。つまりアンタッチャブルです(笑)このドラマ、杉下の心理そのものがミステリーですからそこに関係する部分は丹念に作り込まれているけれど、それ以外の周辺って、結構荒いんですよね。そこをついてミステリーとしては?的な論調もあります。例えば何で西崎の番号が成瀬の携帯にもう登録されてるの?とか、何で安藤と杉下はSNS系のツールでやり取りできてるの?とかもそういう部類。ですからそこにさもパッチを当てるように必死に屁理屈をつけているんですよ!(だから杉下と安藤については条件さえ整えばLINEで可能!とかね?)ひまわりさんがおっしゃられる心配はあるんです。でもそれを回避するのに一番いいのは成瀬も一切西崎と接触しない事なんですよ。あらぬ破綻を招かない為にはそれが一番いい。でもそれでは西崎が成瀬の携帯番号を知っていて、杉下の事を伝えさせる事が出来ないから、二人が接触していた設定にしたんだろうと。先にこのドラマ、西崎のブッとびに依存している、と書きましたが、実はもう二つあって、司法の怠慢?(ひまわりさんの指摘した部分ですね。弁護士、法医学も含めてです)と夫妻の死亡までが余りに短すぎるという医学的知見の無視なんですよ。人間、腹の一突きで絶命なんてしませんから。司法については高野に『警察は大事な事に眼を瞑っている』と言わせてフォローを入れてますけどね。警察どころか司法全体ですね。つまり杉下の心理ミステリーと事件のトリックを成立させる為には上記のような部分は無視というか都合良く、周辺の設定も実は余り詰めてない、というのが実情ではないでしょうかね。ま、原作自体がそうですから(笑)
杉下の早苗に対する赦し赦されの関係のベクトルが当初の理解から逆転していた。しかし安藤を赦すこと自体にはその動機の出処しては問題は発生しなかった。それはいい。ですが、このベクトルが逆転していることが成瀬との関係についても影響無いか?というと、そうとは言えない。というのは、赦し赦されの関係について、『赦されたい』に『赦したい』は内包されるけれど、その逆は存在しないんです。そうすると、問題になるのは当初理解では成瀬に頼り切る生活にいずれなる自分を自己嫌悪せず受け入れる為には自分が早苗を赦す事が出来るか?が超えるべき課題として杉下が自らに課した、とする理解は成立しないんですね。つまり成瀬との関係性において、自分が早苗から赦される必要を杉下が感じた、そう感じたものは何か?なんです。これがイマイチ見えてきていません。
杉下が成瀬に抱えていた罪意識を乗り越えて、成瀬の元に還ったのは、成瀬に対する冒涜観念だと思うんです。一般的には『自分の気持ちに素直になって』と理解されているけど、これは違うと踏んでいます。このドラマ、一般的な解釈に必ず裏がありますからね。ここも、高野にわざわざ『自分のために生きていい』と言わせている。安藤に『無心に嘘を言う人もいる』と高野が言う演出と同じと見ているんです。つまり成瀬に対する罪を抱えた杉下が、成瀬を前に彼に罪を抱えたままであること、その事が罪であると認識した。だから成瀬のために自らが抱えた罪も捨て去った。それは自分のためでは無くて、ひとえに成瀬のため。だからやっぱり杉下は成瀬に最後まで歪みっぱなしだという見方です。だから彼女が成瀬の元に還ったのは、残された時間を全身全霊彼を幸せにしようという彼女の壮絶な覚悟の上の事だと考えます。その文脈上で早苗に対する赦しを得る必要性を彼女がなぜ感じたのかが現在の課題です。
「成瀬一筋説」派 宣言をいたします。こんにちは。しのぶです。これまでひまわりさんの「安藤説」をひまわりさんさすが!と思い、興味深く感じながらも、どちらかというとmotoさんの、希美は一時期西崎に気持ちがあった、という説をおおむね支持してきました。が、思考停止状態に陥り、その後私が持つ疑問点を集中的に考えてみたところ、「希美は成瀬一筋だった」、が私の中で最も腑に落ちる結論に至り、上記の宣言となりました。なぜそういう結論に至ったのかは、今後私が感じた疑問点とともに、ご迷惑でなければこの場をお借りして少しずつ書かせていただきたいと思います。motoさんの上記の現在の課題ですが、なんとなくになってしまいますが私の中で漠然とした考えはあるのですが…、うまく表現できそうにない…です。(ドレッサー事件との絡みも紐解かないと、とも思います。)では、なるべく時を置かずして書けたらいいなと思います。(文章組み立て不慣れ&キーボード操作不慣れ、が辛い…)
しのぶさん!王道回帰ですね! いいですよ、ここは『私的杉下幸福論』の探求の場ですから!わからんところがあれば、もちろん質問させて貰いますけど、そう、慌てずとも。私もここのところ随分とペースが落ちてますんで。まったーりといきましょう!
杉下が、成瀬に対する冒涜観念の故に成瀬の元に還ったとする。病で迷惑が掛る事が掛る事が明白であるにも関わらず、それでも自分に寄り添う意志を表明した成瀬の申し出を固辞する事への冒涜感。つまり自分が成瀬に迷惑を掛ける事を嫌がる感情をより、それでも彼が自分に寄り添いたい、という彼の感情を蔑ろしする事を恐れた訳です。そのような杉下ががその後どう考えるか。彼の望み、感情を全身全霊で受け止め、彼を全身全霊で愛そうと考えたのだと思います。そのために障害となるものは全て捨て去ろうとした。彼の前にまっさらな存在として立つために。それは成瀬に抱えた罪意識であり、野口夫妻への罪意識であり、西崎、早苗に対する罪意識であり、安藤への憎悪、嫌悪感です。だから早苗に赦される事を欲し、安藤にエールを送った…全てはN=成瀬のためにだから、この局面においてもやはり杉下は成瀬という存在に歪み、そのためにエゴイスティックな選択をしているんですね。ですが、その突き抜けた先に彼女が到達したのは自分と関わった全ての人と出来事への感謝の念であり、人としての清らかさであった。その到達点がラストシーンだったのだろうと思うんです。杉下の、成瀬に歪みに歪んだ人生の到達点としての、魂の奇跡の領域への上昇。成瀬の元での杉下の至福。やっぱり、このドラマは奇跡を描いたドラマなんだ
成瀬との関係性において早苗に赦される事を欲した杉下ではあるけれど、早苗との関係性において一番の障害は、杉下が早苗に対して『ごめんなさい』と言えるか?だったんだと思うんです。『ごめんなさい』と言う事を欲したのは成瀬との関係性から来ている。では、その言葉を発するのを阻害しているものは何かというと?単純に考えると、俗に言う母親に対して抱えているとされるトラウマ、と答えそうだけど、そう単純なんかな?彼女が早苗の前から逃げ出した心理ってもっと複雑なように感じるんですよね。
『ごめんなさい』を言いに行った相手の前から逃げ出す心理って、二つあると思うんです。一つは赦されないかもしれない、という可能性に対する恐怖ですよね。二つ目は過去に負った心的外傷がフラッシュバックする可能性への恐怖。この時の杉下はどちらであったのか?私は『早苗から赦されないかもしれない可能性への恐怖』と見ています。その根拠は、杉下にとって早苗は直接的にフラッシュバックを呼び覚ます存在ではないからです。成瀬との会話で、さざ波の火で早苗は成瀬という存在にオブラートされた。しかし早苗の野ばら荘訪問時の杉下の反応から早苗は、さざ波の以降、成瀬と接触出来ない一番辛い時期を呼び覚ます存在ではある。でも、この杉下が早苗を訪ねた時は、成瀬と接触する事が憚れる時期ではない。むしろ成瀬の前に立つために早苗を訪ねた訳です。そうすると一番辛い時期を呼び覚ます存在に恐怖した、とは言えないと思うんです。つまりフラッシュバックに対する恐怖から逃げ出したのではない、という結論になります。
ですから杉下が早苗の前から逃げ出したのは早苗から『赦されないかもしれないという可能性に対する恐怖』なんです。では杉下にとって赦されない事が何故恐怖なのか?一つは、母親である早苗から拒絶される事への恐怖でしょう。早苗を愛しているが故の罪意識ですから、その愛している相手から拒絶される事態に直面する事は恐怖ですよね。ですが、それだけじゃない。そもそも何故杉下が早苗から赦される事を欲したのか?杉下が成瀬の前に立つ為です。早苗から赦されなければ彼女は成瀬の前に立つ事が出来ない。だからこの時の杉下は成瀬の元に帰れなくなる事態に直面する事を恐れて逃げ出したんだと。人間の心理って不思議ですよね。実行しなければ可能性は開かれないのに、先回りして思い通りいかない場合の事を考えてしまい、それにたじろぎ、実行する事自体を躊躇う。逃げる。橋を渡る事を恐れてしまうんです。
こんにちは。早苗ママに会いに行くときの希美の心理が興味深いですね。motoさんの考察すごいです。さて、「成瀬一筋説」はついに私も持論を持った、ことになるのでしょうかね?まあ、とにかく疑問があったわけです。事件の時の「助けて」よりもっと大きな疑問が。疑問というより、私だったら?という部分なんでしょうかね。希美が作戦2に成瀬を巻き込んだ心理です。巻き込んだというか引き込んだというか、引き込めたというか、普通に考えてそんなことできるかな?と思ったわけです。西崎と成瀬は友達ではない。表面上の事実関係を整理すると、希美からすれば西崎も成瀬も異性です。成瀬は所謂元カレみたいな感じ?西崎には恋人がいる事が唯一緩衝材となっていたとしても、成瀬にそんなこと(作戦2)頼めるかな~?成瀬からしたら西崎はどこのどいつかもしれない人だし奈央子はその恋人でしかも人妻で…。成瀬が面食らうのも当然でしょう。私が希美の立場だったら?異性の友達(親友)が切羽詰まったことになっていて、元鞘に収まるはずの元カレにその友達を助けてあげてくれなんて、言えますかね?元カレと友達は顔見知りでもないわけですよ。成瀬に対して愛があるから頼めた?信頼があるから?利用した?一旦送信します。
続きます。もし西崎の事が好きだったら、成瀬を利用した感は半端ないです。希美の隠れお嬢様キャラが炸裂したのか、下僕扱い感というか…。でももし成瀬の事が好きがだったら…、自分(私=しのぶ)だったら、と思うと難しいです。友達(=西崎)が切羽詰まっていて秘め事を画策していて、それを手伝う約束をしている。元カレ(=成瀬)が好きだから蚊帳の外に置くか、はたまた秘め事に付き合わせるか? やっぱり頼りたくなるような気はするのですが、結局私の感覚では答えは出ません。ただ、もし希美が西崎と二人だけの妙案があったとしても、希美は作戦に乗り気にはならない、という「気」だけはするんですけど。成瀬がいたからこそ『乗り気』になったそんな気がしたんです。そこを考えていると自分なりに一つの到達点にやってきたんです。希美は初めから成瀬を巻き込む気でいた。作戦のアイデアは希美。(原作はそうですけどね)
しのぶさん、こんばんは。成瀬一筋説の核心、作戦が成立する過程の杉下の心理プロセスにダイレクトに切り込んできましたね!私もここが肝だと思っていました。そもそも私が二股説を採ったのは、事件の偽証構造と作戦の成立プロセスが、成瀬の存在だけでは説明出来ないと感じたからです。だからパラドックスに気付く事が出来た。でもここを成瀬一本で説明されようとするしのぶさんの分析、続編期待です!
