2015年6月26日金曜日

何故杉下は安藤からプロポーズされた事を西崎に話したのか


西崎へ杉下が安藤からプロポーズされた事を話した事情を考えます。

ドラマの演出としては、西崎にその後『崩れ落ちそうな橋』の問いを安藤に対してさせるためですが、もう一つは、その行為が杉下にとってどういう意味があるのか、つまり杉下が西崎に伝えたかったものは何か、それが気になります。

安藤のプロポーズは杉下に改めて事件の真相の一部を明らかにしました。それは安藤が野口の言う『僻地行き』をむしろチャンスと取っていたのを自分が取り違えて事件のトリガーを引いてしまった、という事です。
これにより、杉下はより一層自身の罪の意識を深めます。
そのきっかけとなった安藤のプロポーズを西崎に話した。

恐らく杉下は西崎に自身が知り得た事件の真相の一部を伝えたかったのだと思います。それは何かと言えば、なぜ安藤がチェーンを掛けたのか、という理由です。

この問題について、西崎が認識していると杉下が考えている事項を整理します。

1)西崎は安藤が鍵を掛けた理由は正確には知らない
杉下が安藤からプロポーズされた事で知り得た事が、安藤が外鍵を掛けた正確な理由です。事件当時、杉下にも安藤が成瀬に対する嫉妬心から鍵を掛けたのだろう事は推測出来ましたが、正確な理由は理解出来ていませんでした。しかし安藤のプロポーズで、それが杉下にも理解出来た。つまり作戦でプロポーズの機会を失った安藤は作戦成功後では杉下に自分が入り込む余地が無くなる。そのため作戦を頓挫させかつ杉下の自分への気持ちを確認する為に鍵を掛けた、という事を杉下は理解した。しかし西崎はまだここまで認識出来ていない、というのが杉下の判断です。

2)西崎は自分と安藤の関係は粗であったことを知っている
西崎は興信所を使って、杉下の事を調べた、と杉下自身へ説明しています。これを受けて杉下は自分と安藤の関係も粗であった事は西崎も知っている、ととっている。

つまり、杉下が安藤が自分へのプロポーズした、という事を西崎へ伝えれば、西崎は
『この十年安藤と杉下の関係は粗であった。それでも安藤は杉下へプロポーズしたということは、事件当時すでに安藤にはその気があった。そこへ杉下の究極の愛の相手である成瀬が噛む作戦を知った。作戦の成功は安藤には杉下の気持ちに入り込む余地を無くす。そこで鍵を掛け、計画を潰し、混乱の中で真に杉下が頼る相手は自分か成瀬かを試した』
という推論が出来るだろう、と踏んだんです。また、杉下としてはそれに西崎が気付いてほしい、という気持ちがあったはずです。安藤の行動の原因が自分であり、その結果が西崎の服役ですから、杉下としてはストレートにそれを西崎には話し難い。でも事件の真相は西崎にも伝えたい。そういう心理がプロポーズされた、という事実のみを西崎に伝える行動になったと思われます。

参照
安藤の指輪に対する杉下の涙の本当の訳
杉下は安藤が外鍵をかけた理由を認識し得たか
西崎は外鍵をかけたのが安藤であるといつ認識したか
安藤はなぜ外鍵を掛けたのか?

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