事件時、西崎は杉下を成瀬に預けました。『杉下を守ってやってくれ』
西崎は成瀬が杉下の究極の愛の相手であることも知っています。
にも関わらず、杉下の病について当の成瀬では無く、先に安藤をテストしました。
この事から、以下の事が推測出来ます。
1.西崎は成瀬と杉下が自身の服役中接触を絶っていた事を知っている。
2.西崎は病の杉下を預ける相手として、成瀬を選択する事に不安を抱いている
西崎の一番の関心は杉下です。成瀬とは手紙のやり取りをしていた。
当然西崎は杉下の様子を尋ねます。成瀬の応えは『杉下と接触していない、知らない』。
若しくはその問いには答えなかったかもしれません。当然西崎はその理由を問いただすでしょう。ただし手紙という手段で当然検閲を受けていますから、あからさまな表現は出来ない。遠回しな表現となる。
直接的な表現では偽証がバレ、場合によっては自分の意志とは離れたところで、再審請求などされかねない。そのような動きが出る事自体が西崎には避けたい。
しかし成瀬は西崎の問いに一切答えなかったと思われます。それは出所後直ぐの電話でも同じだったでしょう。
つまり成瀬が杉下と接触しない理由、二人の関係が途絶えた理由と事情を西崎は全く把握出来ていなかったから、成瀬が杉下の病を知ってどう反応するかが全くわからない。事情が不明であるから、説得しようにも何を材料に説得したらいいのかさえ判らない。ですから当然自信が持てなかったであろう事が予想出来るのです。
それに対して安藤は?
彼に資格があるかどうかは別としても安藤が杉下の病状を知れば動く事は容易に予想出来た。そうであれば動く事が間違いない安藤をまずテストしようと、西崎は考えたのだと思います。そうでなければ、成瀬を差し置いて安藤をテストする理由を見出せません。
参照
成瀬と西崎のやり取りは手紙だった
西崎が安藤に『崩れ落ちそうな橋』の問いをした理由
崩れ落ちる橋への二人の答え
0 件のコメント:
コメントを投稿