杉下が早苗から逃げ出した心理は、これで大凡良いと思うんです。そして最後に残るのが追って転んだ早苗の元へ、バスを停めてまで戻った心理。この時、杉下は早苗が転ぶまえに早苗に向かって振り向くんですね。振り向いて、早苗が転んだ様を見て、バスを停めた。これは前半と後半を一度分けて考えたほうが良いのかな?と思います。
まずは杉下が早苗を振り返ったシーンですね。逃げ出そうとしている相手を振り返る心理って、基本的には後ろ髪を引かれる思いだと思うんですね。つまり相手に対して感情を残している訳です。この言葉の一般的な説明はこうです。未練が残って、きっぱりと思い切れないこと未練が残って、という部分はその出所は彼女が早苗から逃げ出した心理そのものの中にある、と見たほうがいいのかな?と考えています。つまり逃げ出す行為に後悔の可能性を感じた、という事だろうと思います。杉下が逃げ出した心理は二つあります。母親から拒絶される事への恐怖とその結果として成瀬の元に帰れなくなる事への可能性への恐怖です。この場合、未練の対象は前者は早苗であり、後者は成瀬になります。しかし、未練という感情は一対一の関係において成立する概念だろうと思うんですね。つまり、未練を感じる対象と行為対象が一致しているからこそ、それは未練として規定出来ると思うんです。つまり、成瀬の元に行けない、という成瀬に対する未練として早苗を振り向かないだろうと。後者の場合、早苗から赦される事はあくまで手段です。手段でしかない存在に対しては未練を感じないですよね。リトライできるんです。ですが前者の場合、そうそうできるものではありません。ここでできなければ、次はほぼない。相手側の事情では無く、杉下が感情面で怖じ気付いてしまいます。だからこその未練。この機会を逃したら、というもの。ですから、杉下が早苗を振り返ったには、早苗に赦されたいという母親に対する思慕からきた行動と言っていいと思います。
最後はバスを停めて転んだ早苗に駆け寄った心理ですね。これは素直に取っていいんだろうと思います。早苗を捨て島を出てしまった罪、後悔を再び繰り返したくないという思いだったのだと思います。逃げ出した心理は島を出るときとこの時では全く異なりますが、母親から逃げ出したという状況は同じです。自分にすがる早苗を捨てたことに対する罪意識、後悔の念が杉下には有りました。この時は早苗が自分を追う理由はこれまた異なりますが自分を追う母親から再び逃げようとしている。自分は同じ後悔を再び繰り返すのか?これが早苗に駆け寄った際の心理だと思います。
こんばんは。先日書きそこなった部分で、もし私だったら?というところなのですが。もし私(=しのぶ)が西崎を好きだったら?それを考えると、決して成瀬を作戦に巻き込むことはできない、と思ったんです。成瀬は希美にとって恩人です。希美がお城放火をしようとした事を止め、自らやると進言し、さざなみの火で希美を解放してくれました。少なくとも希美はそう思っています。成瀬の事を好きかそうでないか、はともかくとして、成瀬という恩人に対して、そして成瀬は少なからず希美に好意を示している事がわかっている人に対して、自分の現在好きな人(=西崎)のために、その好きな人に協力してほしい、なんて、私だったら絶対言えないです。(「絶対」という言葉は違うかもしれませんが。)それは西崎も好き、成瀬も好き、の場合も同様です。もちろんこれは私(=しのぶ)の感覚ですが。というわけで、「希美は西崎が好き」、という選択肢は私の中ではなくなったのです。結論部分をどう言葉にしようか、難しいです。先に書いてしまおうと思ったのですが…。まったり、のお言葉に甘えさせていただいてます。
しのぶさん、マッタリ行きましょう、それでいいですよ(笑)論の途中で介入するのはどうかとも思いましたが、ちょっと考えた事を。一般的な成瀬派の解釈では西崎に対して杉下は感情はない、という解釈だと思います。杉下の『究極の愛』に関するパラドックスに気づいていない場合です。この立場に立つと、幾つか障壁があるんだと思うのです。それはどうクリアされるのでしょう?一つは杉下のヒスの出処です。彼女は西秋の不倫告白にヒスを起こし料理をいきなり始めました。奈央子の不倫がストレス源なのではなく、その不倫相手が西崎である、というのがストレス源です。この杉下の心理はどう説明されうるのか?二つ目は杉下の成瀬に対する態度です。成瀬一途説だと、おそらく作戦に二人で協力することをきっかけにして杉下が成瀬との関係再開を期した、という解釈になるでしょう。ですが、その関係再開の機会が成瀬を巻き込んだ作戦である必然性がないのです。つまり西崎とは全く関係のないところで杉下が成瀬と関係を再開させる事に支障があるように思えない。そうであるなら少なからず成瀬に迷惑がかかる作戦へ彼を巻き込む必要性は無い。現に作戦は無しでも、成瀬は杉下の元を訪れているんですから。西崎が乱入した時、杉下は西崎を拒絶すると思うんですね。でも彼女は西崎が成瀬に作戦の事を話すのを許容してしまっているんです。ここは、成瀬の『もう少し考える』に『ありがとう』と応える心理と繋がります。三つ目は先のヒスとも繋がりますが、杉下の西崎の作戦を許容した心理の出処です。西崎がやろうとしているのは『恋愛感情をもって夫婦の間に割り込む』行為です。それが杉下が困窮した原因です。その行為の被害者だった彼女が、その行為者側にどうしたら協力し得るのか?島の価値観『家庭の中の事に口を突っ込まない』文化で育った彼女が奈央子に対する同情でそこまで踏み込めるのか?この辺りが障壁になりそうですね〜しのぶさんの論であると西崎に対する恋愛感情がないからこそ、杉下は成瀬を作戦に引き込んだ、という意味になりますよね?それはつまり成瀬との関係再開を期して作戦を利用した、という解釈になるでしょう。そうすると、杉下に取って成瀬との関係を再開させるきっかけとして作戦である必然性に疑問が出てくるんです。つまり二つ目の障壁ですね。
