2015年5月16日土曜日

成瀬は作戦終了後、杉下との関係をどうしようとしていたのか

成瀬はN作戦2の実行前、〝大事な人が〜〟メールの時点で杉下の中に西崎がいることを知っていました。それでも敢えて西崎に協力する事にした。それは杉下がこの作戦に関わっているから。
彼女のおかげで今の自分がある、という思いからです。

では成瀬は作戦が終わった後、杉下をどうしようとしていたのでしょうか?

西崎は杉下の気持ちを知りません。ですから西崎と杉下が恋人関係になることはない。
杉下が西崎に気持ちを伝えるかというと、それも成瀬としては想像しがたいと思います。
おそらく杉下は西崎には自身の気持ちは打ち明けない。
成瀬にしてみれば、杉下の究極の愛の定義を知らないから、杉下がこの作戦で西崎への気持ちにケリをつけるつもりである、という事も予想だに出来ない。

そうすると、成瀬側から見ると、作戦終了後は、杉下ー西崎の関係は基本的に変化無し。また杉下ー成瀬間も杉下側からの働きかけはない、と予想する事になります。

つまり、後の不確定要素は自分の行動というと事になる。

成瀬の性格も勘案して考えると、
1.杉下に自分の気持ちを伝えて、杉下の選択に委ねる
2.何も言わず、島時代の友人という距離を保つ

このどちらかでしょう。
グイグイと押しの一手、というのは成瀬の性格的には無いと思う。

で、どちらが答えなのかは現段階では分からない。もう一つ状況が進んだ時の成瀬を見る必要がある。

それは、安藤望が男で、杉下にプロポーズする予定である、ということを知った時の成瀬の反応です。この時、成瀬は相当動揺していました。成瀬は何に動揺したのか?

杉下の気持ちが西崎にある、と成瀬は分かっています。しかしプロポーズするにたる相応の関係が杉下と安藤の間に存在した、という事を成瀬は理解した。
杉下は〝安藤は作戦の事は知らない〟といっています。安藤を作戦に係わらせたくない、という意思表示です。この状況下で成瀬としては、杉下が安藤のプロポーズを断ると断言出来る材料は有りません。
成瀬は杉下の事が好きです。杉下の成就しない気持ちを慮って、作戦に協力した。しかし安藤という新たな状況に対しては別です。少なくとも、成瀬にも安藤と同じ土俵に乗るだけの資格はある。
そうすると、成瀬としては安藤と同じ立ち位置を得る行動を取る必要が生じた、その必要性が生じた事がこの時の動揺なのだと思います。
最初から杉下へ気持ちを打ち明けるぜんていであるなら、それはすでに西崎と自分との選択を杉下に任せる事を覚悟している事になりますから、自分が選ばれないという可能性も十分入っている事になります。そこに安藤が入ってきても、ここまでの動揺にはならないと思います。

そうすると、逆説的に、この安藤が男であるとわかるまえ、杉下に計画への協力を申し出た段階での成瀬の考えは、〝何も言わず、島時代の友人という距離を保つ〟だったと推定出来ます。



2 件のコメント:

motoさん さんのコメント...

ここは変更の必要を感じないですね。
今考えても成瀬が、安藤の問題が出てくる前の段階でどう考えていたのか、という点は本編に書いた通りです。

成瀬が動揺したのは、野口家での食事会のメニュー変更がオーナーから聞いた時、女性だと考えていた安藤が男性であった事、そして彼が杉下にプロポーズするかもしれないという点です。

その後に杉下が作戦会議をしたい、とシャルティ・ヒロタを訪れた際、成瀬は忙しいから、と断っています。
この断りが、作戦の穴を作った、とも考えられます。もしこの作戦会議が行われていたら、時間の変更にともなう杉下が危険に陥る可能性を潰せていたかもしれません。

この時成瀬が作戦会議を断ったのは、本当に忙しかったからでしょうか?
確証・傍証がないのですが、これについては私は成瀬が安藤に対抗する為のプレゼントを買う時間に当てたかった為と想像しています。

そのプレゼントは、10年後杉下に巻いた青いマフラーだと考えています。

杉下の勝負色はイエローです。これは島時代に本土デートした際のスカートの色です。
このイエローを、スカイローズガーデンでも使用しています。イエローのカーディガンです。ですからスカイローズガーデンの際杉下は”勝負”時だったのです。

一方の成瀬ですが、本土デートの際の服装は青系のチェック柄シャツでした。そしてそのシャツを羽織った状態で帰りのフェリー内で杉下は居眠りをしています。

このようなアナロジーから行くと、青いマフラーは実は安藤に対抗しようとして成瀬がスカイローズガーデンの、作戦会議をキャンセルした間に購入していたもの、という推測が出来るのです。

そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが、安藤が10年後に、”事件の時に渡すつもりだった”と指輪を杉下に渡しています。10年越しのプロポーズです。
このような描写があるのであれば、物語の謎解きとしても、状況証拠としても、またドラマの演出としても、成瀬の青マフラーが10年越しのプロポーズプレゼントだったと考えるのは筋が通っていると思います。

motoさん さんのコメント...

シャルティ・ヒロタに関しては実はその演出意図がまだよくわからないカットが2つあるんです。

一つは、店前に立つ杉下の背中を左後方、下から仰ぎ見たカットです。これはお城放火未遂の翌日、杉下がさざなみを訪れ、閉店告知の張り紙を見たカットと類似しています。

もう一つは、店内に入り、フロアへ会談を二人で降りるカット。これは10年後成瀬がさざなみの真相を杉下に告白するシーンと対応しています。

この2つのカットのアナロジー、演出上の意図が9年たってもまだ理解できていないんですよね。

どういう意図何でしょうか?