引き続き、ドラマで描写された皮肉の例をあげます
さざなみ放火事件の後、声が出なくなった夏恵を思い、真実を知りたがった高野であったが、さざなみ放火事件の真相を知っていたのが他ならぬ夏恵であり、証拠隠滅までしていたという事
さざなみ放火事件で放火を疑われた成瀬が放火犯では無かった事。あまつさえその前日に杉下が自宅に放火しようとした際に取り上げたオイルを処分していた事。及び杉下がその後15年にわたり必死に成瀬を庇おうとした行為が単なる勘違いであったという事
さざなみ放火事件で病院へ向かおうとする高野のパトカーの中で奨学金の申込書を成瀬に渡す際に杉下が成瀬に囁いた言葉が視聴者が期待した〝愛してる〝ではなく、〝成瀬くんなら何にだってなれるよ〝である事
スカイローズガーデン殺人事件の真相は、野口夫妻の歪んだ夫婦愛の故の心中であった事
西崎が夫のDVから助けようとした奈央子の真意は、奈央子が野口に言い寄ろうとしていると勘違いをした杉下を、野口から引き離して欲しいという事であった、という西崎の勘違い
企業社会に於いて、僻地への赴任が必ずしも左遷でない、むしろチャンスである事を理解出来ない杉下と、その杉下が誤った認識により野口へ挑発行為を行い事件の凄惨化のトリガーを引いた事。
血の付いたブランケットを右手に持ち、左手に持ったものはナイフでなく携帯電話で、視聴者の予想を裏切り、凶行には全く関わっていない成瀬
愛する人が犯罪を犯したら一緒に警察へ行くと宣言していた安藤が、杉下が自分と成瀬のどちらを頼るか?という事を知りたいが為に事件の凄惨化につながった外鍵を掛ける、という行為に及び、かつ自分の行為については証言を躊躇った事
高校時代に経験したどん底からの脱出の為に形成された杉下の〝上に行く〝強迫観念と、その結果としてたどり着いた、平凡さに心の平静を求める心理状況
他にも気付かれた皮肉があれば、皆さんより教えていただきたいです。
16/01/18
安藤が自分の行為について口を噤んだのは、杉下に嫌疑が掛からないよう、作戦の存在を隠蔽するためです。当初の解釈では自身の保身の為、と判断していましたが、それは違います。
彼は事件の真相が奈央子による心中だと理解していました。しかし計画の存在が警察にバレると杉下に殺人の嫌疑がかかる事になるため、それを回避する意図で口を噤んだのです。
2 件のコメント:
安藤の僻地赴任を杉下同様に、左遷と取っている視聴者が未だにほとんどですね。
これは後に触れていますが、左遷じゃなくて抜擢なんです。杉下も安藤にプロポーズされて、その事に気付いた。
指輪を見ての涙は、自分の誤解で不要な野口への挑発をしてしまった事に気付いた、罪の意識の涙なんです。
スカイローズガーデンとのばら莊も、イロニーの範疇ですね。
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