こんばんは。先の投稿は「やっちゃったな~」と。でも今更取り消すのも何なのでう~ん、どうしようかな?ずっと、わたしだったら?って考えてたんですけど、その延長線上にたまたま「西崎が好き」は私(=しのぶ)だったらありえないな~、と思ったのですが、私が下した結論部分も私(=しのぶ)だったらまずありえないだろう、う~ん、どうかな?想像もできないなって。つまり結論部分においてはわたしだったら?の適応外になってしまいまして、そうなると上の投稿もナンセンスということになってしまうという困ったことになってしまいました。まあ、それでも自分の感覚というのを突き詰めてみるというのもなかなか面白い作業でしたので、昨日の投稿については推し進めた論ではない、と注釈を加えておきたいです。(取り消したいけど、残しても置きたい、という)motoさんの突込みもろもろはおおかたの予測はしていまして、それに答える前に結論を先に言いたいのですが、どう書けばうまく伝わるだろう?と。一言でスパっと表現してみたいんですよね。ちなみに希美が奈央子に普通に同情とかは…、う~ん、ないない、と思います。マッタリ、有難うございます。
希美は、成瀬の愛の大きさ、深さを、確かめたかったんじゃないかな~、と思いました。
この時期の杉下の奈央子に対する感情って、どうなんでしょうね?この時期の杉下って、結構素に近いというのが最近の評価です。そうすると、確かに西崎へのヒスの時、嫌い!と言い放っているけれど、早苗と被る奈央子への感情って、再評価してみてもいいのかもしれない。成瀬との誓約のために捨てた母親。その母親に被る奈央子を、成瀬というトラウマが外れた杉下がある種母親の代理的存在としての奈央子を、成瀬と共に助ける、助けたいと言った心理がひょっとしたらあった可能性は無いですかね?なんか物語としての二つの事件の対称性からも、このような解釈は美しさが上がると思いませんか?そーすると、途中で止まったドレッサー事件について今一度分析がいるな
杉下の成瀬に対する冒涜観念って、これまであまり厳密に区分してなかったけれど二系統あるように思う。一つは成瀬の申し出を拒絶する事への冒涜観念。もう一つは成瀬の前に立つ際に、罪を抱えたままである事への冒涜観念。
コメントを投稿
22 件のコメント:
motoさんの、「成瀬と西崎は府中で会っていない」を読んで…
成瀬は西崎に会うことはできない。motoさんのお考えの通りだと思います。会うことができる=偽証との矛盾、になります。そして差し入れと手紙のやりとりができたとしても、検閲されますから偽証の内容を維持した状態で連絡を取り合う必要があります。
とすると、「希美と西崎はただの隣人、成瀬と希美は疎遠な同級生」ですよね。そして「成瀬と西崎は事件時に初対面」という関係のはずです。
初対面である犯罪者の西崎に、ただの通報者である成瀬が、何故自らコンタクトをとり続けたのでしょうか?「成瀬と西崎は事件時に初対面」を警察が疑うような行為を、わざわざ実行したその意図は?
ここでふと思ったんですが…
成瀬って、コンシェルジュに「花が届けられている、その人戻って来ました?」って聞いてるんですよね。ここでコンシェルジュは怪訝そうな顔をして、その直後に防犯カメラにそのやりとりが記憶されているという映像が入るんです。
この台詞って、事後の成瀬はどう処理したんでしょうね。チェーンに残っている指紋についてもそうです。「外鍵はかかってなかった」、でも成瀬と安藤の指紋は検出される。安藤は他にも訪問した日がありますが、成瀬は事件当日あの時間のみです。何のためにチェーンに触ったのか…警察は聞きますよね。成瀬が警察に偽証したことって、映し出されていない部分にたくさんあると思うんです。逆に警察側は、成瀬が西崎と初対面ではない証拠もたくさん掴んでいたと思います。
府中での差し入れって、私はここと関係してくるのかなって思いました。つまり、成瀬の偽証は「希美は偶然居合わせた」のみ徹底して貫き、自分と西崎の関係については「初対面」と断言していない。西崎との関係に自ら触れないが、警察の動向に合わせる形をとった。「初対面ではない」証拠は簡単に見つかりますからね。その場合は希美に容疑の目が向かないように、共犯である可能性が自分に向くように、とさえ考えていたのでは。「希美は偶然」という部分が成瀬の死守する部分です、つまり府中への差し入れは希美に容疑がいかないためのカモフラージュでしょうか?
