…続き
この段階で、入力側の“成瀬”はゴンドラ以降の心理変化で外れています。
そして成瀬の作戦参加表明によりシステムの(制御因子)と(出力)が条件として揃ってしまった。
まづ最初の条件が、串若丸で泥酔した杉下が西崎に負ぶわれて帰った事。このとき杉下は西崎の背中に頭を垂れました。杉下にとって男の背中に頭を垂れる行為は特別な意味があります。成瀬との早朝デートで成瀬への感情を自覚した際、成瀬の背中に頭を垂れました。どちらかというと不可抗力と思えますが、これが彼女の心に残ります。
二つ目の条件が、西崎の不倫及び奈央子を助けたい、という気持ちを知ってしまった事。
杉下にとって夫婦関係にある男女間に恋愛感情を持って割り込む事は罪です。つまり西崎が罪を犯そうとしている事を知ってしまった。そして作戦が具現化する事でそれが具体的罪、及びそれへの協力が『罪の引き受け』と杉下の中で位置づけられたのです。
三つ目の条件が成瀬の作戦参加です。
トラウマが外れた杉下は成瀬と再び関係を再開させたい、と願っていました。成瀬との関係の再開=西崎からの離脱=西崎から身を引く、と杉下の中で位置づけられました。
つづく…
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