成瀬は安藤が操作機関に対して、安藤が鍵を掛けた事を始め、西崎とあった事、作戦の存在につながるであろう一切の証言はしないだろう、という事が事前に判っていた、ととってよさそうです。
当初より、私は成瀬が安藤が自分から捜査機関に対して鍵を掛けた事は証言しない、と判断していたと思っていました。
それは一般的な心理として、自身の行動が少なからず人の生き死にに関わったなら、自分から積極的にその行為を話したがらないだろう、という推察から、成瀬はそう判断する、ととっていたんです。
しかしですが、安藤側から改めて事件にどう当たるべきか、という事の推理をしてみたら、安藤が何も語らない事が杉下のためと言い得る事が判りました。
そうした時、成瀬が冒頭の認識に立ち得る、という事も分かったんです。
成瀬は安藤が杉下へプロポーズする意思を知っていた。だからこそ、安藤が鍵を掛けた理由も理解出来ている。その上で、成瀬自身が現場の状況に関する情報で事の真相は野口夫妻の心中である事まで到達し、杉下を守るためには偶然を装う必要性まで理解出来た訳です。ほとんど同じ情報を得た安藤が自分と同じく推論を進めれば、同じ結論になる、と成瀬は判断できるんですね。安藤が杉下を大事にする限りにおいて、その行動は自分とおなじだ、という事です。
実は、安藤自身も成瀬の行動方針は自分と同じだろう、と理解しているので、成瀬と安藤との間には奇妙な共闘関係が成立していたんですね。
参照
安藤のNは杉下と言っていいのか? その二
事件に対する成瀬の認識の到達度の検証
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