ひまわりさん、こんばんわ
成瀬が西崎と接触を取り続けたのは、私的には『製作者の都合!』(爆)。
つまり串若丸で安藤をテストした後に西崎が成瀬に杉下の病を西崎から伝えさせる為には西崎が成瀬の携帯番号を知っている必要がある。その為には服役中から二人が接触していた事にしないといけない…
だと踏んでいます。それ言ったら…な部類ですね。つまりアンタッチャブルです(笑)
このドラマ、杉下の心理そのものがミステリーですからそこに関係する部分は丹念に作り込まれているけれど、それ以外の周辺って、結構荒いんですよね。そこをついてミステリーとしては?的な論調もあります。
例えば何で西崎の番号が成瀬の携帯にもう登録されてるの?とか、何で安藤と杉下はSNS系のツールでやり取りできてるの?とかもそういう部類。
ですからそこにさもパッチを当てるように必死に屁理屈をつけているんですよ!
(だから杉下と安藤については条件さえ整えばLINEで可能!とかね?)
ひまわりさんがおっしゃられる心配はあるんです。でもそれを回避するのに一番いいのは成瀬も一切西崎と接触しない事なんですよ。あらぬ破綻を招かない為にはそれが一番いい。でもそれでは西崎が成瀬の携帯番号を知っていて、杉下の事を伝えさせる事が出来ないから、二人が接触していた設定にしたんだろうと。
先にこのドラマ、西崎のブッとびに依存している、と書きましたが、実はもう二つあって、司法の怠慢?(ひまわりさんの指摘した部分ですね。弁護士、法医学も含めてです)と夫妻の死亡までが余りに短すぎるという医学的知見の無視なんですよ。
人間、腹の一突きで絶命なんてしませんから。
司法については高野に『警察は大事な事に眼を瞑っている』と言わせてフォローを入れてますけどね。警察どころか司法全体ですね。
つまり杉下の心理ミステリーと事件のトリックを成立させる為には上記のような部分は無視というか都合良く、周辺の設定も実は余り詰めてない、というのが実情ではないでしょうかね。ま、原作自体がそうですから(笑)
杉下の早苗に対する赦し赦されの関係のベクトルが当初の理解から逆転していた。しかし安藤を赦すこと自体にはその動機の出処しては問題は発生しなかった。
それはいい。
ですが、このベクトルが逆転していることが成瀬との関係についても影響無いか?というと、そうとは言えない。
というのは、赦し赦されの関係について、『赦されたい』に『赦したい』は内包されるけれど、その逆は存在しないんです。
そうすると、問題になるのは当初理解では成瀬に頼り切る生活にいずれなる自分を自己嫌悪せず受け入れる為には自分が早苗を赦す事が出来るか?が超えるべき課題として杉下が自らに課した、とする理解は成立しないんですね。
つまり成瀬との関係性において、自分が早苗から赦される必要を杉下が感じた、そう感じたものは何か?なんです。これがイマイチ見えてきていません。
杉下が成瀬に抱えていた罪意識を乗り越えて、成瀬の元に還ったのは、成瀬に対する冒涜観念だと思うんです。
一般的には『自分の気持ちに素直になって』と理解されているけど、これは違うと踏んでいます。このドラマ、一般的な解釈に必ず裏がありますからね。
ここも、高野にわざわざ『自分のために生きていい』と言わせている。安藤に『無心に嘘を言う人もいる』と高野が言う演出と同じと見ているんです。
つまり成瀬に対する罪を抱えた杉下が、成瀬を前に彼に罪を抱えたままであること、その事が罪であると認識した。
だから成瀬のために自らが抱えた罪も捨て去った。それは自分のためでは無くて、ひとえに成瀬のため。だからやっぱり杉下は成瀬に最後まで歪みっぱなしだという見方です。
だから彼女が成瀬の元に還ったのは、残された時間を全身全霊彼を幸せにしようという彼女の壮絶な覚悟の上の事だと考えます。その文脈上で早苗に対する赦しを得る必要性を彼女がなぜ感じたのかが現在の課題です。
「成瀬一筋説」派 宣言をいたします。
こんにちは。しのぶです。これまでひまわりさんの「安藤説」をひまわりさんさすが!と思い、興味深く感じながらも、どちらかというとmotoさんの、希美は一時期西崎に気持ちがあった、という説をおおむね支持してきました。が、思考停止状態に陥り、その後私が持つ疑問点を集中的に考えてみたところ、「希美は成瀬一筋だった」、が私の中で最も腑に落ちる結論に至り、上記の宣言となりました。
なぜそういう結論に至ったのかは、今後私が感じた疑問点とともに、ご迷惑でなければこの場をお借りして少しずつ書かせていただきたいと思います。
motoさんの上記の現在の課題ですが、なんとなくになってしまいますが私の中で漠然とした考えはあるのですが…、うまく表現できそうにない…です。(ドレッサー事件との絡みも紐解かないと、とも思います。)
では、なるべく時を置かずして書けたらいいなと思います。(文章組み立て不慣れ&キーボード操作不慣れ、が辛い…)
しのぶさん!
