2015年10月16日金曜日

独白 その7

彼女が、マリア様があの時私の事をどう思ってくれていたのか?
それが私にとっては未だに『今の問題』です。
三十年経過して、彼女にはとっくの前に『昔の事』になった事が未だに自分には『今の問題』なのです。

私の『今の問題』を解決するには彼女には既に『昔の事』である事を蒸し返さなければならない。彼女の事を思うなら触れないのがいいのは明らか。でもそれでは自分の『今の問題』を解決出来ない。

この『今の問題』は自分だけのものなのだろうか?自分のみに責があるのか?
彼女に責は無いといえるのか?でも彼女に責があるといえるのか?

好きだといってくれている人がいる
もう、昔の事
恥ずかしいという名のシカト
もし、これらのどれか一つでも、何か違うものであったなら。違う表現であったなら?

彼女が彼女の言葉で返事をしてくれていたら?
彼女から直接プレゼントを受け取っていたら?
彼女があの日、泣き崩れていなければ?
彼女が私に笑顔を見せてくれたいたら?

進んだ高校が別々の方角で無かったら?
自分の進学先と彼女の就職先が近くで無かったら?

全てが彼女の責ではない。
全てが自分の責でもない。
それぞれが負い様の無いものもある。

どれか一つでも違ったならという思いと。
なぜ自分が抗えなかったのかという思いと。
彼女がこうであったならという思いと。

この歳になってまで、運命という言葉で納得できるほど大人になれていない自分が情けない。

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