2015年5月26日火曜日

スカイローズガーデンにおける罪の共有関係の再考 定義の拡張


罪の共有の分析で、基本的には成瀬・杉下は他の人との罪の共有関係は存在しない、特殊解として、杉下に成瀬の罪の共有が発生する、としました。
しかし、その特殊解をそのまま採用してよいのか?については一旦保留しました。

(『スカイローズガーデンにおける罪の共有関係についての再考 及び 同特殊解・例外』を参照下さい)

追加の分析が必要と考えたのは下記の言葉を罪の共有の定義に導入した場合に、これまでと異なる結果が出うるか?と考えたからです。

”大切な人が一番傷つかない方法を考えた”

これを”罪の共有”の定義に織り込むと、こうなります。

『罪を犯した人間が一番傷つかないよう、捜査機関に偽証する』

これを杉下に関して適用するとどうなるか?

杉下は罪(=自分が野口を殺害した、という偽証)を犯した人間(=西崎)が一番傷つかないよう、捜査機関に偽証(=犯行現場は見ていない、外鍵については知らない、三人が居合わせたのは偶然)する

これだと、杉下の罪の共有が西崎に対しても成立するんです。

ここで大事なのは、西崎が一番傷つかない方法=西崎が野口を殺害した犯人とする事、です。これが西崎自身の望みですから、これは論理的に成立するんですね。

杉下に成立しうる二つの罪の共有。
それはどちらが真なのか?もしかして両方が真なのか。

今はまだ結論が出ません。

1 件のコメント:

motoさん さんのコメント...

ここです。私がこのドラマに関して放送終了後にわざわざこのようなブログを立ち上げてまで、いろいろ考察を始めたきっかけが、このロジックなんです。

仮に杉下の気持ちが西崎にあったとしたならば、このロジックは十分に成立するんです。そういう目でドラマ全体を見直してみると、それらしき描写や、傍証がたくさん出てくるんですよね。

私が本当にこのドラマの奥深さに導かれたのが、この可能性に気づいた事でした。このバックドアの存在に気付いている人は、果たしてどれほどいたのか…

各所で西崎と杉下の類似や関係性について触れているものはありますが、明確に杉下の気持ちが西崎にあった、それがこの事件の背景として存在しているという事を明確に触れているものにはであった事がありません。

もちろんいろんな角度、好みからこのドラマを楽しめばいいのですが、私の立場からみれば、なんか全然違う事を言っているな、というものばかりです。
それは誰もこのロジック、バックドアに気づいていないからなんです。