王道回帰ですね!
いいですよ、ここは『私的杉下幸福論』の探求の場ですから!
わからんところがあれば、もちろん質問させて貰いますけど、そう、慌てずとも。
私もここのところ随分とペースが落ちてますんで。
まったーりといきましょう!
杉下が、成瀬に対する冒涜観念の故に成瀬の元に還ったとする。
病で迷惑が掛る事が掛る事が明白であるにも関わらず、それでも自分に寄り添う意志を表明した成瀬の申し出を固辞する事への冒涜感。
つまり自分が成瀬に迷惑を掛ける事を嫌がる感情をより、それでも彼が自分に寄り添いたい、という彼の感情を蔑ろしする事を恐れた訳です。
そのような杉下ががその後どう考えるか。
彼の望み、感情を全身全霊で受け止め、彼を全身全霊で愛そうと考えたのだと思います。
そのために障害となるものは全て捨て去ろうとした。
彼の前にまっさらな存在として立つために。
それは成瀬に抱えた罪意識であり、
野口夫妻への罪意識であり、
西崎、早苗に対する罪意識であり、
安藤への憎悪、嫌悪感です。
だから早苗に赦される事を欲し、安藤にエールを送った…
全てはN=成瀬のために
だから、この局面においてもやはり杉下は成瀬という存在に歪み、そのためにエゴイスティックな選択をしているんですね。
ですが、その突き抜けた先に彼女が到達したのは自分と関わった全ての人と出来事への感謝の念であり、人としての清らかさであった。その到達点がラストシーンだったのだろうと思うんです。
杉下の、成瀬に歪みに歪んだ人生の到達点としての、魂の奇跡の領域への上昇。成瀬の元での杉下の至福。
やっぱり、このドラマは奇跡を描いたドラマなんだ
成瀬との関係性において早苗に赦される事を欲した杉下ではあるけれど、早苗との関係性において一番の障害は、杉下が早苗に対して『ごめんなさい』と言えるか?だったんだと思うんです。
『ごめんなさい』と言う事を欲したのは成瀬との関係性から来ている。
では、その言葉を発するのを阻害しているものは何かというと?
単純に考えると、俗に言う母親に対して抱えているとされるトラウマ、と答えそうだけど、そう単純なんかな?
彼女が早苗の前から逃げ出した心理ってもっと複雑なように感じるんですよね。
『ごめんなさい』を言いに行った相手の前から逃げ出す心理って、二つあると思うんです。
一つは赦されないかもしれない、という可能性に対する恐怖ですよね。
二つ目は過去に負った心的外傷がフラッシュバックする可能性への恐怖。
この時の杉下はどちらであったのか?
私は『早苗から赦されないかもしれない可能性への恐怖』と見ています。
その根拠は、杉下にとって早苗は直接的にフラッシュバックを呼び覚ます存在ではないからです。
成瀬との会話で、さざ波の火で早苗は成瀬という存在にオブラートされた。
しかし早苗の野ばら荘訪問時の杉下の反応から早苗は、さざ波の以降、成瀬と接触出来ない一番辛い時期を呼び覚ます存在ではある。
でも、この杉下が早苗を訪ねた時は、成瀬と接触する事が憚れる時期ではない。むしろ成瀬の前に立つために早苗を訪ねた訳です。そうすると一番辛い時期を呼び覚ます存在に恐怖した、とは言えないと思うんです。
つまりフラッシュバックに対する恐怖から逃げ出したのではない、という結論になります。
ですから杉下が早苗の前から逃げ出したのは早苗から『赦されないかもしれないという可能性に対する恐怖』なんです。
では杉下にとって赦されない事が何故恐怖なのか?
一つは、母親である早苗から拒絶される事への恐怖でしょう。早苗を愛しているが故の罪意識ですから、その愛している相手から拒絶される事態に直面する事は恐怖ですよね。
ですが、それだけじゃない。そもそも何故杉下が早苗から赦される事を欲したのか?
杉下が成瀬の前に立つ為です。早苗から赦されなければ彼女は成瀬の前に立つ事が出来ない。だからこの時の杉下は成瀬の元に帰れなくなる事態に直面する事を恐れて逃げ出したんだと。
人間の心理って不思議ですよね。
実行しなければ可能性は開かれないのに、先回りして思い通りいかない場合の事を考えてしまい、それにたじろぎ、実行する事自体を躊躇う。逃げる。橋を渡る事を恐れてしまうんです。
こんにちは。
早苗ママに会いに行くときの希美の心理が興味深いですね。motoさんの考察すごいです。
さて、「成瀬一筋説」はついに私も持論を持った、ことになるのでしょうかね?
