![]() |
出典:https://www.tbs.co.jp/ |
これは以前から指摘している事です(参照:Nのために 論考: みんな『安藤の僻地行き』の意味を取り違えている (ronkouforn.blogspot.com))
これは野口が安藤の能力を高く買っている事の、抜擢人事です。
この辺りについては、参照先記事に書いている事ですので詳細はそちらに譲ります.今回はその参照記事に書いていない部分でも、この説を裏付ける描写がありますので、そのあたりについて書きます。
「君が勝ったら、名前が挙がっても僕が取り下げる」
8話で野口が安藤に賭け将棋を持ちかけるシーンでの、野口の発言です。これは、安藤がプロジェクトのメンバーとしてふさわしいと、周囲から声が掛かる可能性を野口が認めている発言です。つまり野口は安藤が周囲からも評価されている、という事を認識している訳です。
安藤は杉下にプロポーズするつもりだった
6話現代編で杉下を呼び出した安藤が彼女に告げています。
「あの日、事件の日に渡そうと思っていた。(指輪を差し出す安藤)結婚してくれ、って言うつもりだった」
ここで問題なのは、安藤のドラマ中での性格付けです。
仮に安藤がダリナ共和国赴任を『左遷』と取っていたとした場合、それば彼のキャリア上の『敗北』であるでしょう。彼はドラマ内では常勝者として描かれています。にも拘わらず、ここで仮に敗北だと取っていた場合に、杉下へプロポーズしよう、などと考えたでしょうか?敗北を契機としての杉下へのプロポーズであるならば、それはそれは安藤が精神的な慰撫を求めた事になり、ドラマ内での安藤の描写とそぐわないのです。
彼はダリナ共和国行きを自身のキャリア上のチャンスと捉えていたからこそ、杉下にプロポーズする事を決めたと考えた方が妥当です。
彼が杉下にプロポーズする事を決めたのは、8話東京編で野口宅からの帰り道での杉下との会話の結果だと思います。彼は杉下に成瀬との関係を問い、杉下から「付き合ってない」という言質を取りました。海外赴任の可能性を明かし、また『僻地』であるダリナ共和国を『無人島』に例え、「無人島に行け、と言われたらどうする?」と問い、彼女の『行ってみてもいいかな』という答えを得ます。
これは、安藤に以下の情報を与えたことになります。1つは、杉下にステディな関係の男性は現在存在していない。2つには、『僻地』である事が杉下がプロポーズを断る理由にはならない、という事です。この情報で彼はプロポーズを決めた、と考えていいでしょう。
また、彼は9話東京編で同期との焼肉忘年会に杉下を連れて行っています。これはある意味同期への杉下のお披露目とも言える行動です。安藤がダリナ共和国行きを『左遷』と取っていたなら、彼はこのようなお披露目などしないでしょう。
野口の言動も安藤のポロポーズを後押ししている
同じく8話東京編において、野口は自らシャルティ・広田のシェフへ安藤が杉下にプロポーズする可能性を伝えている事がシェフと成瀬との会話で明かされています。シェフがそれを受けてシャンパンの追加とデザートの変更をしていますし、シェフが成瀬に演出の指示をしています。これは野口がシェフへ演出を依頼したと考えられます。左遷する者のプロポーズに対して、このような配慮をするでしょうか。
また、この野口の行動は9話での安藤の動機への杉下のお披露目より前です。野口がこのような行動をこの時点でする、という事はドラマでは描写されてはいませんが、賭け将棋に自身が負けた場合には、安藤は杉下にプロポーズを決めた後に自身のダリナ共和国赴任に併せ杉下へプロポーズする意思を野口に伝えていたと考えられるのです。
杉下が『僻地行き阻止行動』をとった際(9話)、このように杉下に言っています。
- 『そんなつもりはないよ』(杉下の『人の足を抄うようなことは、しないでください』に対して)
- 『悪い話じゃないよ。若いうちから経験を積めるんだ。有難いと思って貰わないと』
- 『安藤君が僻地に赴任になったら、希美ちゃんついてく?それとも別れて日本に残る?』