2023年12月24日日曜日

ドラマ:杉下の病気に対する高野と西崎の行動の違い

 杉下の病気を西崎と高野が知っていました。

それを受けての、それぞれがとった成瀬への対応には差異があります。

高野は成瀬には連絡を取るように促しますが、杉下の病気については口を噤んでいます。

一方西崎は成瀬に対して病気の事を話し、彼女を救ってほしいと頼んでいます。

同じ情報の取り扱いについて、成瀬に対する対応が二人で割れている。これはどうしてでしょう。

高野と西崎はほぼ同じ情報を持っていたと言えます。

  • スカイローズガーデン後、成瀬と杉下が接触を断っている事
  • 成瀬と杉下が島時代に特殊な関係にあった事

二人に違いがあるとすれば、それぞれの情報に対する細かさと言えるでしょう。

高野は島時代の杉下と成瀬の関係性をよく知っており、西崎はスカイローズガーデンの詳細を知っている。

もう一つの違いは、事件における成瀬、杉下との関係性があります。高野からすれば二人はさざなみに関して真相を追求すべき相手、つまりは成瀬、杉下から見れば『外』であり二人を追及するの人間ですが、西崎からすれば成瀬、杉下はスカイローズガーデンでの『内』、同志の関係性です。

高野には、自ら余命を明かし、それでもなおさざなみ、スカイローズガーデンについて偽証を続ける杉下の覚悟を目の当たりにして、二人の関係性に”不可侵性”を見たのだと思います。不可侵であるが故に、二人の関係性に何がしか変化を起こす情報を自分が与える事に躊躇した。

一方西崎にすれば、成瀬と杉下の間にある種の不可侵性を認めつつも、特に杉下に対する西崎の罪の意識から彼女が一人孤独に朽ちてゆくのは耐えられなかったのでしょう。そのような立場からすれば、成瀬を動かすことが出来るのであれば、あらゆる情報を成瀬に与える事も辞さない、という立場となるでしょう。

西崎と高野の、杉下の病気の情報の取り扱いに関する成瀬への態度の違いは、二人の杉下に対する罪の意識の持ちようと言えるでしょう。

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