まあ、とにかく疑問があったわけです。事件の時の「助けて」よりもっと大きな疑問が。
疑問というより、私だったら?という部分なんでしょうかね。
希美が作戦2に成瀬を巻き込んだ心理です。巻き込んだというか引き込んだというか、引き込めたというか、普通に考えてそんなことできるかな?と思ったわけです。
西崎と成瀬は友達ではない。表面上の事実関係を整理すると、希美からすれば西崎も成瀬も異性です。成瀬は所謂元カレみたいな感じ?西崎には恋人がいる事が唯一緩衝材となっていたとしても、成瀬にそんなこと(作戦2)頼めるかな~?成瀬からしたら西崎はどこのどいつかもしれない人だし奈央子はその恋人でしかも人妻で…。成瀬が面食らうのも当然でしょう。
私が希美の立場だったら?
異性の友達(親友)が切羽詰まったことになっていて、元鞘に収まるはずの元カレにその友達を助けてあげてくれなんて、言えますかね?元カレと友達は顔見知りでもないわけですよ。
成瀬に対して
愛があるから頼めた?
信頼があるから?
利用した?
一旦送信します。
続きます。
もし西崎の事が好きだったら、成瀬を利用した感は半端ないです。希美の隠れお嬢様キャラが炸裂したのか、
下僕扱い感というか…。
でももし成瀬の事が好きがだったら…、自分(私=しのぶ)だったら、と思うと難しいです。友達(=西崎)が切羽詰まっていて秘め事を画策していて、それを手伝う約束をしている。元カレ(=成瀬)が好きだから蚊帳の外に置くか、はたまた秘め事に付き合わせるか? やっぱり頼りたくなるような気はするのですが、結局私の感覚では答えは出ません。
ただ、もし希美が西崎と二人だけの妙案があったとしても、希美は作戦に乗り気にはならない、という「気」だけはするんですけど。
成瀬がいたからこそ『乗り気』になった
そんな気がしたんです。そこを考えていると自分なりに一つの到達点にやってきたんです。
希美は初めから成瀬を巻き込む気でいた。
作戦のアイデアは希美。(原作はそうですけどね)
しのぶさん、こんばんは。
成瀬一筋説の核心、作戦が成立する過程の杉下の心理プロセスにダイレクトに切り込んできましたね!私もここが肝だと思っていました。
そもそも私が二股説を採ったのは、事件の偽証構造と作戦の成立プロセスが、成瀬の存在だけでは説明出来ないと感じたからです。だからパラドックスに気付く事が出来た。
でもここを成瀬一本で説明されようとするしのぶさんの分析、続編期待です!
杉下が早苗から逃げ出した心理は、これで大凡良いと思うんです。
そして最後に残るのが追って転んだ早苗の元へ、バスを停めてまで戻った心理。
この時、杉下は早苗が転ぶまえに早苗に向かって振り向くんですね。
振り向いて、早苗が転んだ様を見て、バスを停めた。
これは前半と後半を一度分けて考えたほうが良いのかな?と思います。
まずは杉下が早苗を振り返ったシーンですね。
逃げ出そうとしている相手を振り返る心理って、基本的には後ろ髪を引かれる思いだと思うんですね。つまり相手に対して感情を残している訳です。
この言葉の一般的な説明はこうです。
未練が残って、きっぱりと思い切れないこと
未練が残って、という部分はその出所は彼女が早苗から逃げ出した心理そのものの中にある、と見たほうがいいのかな?と考えています。つまり逃げ出す行為に後悔の可能性を感じた、という事だろうと思います。
杉下が逃げ出した心理は二つあります。
母親から拒絶される事への恐怖とその結果として成瀬の元に帰れなくなる事への可能性への恐怖です。
この場合、未練の対象は前者は早苗であり、後者は成瀬になります。
しかし、未練という感情は一対一の関係において成立する概念だろうと思うんですね。
つまり、未練を感じる対象と行為対象が一致しているからこそ、それは未練として規定出来ると思うんです。
つまり、成瀬の元に行けない、という成瀬に対する未練として早苗を振り向かないだろうと。
後者の場合、早苗から赦される事はあくまで手段です。手段でしかない存在に対しては未練を感じないですよね。リトライできるんです。
ですが前者の場合、そうそうできるものではありません。ここでできなければ、次はほぼない。相手側の事情では無く、杉下が感情面で怖じ気付いてしまいます。だからこその未練。この機会を逃したら、というもの。
ですから、杉下が早苗を振り返ったには、早苗に赦されたいという母親に対する思慕からきた行動と言っていいと思います。
最後はバスを停めて転んだ早苗に駆け寄った心理ですね。
これは素直に取っていいんだろうと思います。
早苗を捨て島を出てしまった罪、後悔を再び繰り返したくないという思いだったのだと思います。
逃げ出した心理は島を出るときとこの時では全く異なりますが、母親から逃げ出したという状況は同じです。自分にすがる早苗を捨てたことに対する罪意識、後悔の念が杉下には有りました。この時は早苗が自分を追う理由はこれまた異なりますが自分を追う母親から再び逃げようとしている。自分は同じ後悔を再び繰り返すのか?
これが早苗に駆け寄った際の心理だと思います。
こんばんは。
先日書きそこなった部分で、もし私だったら?というところなのですが。
もし私(=しのぶ)が西崎を好きだったら?
