西崎自身は高野に対して覚えていない、と話していますが、高野は〝俺たちとは、誰と誰か〟と問うています。西崎はその問いには答えませんでした。
事件当時の西崎にとって、〝俺たち〟は誰を指していたんでしょう?
一人目は西崎自身です。一人称複数形での表現ですから。
二人目は杉下。西崎は杉下に『罪の共有』を求めています。
三人目は成瀬。成瀬との間で事件の処理方針を擦り合わせ、杉下を託しました。
安藤は、というとやはり西崎の中に入っていない、と見るべきでしょう。
一つには安藤はもともと作戦外の人物である、というと事。
二つには事件の処理方針を三人で擦り合わせています。もっともこれは『罪の共有』ではなく、共謀ですが。これにも安藤は含まれません。
三つ目には外鍵の隠蔽についてです。中の三人には安藤が外鍵を掛けた理由を喋って欲しく無いが故に、積極的に隠蔽を図りました。中側から見るとその取引に安藤は自己の利益のためにのった、という風に見える。つまり自己保身のために取引に応じた、という理解です。実際は、昨日投稿したように、安藤には安藤のN(=杉下)のために意志を持って口を噤んだのですが。
以上から、西崎の〝俺たち〟に安藤は含まれていない、と見ていいと思います。
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