2015年5月24日日曜日

スカイローズガーデンにおける罪の共有関係についての再考 特殊解・例外

昨日はスカイローズガーデンでの西崎、成瀬、杉下の罪の共有について考察しました。

西崎については杉下の規定する『究極の愛』における罪の共有が奈央子に対して成立するのに対して、成瀬、杉下については罪の共有を、規定出来ないと分析しました。

しかし、杉下については、ある特殊解として罪の共有が成立します。
今日はその特殊解を解説します。

それは成瀬が行おうとしている偽証を罪とした場合です。

つまり
杉下は罪(成瀬が行おうととしている隠蔽工作)を犯した人間(=成瀬)を捜査機関から匿う意図で偽証(=犯行現場は見ていない、外鍵については知らない、三人が居合わせたのは偶然)した

成瀬の意図が捜査機関から杉下を殺害への関与の嫌疑から除外する事であり、その意図は杉下にも判っていますから、その成瀬を捜査機関から匿うには成瀬の考える偽証にそのまま乗る、そうすると杉下には成瀬に対する罪の共有関係が成立する、というロジックになります。

この特殊解を採るとするならば、一般的に言われている〝成瀬が杉下が行った西崎の罪の共有をさらに半分共有した〝という解釈とは全く逆の罪の共有関係が成立する事になります。

ただし、個人的にはこの特殊解、例外をそのまま採用していいのかは検討が必要と思っています。もう一段突っ込んだ分析が必要と感じていますので、現段階では一つの可能性として記しておくに止めます。


1 件のコメント:

motoさん さんのコメント...

これは今考えると、ロジックのお遊びみたいな所は有りますね。

でも、このようなある種のレトリックの可能性まで検討しないと、このドラマの本当の面白さにはたどり着けない。そうでなければ、杉下の『究極の愛』の存在に気付けないんですよ。こういう点も考えると、いろいろなものが見えてきます。