続き…
そして残るは冒頭の成瀬の安藤に対する、成瀬の発言意図の推理です。
ここで今一度立ち返りたいのが、なぜ安藤が成瀬に会おう、と考えたのか、その意図です。
安藤は成瀬の発言の前にこう言っています。
安藤『十年たって今更だけど、一度会っておきたかった』
成瀬『話せる事は何も』
安藤『君から何も聞けなければ事件の事は吹っ切ろうと思っていた。時間を取らせて悪かったね』
安藤は成瀬に事件の真相を聴こうとやってきたんですね。でもその実真の目的は成瀬に赦しを請う事だった。真相を教えて貰う前提には相手から赦される、という事が必要なんです。だから安藤は自らの事件時の行為を赦して貰うために成瀬を訪れた。
で、実は安藤としてはもう一つ意図があったんです。
『成瀬から何も聞けなければ、事件の事は吹っ切ろう』
これ、事件を吹っ切る、と言っていますが、実は事件=杉下なんです。つまり杉下の事を吹っ切ろう、という意味なんです。
成瀬にとっての杉下がさざなみを抜きに語れないのと同様に安藤にとっては杉下との関係をスカイローズガーデンを抜きには語れない。それなのに事件の事を吹っ切るという事は杉下の事を吹っ切ると同義なんです。
続く…
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