十話でスカイローズガーデンでの事件の描写が終わり、現代編への繋ぎでスナップ写真のスタックとして事件後のそれぞれが描写されていました。
そのトップで安藤が野ばら荘の杉下の部屋を訪ねるものの、杉下が安藤に会うのを拒絶するシーンがあります。
オフィシャルサイトのファンメッセージでも、このシーンの解釈については投稿を見つけられませんでした。
オフィシャルサイトでは安藤派、中間派はもちろん成瀬派も含めて、杉下が守ろうとしたのは安藤、という認識が支配的でした。しかしそうするとこのシーンの説明がつけられないんですね。四人の相互関係からいって、杉下ー安藤間だけが唯一事件後も接触があっても問題のない関係性です。だからこそ安藤は杉下の部屋を訪れた。杉下が安藤を守ろうとしたのであるなら、安藤を拒絶する理由を全く見出せない。だから意識してか無意識かはともかく全ての方が無視したシーンなんです。
私は安藤の外鍵の隠蔽は四人による暗黙の取引の成立説を取っています。西崎、杉下、成瀬にとっては、非計画性と偶然性を主張する偽証を通すための必要条件として安藤の外鍵を隠蔽した。そして安藤は安藤自身の利益の為にその取引に乗ったように見える。
※但しここについては先に検討した通り、安藤は自らの意志として杉下を庇う為口を噤んだのですが…
杉下としては西崎、杉下、成瀬夫々が夫々の利益の為に必要であった外鍵の隠蔽ですが、安藤のエゴイスティックな行動が事件の凄惨化に繋がったとの認識がある。
野口夫妻は死亡し、西崎は何もしていないにも関わらず奈央子を庇う為に服役。本来ならつかないでいいはずの嘘『鍵は掛かっていなかった』を成瀬一人にさせる事となり、成瀬を再び遠ざける事になった。
このような事態を作り出した安藤に対して、ある種の感情を杉下が持つのは当然です。
それは不信、嫌悪、幻滅、怒りです。
ですので杉下は安藤を拒絶したのです。
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