『その時考えていたのは大切な人のことだけだった。その人の未来が明るく幸せであるように。みんな、一番大切な人のことだけを考えた』
九話における杉下のモノローグです。
このモノローグでは、『みんな』と表現されているんですよね。つまりは安藤を含めて、という意味です。杉下は安藤も一番大切な人の未来が明るく幸せであるよう、その人の事だけ考えた、と杉下も取っていたという事です。
ですが杉下は安藤を嫌っていた。安藤の訪問を事件後拒絶しています。安藤の外鍵は中の三人の思惑の一致からこちらから隠蔽を図ったものですが、杉下には安藤が自身の保身からそれに乗ったように見えていたんです。だからこそ彼を拒絶し、そして彼を嫌った。この段階では杉下には、安藤の偽証意図を理解出来ていないはずです。視聴者側でさえ安藤のN=杉下、という安藤の高野への証言に違和感を抱いている人が多いのですから。
でもこれまで検討した通り、安藤の偽証意図は杉下を殺人の嫌疑の外に置く事です。
では最初の杉下のモノローグはいつの時点での彼女の認識を語ったものであったのかと言うと、安藤が杉下へプロポーズした後の段階です。つまり杉下は安藤が当時自分へプロポーズするつもりであった事をしった。好きな人間を嫌疑にさらす事はできない。だから安藤は自分を嫌疑から除外する意図で偽証した、という事に気付いたわけです。
参照
杉下はなぜ事件後、安藤の訪問を拒絶したのか?
『杉下のN=成瀬』説普及短期集中講座 そのⅠ〜11
安藤のNは杉下と言っていいのか? その一〜二
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