それを考えると、決して成瀬を作戦に巻き込むことはできない、と思ったんです。
成瀬は希美にとって恩人です。希美がお城放火をしようとした事を止め、自らやると進言し、さざなみの火で希美を解放してくれました。少なくとも希美はそう思っています。
成瀬の事を好きかそうでないか、はともかくとして、
成瀬という恩人に対して、そして成瀬は少なからず希美に好意を示している事がわかっている人に対して、自分の現在好きな人(=西崎)のために、その好きな人に協力してほしい、なんて、私だったら絶対言えないです。(「絶対」という言葉は違うかもしれませんが。)
それは西崎も好き、成瀬も好き、の場合も同様です。
もちろんこれは私(=しのぶ)の感覚ですが。
というわけで、「希美は西崎が好き」、という選択肢は私の中ではなくなったのです。
結論部分をどう言葉にしようか、難しいです。先に書いてしまおうと思ったのですが…。
まったり、のお言葉に甘えさせていただいてます。
しのぶさん、
マッタリ行きましょう、それでいいですよ(笑)
論の途中で介入するのはどうかとも思いましたが、ちょっと考えた事を。
一般的な成瀬派の解釈では西崎に対して杉下は感情はない、という解釈だと思います。
杉下の『究極の愛』に関するパラドックスに気づいていない場合です。
この立場に立つと、幾つか障壁があるんだと思うのです。それはどうクリアされるのでしょう?
一つは杉下のヒスの出処です。彼女は西秋の不倫告白にヒスを起こし料理をいきなり始めました。奈央子の不倫がストレス源なのではなく、その不倫相手が西崎である、というのがストレス源です。この杉下の心理はどう説明されうるのか?
二つ目は杉下の成瀬に対する態度です。
成瀬一途説だと、おそらく作戦に二人で協力することをきっかけにして杉下が成瀬との関係再開を期した、という解釈になるでしょう。
ですが、その関係再開の機会が成瀬を巻き込んだ作戦である必然性がないのです。
つまり西崎とは全く関係のないところで杉下が成瀬と関係を再開させる事に支障があるように思えない。そうであるなら少なからず成瀬に迷惑がかかる作戦へ彼を巻き込む必要性は無い。現に作戦は無しでも、成瀬は杉下の元を訪れているんですから。西崎が乱入した時、杉下は西崎を拒絶すると思うんですね。でも彼女は西崎が成瀬に作戦の事を話すのを許容してしまっているんです。ここは、成瀬の『もう少し考える』に『ありがとう』と応える心理と繋がります。
三つ目は先のヒスとも繋がりますが、杉下の西崎の作戦を許容した心理の出処です。
西崎がやろうとしているのは『恋愛感情をもって夫婦の間に割り込む』行為です。それが杉下が困窮した原因です。その行為の被害者だった彼女が、その行為者側にどうしたら協力し得るのか?島の価値観『家庭の中の事に口を突っ込まない』文化で育った彼女が奈央子に対する同情でそこまで踏み込めるのか?
この辺りが障壁になりそうですね〜
しのぶさんの論であると
西崎に対する恋愛感情がないからこそ、杉下は成瀬を作戦に引き込んだ、という意味になりますよね?それはつまり成瀬との関係再開を期して作戦を利用した、という解釈になるでしょう。そうすると、杉下に取って成瀬との関係を再開させるきっかけとして作戦である必然性に疑問が出てくるんです。つまり二つ目の障壁ですね。
こんばんは。
先の投稿は「やっちゃったな~」と。でも今更取り消すのも何なのでう~ん、どうしようかな?
ずっと、わたしだったら?って考えてたんですけど、その延長線上にたまたま「西崎が好き」は私(=しのぶ)だったらありえないな~、と思ったのですが、私が下した結論部分も私(=しのぶ)だったらまずありえないだろう、う~ん、どうかな?想像もできないなって。つまり結論部分においてはわたしだったら?の適応外になってしまいまして、そうなると上の投稿もナンセンスということになってしまうという困ったことになってしまいました。
まあ、それでも自分の感覚というのを突き詰めてみるというのもなかなか面白い作業でしたので、昨日の投稿については推し進めた論ではない、と注釈を加えておきたいです。(取り消したいけど、残しても置きたい、という)
motoさんの突込みもろもろはおおかたの予測はしていまして、それに答える前に結論を先に言いたいのですが、どう書けばうまく伝わるだろう?と。一言でスパっと表現してみたいんですよね。
ちなみに希美が奈央子に普通に同情とかは…、う~ん、ないない、と思います。
マッタリ、有難うございます。
希美は、成瀬の愛の大きさ、深さを、確かめたかったんじゃないかな~、と思いました。
この時期の杉下の奈央子に対する感情って、どうなんでしょうね?
この時期の杉下って、結構素に近いというのが最近の評価です。
そうすると、確かに西崎へのヒスの時、嫌い!と言い放っているけれど、早苗と被る奈央子への感情って、再評価してみてもいいのかもしれない。
成瀬との誓約のために捨てた母親。
その母親に被る奈央子を、成瀬というトラウマが外れた杉下がある種母親の代理的存在としての奈央子を、成瀬と共に助ける、助けたいと言った心理がひょっとしたらあった可能性は無いですかね?
なんか物語としての二つの事件の対称性からも、このような解釈は美しさが上がると思いませんか?
そーすると、途中で止まったドレッサー事件について今一度分析がいるな
杉下の成瀬に対する冒涜観念って、これまであまり厳密に区分してなかったけれど二系統あるように思う。
一つは成瀬の申し出を拒絶する事への冒涜観念。
もう一つは成瀬の前に立つ際に、罪を抱えたままである事への冒涜観念。
コメントを投稿