2015年7月28日火曜日

安藤の名前が『のぞみ』である事の必要性 その二

前項からの続き…

名前に関しては、もう一つの観点が有ります。
安藤の外鍵の隠蔽のトリックを隠蔽する、ある種の誘導を行う、という効果です。
キャラクターの名前にある種のメッセージを込める、というのは従来からよく行われる手です。このドラマではそれを逆手に取った。
安藤と杉下の名前がともに『のぞみ』であり、かつ双方の一字づつをとると『希望』になる。そこに製作者が杉下にとって安藤とは自身の上昇志向のシンボル、もしくは代理として大事であった、という誘導を狙ったのです。一見するとスカイローズガーデンの事件での杉下の行動とラストシーンにはギャップが存在する。視聴者はそのギャップの解消を図ろうとする。その際、このような操作を事前にしておく事で、安藤の外鍵の隠蔽にトリックが仕込まれている事自体を隠蔽する効果があるんですね。

似たような操作は、安藤が鋸をろくに使えない、という描写にも認められます。この描写により安藤の生活力欠如→杉下の弟分(名前の呼び捨て含む)という刷り込みをする事で、家族を守るような無償の愛、という方向に誘導しようとする意図です。

いや、nao様ありがとうございます!
安藤の名前が『のぞみ』である必要性が、ドラマ全体の中で位置付けできました。名前については全く謎解きに関係しないだろう、答えが出ようのない推測のネタ程度と思っていたんですが、しっかりその必然性が存在したんですね。う〜ん、自分では謎解きはほぼ終わったと思っていたんですが、まだ出てくるんですね!

追記
推測ネタという単語を出したついでに、安藤のイニシャル=A.N について感じていた事を。
これは英語の否定の接頭辞のANではないか?と思っているんです。
つまり、杉下、成瀬、西崎の存在をテーゼとした時の、アンチテーゼとしての存在。
歪みを持つ存在に対する、アンチテーゼとしての歪みを持たない存在。これが安藤の名前に関して、真に製作者が込めた意味ではないかと私は詮索しています。

ま、これについてはティーブレイクネタ、という事で。

参照
成瀬が『N作戦2』に協力することにした理由
杉下の安藤の外鍵隠蔽行動

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