2024年1月31日水曜日

ドラマ:西崎の『すべてはNのために。俺たちがやったことはそういう事だ』の『俺たち』に安藤は含まれるか?

出典:https://www.tbs.co.jp/

西崎が弁護士への証言として語った言葉です。1話現代編で出所直後の西崎に、高野が提示しています。高野は西崎に『Nって何ですか』と問うています。

西崎にとってのNは奈央子です。高野に対してそれを隠していません。

西崎からみて、杉下のNは成瀬です。(参照:Nのために 論考: ドラマ:スカイローズガーデンを読み解く入り口 (ronkouforn.blogspot.com)

そして西崎からみて、成瀬のNは杉下です。彼は杉下を通してのみ、この事件、およびその関係者と接点を持つからです。

3人は作戦の共同計画者であり、また事件の処理方針について謀議をはかった関係です。ですから、西崎、杉下、成瀬は彼のいう『俺たち』に含まれると考えられます。

では、安藤はその中に含まれるのでしょうか?

西崎に安藤の偽証意図、安藤のN=杉下を推測可能か?

安藤のNは杉下です。(参照:Nのために 論考: ドラマ:なぜ安藤は自身のNを杉下と言えるのか? (ronkouforn.blogspot.com)

しかし西崎が安藤の偽証意図をどう見ていたのか?はそれとは別の問題です。

出典:https://www.tbs.co.jp/

西崎は9話で野口宅に入ってきた安藤に向かって、開口一番「逃げられなかった」と告げています。これは安藤がドアチェーンを掛けた事が原因で野口夫妻が死亡に至った事を彼に判らせる為の発言と言えます。そしてこの行為の真の目的は、3人の謀議内容を覆し得る存在である安藤に口を噤ませる事にあったと考えられます。

一般的に事件の遠因を造った人間は、自分がその事件とは無関係であろうとします。その場合自身の行動のうち、遠因となったものを隠蔽しがちです。この時は安藤がドアチェーンを掛けた事であり、ドアチェーンを掛けるにいたった経験や情報です。西崎から見たとき、安藤がドアチェーンを掛けた事のみを隠蔽し、その他の情報を警察に偽証するのであれば、西崎は安藤がドアチェーンを掛けた事を警察に証言する腹積もりだったでしょう。そうすれば安藤も無傷ではいられない。つまり西崎から見たとき、安藤はあくまで取引相手としか見えないのです。

西崎から見て安藤のN=杉下として理解するに至る条件は、安藤が事件は奈央子による心中であると理解している点について気づく事ですが、安藤がその認識に至っていた、と西崎が認識する事は到底困難でしょう。

西崎の『俺たち』には安藤は含まれない

西崎からみて、安藤の偽証意図は西崎との取引による自己保身以上のものには見えません。出所後西崎を訪ねてきた安藤への塩対応と併せて考えると、西崎の『俺たち』には安藤は含まれていない、と言えます。

0 件のコメント: