お前稿から…
その後安藤が入室し、西崎の『逃げられなかった』と安藤自身の『俺のせいだ』で成瀬には安藤が外鍵を掛けた動機と外鍵の捜査機関への隠蔽が必要である事を認識とした。行為およびその動機から、安藤が計画性の否定と偶然性の主張をひっくり返す事が出来る証拠を持っている、という事が判るんです。
この成瀬の認識の状況下で杉下が安藤の外鍵の隠蔽を依頼してきた。成瀬からは杉下が成瀬と同じく偽証を通すためには安藤の外鍵の隠蔽が必要事項である事、そして自分が知り得ない、安藤が偽証をひっくり返し得る証拠を持っている事を具体的に杉下が知っており、かつ外鍵の取り扱いについては三人の間でも一切話題に出ていないから、それを杉下は自分に伝えたんだ、と取った。
そうであるなら、成瀬から見たとき、杉下の行動は一貫して西崎の為の行動であり、そこに不整合はない。
杉下の作戦への協力に関する理由以降、成瀬には杉下の行動、判断は全ての西崎のため、と取った方が合理的に説明がつく。
であるならは、成瀬は杉下のN=安藤、とは取らなかった、とした方が自然な理解に思えます。
もう一つ論点が有ります。
成瀬には、外鍵の隠蔽は西崎と決めた事件処理方針を崩壊させない為の必要事項です。
もし仮に杉下のN=安藤、と成瀬が誤解した、とするなら、事件処理方針に同意した杉下は、成瀬が指示した時点で安藤を保護する目的で事件処理方針を受け入れた事になる。
しかし事件処理方針そのものは外鍵が掛かっていたかどうかに関係の無い事項です。
仮に鍵が掛かっていなかったとしても、同じ方針が取られるはずなんです。
そうであるなら、杉下が成瀬の指示した時点で、安藤を擁護する意図で偽証を受けれた、とは成瀬には取れない。つまり成瀬が杉下のN=安藤と誤解する、という事は起こらない、という事になるなります。
それに、最後に残るのは成瀬と杉下の手繋ぎです。この時成瀬が杉下の手を取りました。
もし、本当に成瀬が杉下のN=安藤と誤解したとした場合、成瀬は杉下の手を取れるでしょうか?
自分は杉下の報われる事のない西崎への感情の為に杉下に協力する事にした。
安藤の鍵のせいで野口夫婦は心中に至り、西崎は奈央子を慮って自分が犯人になろうとしている。
自分も杉下を守る為に危ない橋を渡った。その為に西崎も切り捨てた。
それなのに杉下は自らのエゴのみで鍵を掛け、事件を引き寄せてしまった安藤を守ろうとしている。その目的の為杉下は西崎も切った。
成瀬には杉下への評価が上記のものになる。
私には成瀬が杉下の手を取れないと思うんですね。人間的な感情の問題です。
おそらくこの部分の議論で一番の肝は、成瀬が杉下が作戦に協力する理由をどう取っていたか、に対する我々の理解と、成瀬が事件についての全真相への理解度への我々の理解だと思います。
成瀬は杉下の作戦への協力理由を西崎への愛、としかつ事件の全真相(杉下が偽証を受け入れた理由以外)を完全に把握している限りにおいて、成瀬は杉下のN=安藤とは取っていない、としてよいでしょう。
ですので、成瀬が安藤に十年後に語った言葉、『あの日杉下が考えていたのは安藤さんの事だと思います。あなたを護ろうとしていました』は、杉下が野口から安藤の事で追い込まれて計画をバラしてしまった事を理解していた成瀬が、その部分について語ったものであり、杉下のN=安藤、と取っていたという証拠にはならないんです。
桃さんとOAさん。お二人に感謝します。
お二人のご意見とはそぐわない、論考的結論となりました。しかし断片としては考えていたものの、この問題に対する、時間軸を正確に再現しながらの成瀬の認識の経過を精緻に検証していなかったので、ここで改めてその機会を与えていただき、ありがとう御座いました。
参照
N作戦2における杉下の魂胆
成瀬が『N作戦2』に協力することにした理由
成瀬が事件の時唯一認識出来なかった事
成瀬は作戦終了後、杉下との関係をどうしようとしていたのか
事件に対する成瀬の認識の到達度の検証
成瀬は杉下が計画をバラしたのを誤解が原因だと気付いていた
16/01/31 追記
これは今では成瀬は杉下のN=安藤と誤解した、と見解を修正しました。
正確に記すなら、まず西崎という認識があり、その上で安藤?という誤解をした、という見立てです。
成瀬の面白い特徴として、杉下の、成瀬自身に向けられた行動の意図を読み違える、というものがあります。さざなみでの奨学金についての杉下の感情を成瀬が読み違えていた。これと同じ事がスカイローズガーデンでも起きた。
具体的には、杉下の取った安藤入室阻止行動と外鍵の隠蔽依頼です。
入室阻止行動は、杉下が都合の悪い事を彼女の心理上、『外』にいる人物に対して隠す特性の表れで、安藤は『外』成瀬は『内』。
そして外鍵の隠蔽依頼は成瀬からすれば言わずもがなの措置であり、別に打ち合わせも必要のない事項だったにも関わらず、杉下が依頼してきた事から、成瀬としては『杉下はそれほどまで安藤を…』と取ってしまった。杉下からすれば成瀬を守りたい一心で安藤が偽証の根幹をひっくり返しうる存在であるがゆえに、隠蔽の必要がある事を成瀬に伝えたかったのに…
その結果が、成瀬の杉下への『怒りの訣別宣言』(=血染めの手繋ぎ)というのが現在の解釈です。
93 件のコメント:
motoさん、皆さん、こんにちは!毎日、暑いですね。
さて、Cafeでコメントを書き込む宣言をしてしまったので、突っ込みどころ満載ですが読んでくださいね。
私は、成瀬くんは希美ちゃんのN=安藤だと誤解していたと考えていました。けれど、それは論理的な考察に基づいたものではなく、あくまでも映像から訴えられたもの、つまり希美ちゃんに外鍵の隠蔽を依頼された時の成瀬くんの思考が停止してしまったかのような悲しい表情から感じとったものだったんです。それで、今回は、制作者の意図にしぼって考えてみました。
当時、成瀬くんも安藤も、希美ちゃんに自分の知らない男性のかげがあることに動揺していた。そして、それぞれがその男性こそ希美ちゃんのNであると考えていた。
それが分かるのが、現代編での高野さんと二人の会話です。
先ず第3話で、安藤は高野さんの「杉下さんにとってのNは誰やったんでしょう?」の問いかけに「言わなきゃいけませんか?」と切り返します。一方9話では、「お前のNは希美ちゃんやったか・・。なのにまた会わなくなった・・」という高野さんの言葉に、成瀬くんは複雑な表情で沈黙します。この時成瀬くんが呑み込んだ言葉は、「杉下のNはおれやなかったから・・」というニュアンスだったのではないでしょうか?
二人がそれぞれ自分ではないNの存在を意識し、それを口にすることを拒むこの場面、考察の支えになったのは、motoさんが3月のブログでupして下さった「対称性と対照性」なんです。高野さんの問いかけによって明らかにされていく二人の心理。その対比が制作者の意図であるならば、成瀬くんは希美ちゃんのN=安藤と誤解していたと考えてもよいのかな、と思いました。
・・ただ、こう書きながら私の心にも割り切れない思いが残ります。西崎さんから奈央子への想いを打ち明けられた時の希美ちゃんの動揺。あれは単に父親の不倫に対する嫌悪感から来たものなのかなあ。我を失い、まくしたてるようなしゃべり方に、何かもっと生々しい感情が潜んでいる印象を受けたのです。不倫への反発心が強いなら、motoさんご指摘のとおり「人妻略奪」には余程の理由がなければ協力出来ないはず。その理由とは?
そして、もう一点、奈央子からドレッサーが送られてきた夜、島時代の忌まわしい記憶に眠れないほど苦しみながらも希美ちゃんはNチケットを見ようとはしません。何故か?この時希美ちゃんの心に、成瀬くんではない支えとなる誰かがいたのではないか?と考えてしまうのです。それは、やはり西崎さんかな、と。
頭で考えたことと気持ちで感じたことの折り合いがつきません。
motoさん、皆さん、アドバイスお願いします。
ごめんなさい。「やはり西崎さんかな、と。」の後に付け加えさせて下さい。
「成瀬くんは希美ちゃんの心を何よりも大切にし、助けたいと思っているから、希美ちゃんの真意も読み取っていたのではないか、と思えるのです。」
よろしくお願いします。
naoさん、コメントありがとうございます。
高野の問いに、安藤、成瀬が共の口をつぐんだのは、共に杉下のNが自分でない誰かと思っていたから、という判断は私もその通りだと思います。
ただ、自分でない誰かが成瀬にとってが安藤、安藤にとってが成瀬といってしまうのは製作者の誘導に乗ってしまっている事になります。
私もnaoさんが後段で指摘された事項を追っかけたんです。
おそらくnaoさんが心理的に引っかかっているのは、杉下の感情が西崎にあった?という方向性が正しいのか?という部分だと思います。
でも、思い出してください。その扉を開くキーは杉下が定義する『究極の愛』の定義です。
こんばんは。ご無沙汰しています。桃です。
なかなかゆっくり投稿する時間が取れず、随分時間が経ってしまいましたが…
私なりの考察を書きたいと思います。
まず、私は希美は西崎さんに対して確かに安藤には抱かないある種特別な感情を持っていたと思います。
が、=恋愛感情とは考えていません。
思春期の多感な時期に、家庭崩壊をまざまざと目の当たりにし、男女の愛、家族の愛というものの儚さを知っていた希美が、わずか数年足らずで恋に落ちるというのは、考え辛いです。
安藤の自分に向けられるそれらしい気持ちに薄々気付きながらも、先へ進むこともなく、時折困惑したような表情を浮かべるのも、その伏線かなと。
逆に成瀬くんは、自分自身の希美への恋愛感情を自覚していながらも、それを決して表には出さず伝えることもしない。
そんな成瀬くんに対して、希美は男女の仲を凌駕した想いがあり、それは成瀬くんへの絶対的な無条件の信頼、即ち嫌悪する父親とは真逆の男性像として描かれています。
だからこそ、他の誰とも違う、褪せない存在となったのではないでしょうか。
そんな希美が恋をしている描写があるとは思えない。恋愛に対する嫌悪感すらあったのではないかと思います。
では何故西崎さんのN作戦Ⅱに協力したのか。
希美自身、奈央子さんにはよくしてもらった、という気持ちはあったと思います。また、儚げな雰囲気から、何かしてあげたいという、所謂長女気質のようなものもあったかもしれない。
好きになれない、と言いながらも、結婚式で島へ帰った時にはお土産を買っているし、野口さんからの暴力や体調不良が気になり、一人でお土産を言い訳にお見舞いにも行っています。
困っている人を助けたい、その優しい気持ち、本来の希美の人格を取り戻したのは、島で成瀬くんと再会し、言葉を交わし、当時のことを思い出し昔話をしたから。また、東京で会う約束(成瀬くんとの未来)を交わしたから。
希美は、西崎さんの為に作戦に協力したのではなく、DVを受けている奈央子(=困っている人)を助けようと思ったからだ、と捉えています。
お土産を渡すついでにお見舞いに寄った時、門前払いをされ、野口不在の時は奈央子に会うことすらできない。監禁が現実のものと感じられた。
また、奈央子を自分の母親と重ねたのかもしれない。
父親に縋らなければ一人で生きていけない母親は依存の象徴であり、野口に頼らなければ生きていけない奈央子。事件の直前、奈央子は希美にどうしても手に入れられないもの=一人で生きていく力、と言っています。
困っている時、助けてもらったら嬉しいよ、は=成瀬くんに助けられた過去の自分。
成瀬くんは誰よりも希美の気持ちが理解できる人。それは彼自身も家族や家庭が簡単に壊れてしまうことを、身をもって知っているから。だからこそ、自分自身の恋愛感情すら打ち明けることをしなかった。
そんな成瀬くんには、希美が西崎さんに恋愛感情を抱いているとは思えなかったと思います。
成瀬くんが協力を申し出たのは、やはり希美の力になりたいという気持ち、希美が助けたいと思っている人を助けたい、という気持ちから。
希美と成瀬くんは、N作戦Ⅱを人妻略奪とは認識していないと思います。
最初は二人とも難色を示していた。
しかし、西崎さんの望みが略奪ではない(シェルターやら然るべき施設など、略奪を考えているわけではない、と西崎さん自身が発言している)と知り、単純に人助けと考えていたと思います。
人妻略奪を考えている西崎さんならば、思ったよりもええ人やね、という成瀬くんの台詞はないと思います。
以上のことから、成瀬くんは希美のN=西崎さんとは考えていなかったのではないか、と私は思います。
希美は簡単に恋愛をしないと考えていた成瀬くんが、希美にプロポーズしようとしている安藤の存在を知って、勘違いをしていた…という発言になったのでは。
そして事件現場での希美の行動、発言。
希美のN=安藤、と考え、希美の幸せの為に鍵の隠蔽を了承した。
偽証をしたのは、希美を嫌疑の圏外に置く為ですが、成瀬くんの行動に関してのみ、偽証と鍵の隠蔽は切り離して考えるべき事柄である、と思います。結果的に鍵の隠蔽は偽証を補強することに繋がったわけです。
勿論、西崎さんと希美は、偽証と鍵の隠蔽はセットで考えるべきだと思いますが。
鍵の隠蔽=安藤の将来を守る、と考えた成瀬くんは、そうすることによって希美は安藤と幸せになる、と考え、携帯の番号を変え、10年もの間、希美の前から姿を消したのだと思います。
如何でしょうか。
cafeで話題になってました、sillyの歌詞についての考察も、また改めてcafeの方で投稿させていただきたいと思います。
桃さん、お待ちしてましたよ(*^-^*)
必死でmotoさんの難しい謎解き論考に頭を添わし考えてた所に桃さん説が現れ、素直に嬉しく思ってます。
野口さんに監禁されてる奈央子さん。これは希美ちゃんが母親から監禁された時の絶望と重なり、そんな奈央子さんを自由にしてあげたいと思ったと考察した方が、私もすんなりきています。
父親の件で不倫を嫌悪する希美ちゃんでしたが、やはり桃さんのおっしゃるように『困っている人を助けたい』成瀬くんと再び会う事で本来の優しい希美ちゃんを取り戻した意見に同意してます。
桃さん!お帰りなさい。
おそらく夏休みでどちらかにお出かけだったんではないかな?と推察しておりました!
良いお休みでしたか?
これだけ纏まった論の展開、嬉しいです。議論好きの自分としてはこういうやり取りが非常に楽しい(笑)
ただこれだけもとまっていると、それに対する返信も相当気合?が必要なので、桃さんの論を今一度じっくり味わいながら、考えたいんで、チョットお時間下さい。
あ、あとカフェにもお立ち寄り下さい。
カフェの店主がカフェオレをサービスしてるみたいです!
う、援軍出現…しかも強力な…(汗)
ちなみにアフロ1さん、今日はどちらでお過ごしで?
あ、今日はCafeに行けてなかったですね。後で参ります。今、取り込み中(笑)
こんばんは。桃です。
数日前にチラッと投稿させて頂いたとおり、頭の中では結構まとまっていたのですが、なかなか文章にするというのが難しく、また文字にするというのも、微妙にニュアンスが変わり、何度か書き直していたら、まとまりすぎてしまいました・汗
お盆は県外の実家へ子供達を連れて帰省しておりました。親戚が立ち寄ったり、兄弟も子連れで帰省したり、下がまだ年長児なので、仕事がある平日よりなかなかスマホやパソコンをゆっくり触る時間が取れないのです・涙
しかし、皆さんのコメントは気になるのでROMってました・笑
最初に申し上げたとおり、私の恋愛観はかなり歪んでおります。
歪んでいる故の、暴論であると思っていますが、moto様の独白にならい、一言申し上げるとしたら、私自身の過去の経験に基づく、希美は簡単に恋愛できない説、なのです。
だから、共感者は少ないだろうことも十分理解しています。
普通の女子高生、女子大生ならば、恋愛するチャンスなんて星の数ほど転がっているでしょうから。
ですが、強烈なトラウマを抱えると、そうはいかないこともあるし、そうはいかない人もいる。
moto様なら、よくよくお判りいただけると思い、先ほどの考察を投稿させていただきました。
それ、非常に良く解ります
私、彼女を見送ってから、駅のベンチで嗚咽していたんですが、その時『もう、人を好きになる事なんてしない!』と大声で叫んでしまいました(汗)
桃さん、お時間頂いた桃さんの成瀬は杉下のN=安藤と勘違いした、論の検討結果をお返ししますね。
先にお断りしておきたいのは、私は自分の説を擁護したいが故の論はする意思はない、揚げ足取りをする積りもないという事。純粋に論理としての整合性を議論したい、という事。
それと、桃さんについて私は公式の頃から鋭い分析に尊敬の念を抱いていた事を申し述べさせてください。安藤の外鍵の隠蔽がトリックである事に、桃さんが一番最初に気付いた事は間違いありません。そして桃さんがこういった議論に真摯に取り組まれる姿勢と思考をお持ちである事を理解した上で、以下の指摘をさせていただきます。
桃さんの論を検証した処、三つの点で論理のジャンプ・ギャップが認められました。
一つ目は杉下は恋愛を出来ないのではないか?という部分の指摘です。
桃さんはこれを島時代の親の影響、とされています。そして成瀬については恋愛とは違う領域の感情であり、上記の親の影響を受け無い、という分析です。
確かに私も杉下が成瀬には恋愛で収まらない感情を持った事に同意します。しかし恋愛で収まらない感情がある=恋愛感情は無い、にはならないと思います。むしろ多分に恋愛感情を成瀬に対して抱いていた、とした方が自然です。それに成瀬に対して恋愛で収まらない感情を抱くに至った経過の中に成瀬に対する恋愛の期間があった訳で、当然それは杉下がお城を母親と共に追い出された後ですから、杉下の親の影響を根拠として杉下は恋愛は出来ない、という展開は論理の飛躍となってしまいます。
二つ目は成瀬の作戦の動機の理解です。
成瀬は西崎も杉下も奈央子を助けたい、という人助けが動機と理解した、とされていますが、成瀬はこうも言っています。『人助けに協力出来ない』。
そしてその後杉下との橋の上での会話で『もう一度考えてみる』と前言を取り消しています。つまり成瀬は人助け、では無い何かを感じたからこそ、再考する気になったとした方が正しいのでは無いでしょうか?
三つ目は成瀬の杉下のN=安藤、の理解の部分です
一つ目の指摘とも関連します。桃さんははっきりとは書かれていませんが、杉下が親の影響で恋愛出来無い、という事を成瀬もそう理解していた、という前提があられる。
その前提のもとに成瀬は杉下が西崎に協力するのは恋愛感情では無い、と理解していた、という事だと思います。
しかしそうであるなら、なぜ安藤の事に関しては杉下の行動が安藤への恋愛感情から来ている、と成瀬が理解したのか?という部分が論理飛躍を起こしています。むしろ安藤への行動も恋愛感情外、という風に理解した方が論理としての整合が取れます。
私も似た論理の飛躍をやっている可能性は大です。ですので決して揚げ足取りをするつもりは有りません。私が求めているのはミステリーとしての論理的な正しい認識です。自分では自分の正しさを証明出来無いのは数学的真理だそうです。ですのでこのような相互の理解、認識のやり取りが非常に嬉しいのです。
長文すみませんでした。
こんばんは。桃です。
皆様のように、ハンドルネームを設定する方法がイマイチわからず…匿名になってますが・汗
私はmoto様ほど理論的思考を持ち合わせてはいないのですが、ただ、感覚的に希美の気持ちが何となく理解できる部分が多いのです。
その気持ちを理解した上で、逆算的に物事を考えてみる、の繰り返しです。
まず①つ目。
希美が恋愛できないのではないか、という持論についてですが、
確かに希美は成瀬くんに対して、淡い恋愛感情のようなものを抱いていたと、私も思います。
というか、私達視聴者にはそう見えると思います。そう見せている、と表現した方が良いのかもしれません。
しかし、私は希美自身にはその自覚はないと思うのです。
ましてや、成瀬くんには、希美が自分に対して特別な感情を抱いているとは思えなかったと思います。
希美の成瀬くんへの想いは、視聴者には手に取るようにわかるのに、当人同士は全く鈍感で、だからこそ15年もの間、ふたりはすれ違ってしまったのではないでしょうか。
成瀬くんからの視点で見た時、希美が恋愛に幻想を抱けるようには思えなかったのではないか
、というのが結論です。
また成瀬くんが、一般的な男性の行動、所謂安藤のような、簡単に触れたり、突然キスしたり、恋愛感情を見え隠れさせたり…というような行動を、取らないから、成瀬くんは他の誰とも違う存在となり得た、と思うのです。
高松デートの帰りに野望について語り合った時、もしも成瀬くんが希美の手を握っていたら。
希美の放火を止めた時、泣き崩れた希美を抱きしめていたら。
希美の中で永遠にはなっていなかったかもしれないとも思います。
②つ目。
成瀬くんの作戦への協力の動機について、ですが、
確かに一番最初、作戦を聞いた段階では、
料理を楽しんでもらう為に働いているのであって、人助けに協力しろと言われても困ります
と言っています。
しかし、西崎さんの本当の想い、歪んだ場所にいては、そこが歪んでいることに気付けない、外に出て、自分が歪んでいる場所にいることに気付いてほしい、という言葉を聞いた時、
略奪とかを考えているわけではないんですか?
と確認しています。
そこで西崎さんは改めて、
そういうことを考えているわけではない、シェルターやら施設へ…
と発言しています。
その西崎さんとの会話、西崎さんの真の望みを確認した上で、
もう一度考えてみる
と再考したのではないか、と捉えています。
③つ目。
希美が親の影響を受け、恋愛できないと成瀬くんが理解していたのなら、希美のN=安藤と誤解しないのではないか、ということですよね?
私はmoto様のご指摘通り、成瀬くんは希美が恋愛できない、というか、恋愛しない、恋愛に興味がない、と理解していたと認識しています。
だからこそ、安藤の性別が男性であり、希美にプロポーズしようとしていることを聞かされ、あそこまで動揺したのではないか、と思っています。
呆然とし、勘違いしていたみたいです…という発言をした、と取れるのではないでしょうか。
成瀬くんからしたら、恋愛できないと思っていた希美に、プロポーズされるような間柄の異性がいるなんて、相当の衝撃です。
恋愛できないと思っていたからこそ、自分の積年の想いすら伝えず、ただそばにいられたら、希美の助けになれたら、と思っていたのではないでしょうか。
それが根底から覆されたわけです。
車のエンジンをかける為に、セルを回す。
そんな当たり前の動作をする、その成瀬くんの思いつめたような表情は、希美への想いを明かし、安藤と同じ立場に立つ必要がある、そんな決意の表情と取れます。
そんな複雑な感情の中で事件に遭遇します。
助けて、成瀬くん…と呼ばれ、現場へ向かう。
血塗れの希美と、偽証を要求する西崎さん。
結局、主体的に事件処理を余儀なくされる。
かたや、安藤のことは、事件に巻き込むことすら嫌だとばかりに、鍵の隠蔽を依頼。
希美のN=安藤、と誤解しても致し方のない、すれ違いの連続ではないかな、と思います。
如何でしょうか。
ウーン、なかなかに。さすが桃さん(笑)
もし桃さんがいやでなければ、相互の認識の違いがどこから生じるのか?
何が共通で何がことなるのか、時間をかけて一つ一つ仕分けしながら理解を進めたいのですが、いかがですか?
桃さん、一つ忘れてた!
バンドルネームの設定の件、書こうと思っとったのに!
もし桃さんがグーグルのアカウントをお持ちであれば、Chromeでログインしながら閲覧すれば、『ログイン情報を選択』の一番上が選択されて、自動でグーグルアカウントのプロフィールに設定した名前がバンドルネームとして表示されます。
それ以外なら、『ログイン情報を選択』の名前/URLを選ぶと名前とURLを入力する欄が開きますので、名前にバンドルネームを入れる事でOKです。URLは省略可能です。
こんばんは。
ハンドルネームを入れてみました。
ひとつひとつの相違点ごとに検証してみる。
良い機会となるかもしれませんね。
是非、nao様、アフロ1様、OA様など、皆様にも参加していただけたらと思います。
それでは、どこから始めましょうか。
桃さん、こんばんは!
バンドルネーム入りましたね!よかったです。
さて、昨日相違点を…と申し上げたんですが、その前に桃さんにも検証してほしい事があります。
成瀬が杉下のN=安藤、と誤解した、として現代編での成瀬の言動に矛盾が生じうるかを思考実験してみたんです。
で、私的にはどうしても矛盾に感じる行動が出てしまうんです。
それは成瀬が高野から教えられた杉下の携帯へ電話をする、という行動です。
この時高野は成瀬に電話番号以外の情報を与えて居ない。病気の事はおろか、他の関係者(安藤、西崎)と杉下の関係など一切です。
つまり成瀬側からしたら、事件後とこの時の差は西崎が出所した事(西崎自身が成瀬に電話している)と杉下の電話番号を知った、という事以外にはない。
仮に成瀬が杉下のN=安藤、と取っていたとすると、西崎が出所したからと言って成瀬から見て杉下と安藤の関係性に新たな認識、若しくは成瀬が新たな行動をとる動機の変化は発生しない。つまり杉下と安藤は西崎が出所したからと言って、成瀬からみてその関係性に変化は発生しないはずであるから、成瀬がこのタイミングで杉下に電話をするという行動をとるとは思えないんです。
だからここは私には論理的な不整合が生じる。
という事は、この不整合が発生する理由はなにか?となると、仮定である杉下のN=安藤と成瀬が思ったという部分が間違いとなるように見えるんですが。
桃さんは如何でしょう?
こんばんは。
高野さんと成瀬くんの会話の流れを考えてみました。
『杉下…元気やった…??』
という成瀬くんの問いかけに対する高野さんの返事は、
『変わらんよ、強い子や』
その時の成瀬くんの表情からは、希美のことをそんな風には(強いとは)思っていないように見えました。
成瀬くんは、唯一と言っていい程、希美の弱さを知っている人物として描かれているからです。
変わらんよ…
その前に高野さんは事件関係者と会った、と言っています。
お前(成瀬くん)と希美ちゃんの繋がりを知りたくて、捜査に見落としがないか、調べていた、と。
にもかかわらず、
杉下…元気やった??
の返事が、
元気やったよ、でも、頑張っとったよ、でも、幸せにしとったよ、でもなく、
まして、成瀬くんが希美のそばにいると思っていた、もうひとりの事件関係者である安藤の名前すら、高野さんからは出てこず、
ただ一言、電話してやり、と手帳にメモしていた希美の携帯番号を渡される。
これだけで、成瀬くんは自分の思っていたことと(希美と安藤が一緒にいる)違うのではないか?
と、思ったのではないでしょうか??
結果、繋がらなかったワケですが、改めて希美に電話をする前に、西崎さんから希美の病気について聞かされる。
誰の助けも必要としていない、だがしかし、あるいは君なら…と思ってね…
=希美と安藤は一緒にはいない
確信に変わったからこそ、いてもたってもいられず、アポも取らずいきなり、希美のマンションに現れた。
電話をしてから、改めて会いに行く…では、希美に拒否される可能性があります。
誰の助けも必要としていない、のですから。
いつも、希美の同意を得てから行動するような成瀬くんが、1話で、
坂下りてきて
と、断定的な言い方をしたのと同じです。
希美が、会うことを断れないように、先手を打った。
如何でしょうか??
西崎からの電話以降については同じです。
しかし高野との会話の部分はちょっと感じ方が違いますね。
高野は『電話してやり』の前段で『変わらんよ、あの娘は。強い娘やけん』といっています。
つまり、高野としては自分の持っている、そして成瀬も持っているであろう、杉下のイメージと変わっていない、というカモフラージュを行っている。
確かに電話してやれ、という言葉に引っ掛かりを感じる可能性は残りますが、この部分は成瀬自身が杉下の事を聞いたことへの気遣い、という風に成瀬自身がとる可能性、さらには連絡が取れなくなった成瀬に杉下が連絡を取りたい、という意向を高野に対して伝えたという可能性も成瀬には否定出来ない訳で、ここから安藤と杉下の関係が成瀬が想像していた状態と異なる、と判断するのは困難だと思うのですが…
こんにちは。横から失礼します。
こういうやり方が考察になるのかどうか分かりませんが、成瀬くんが希美ちゃんに電話した事、人の気持ちの流れとして単純に考えてみました。
久しぶりに逢った知人に「ずっと捜しとった」と言われる。
そして、10年前に(今も、ですが)好きだった人の電話番号を渡され、「電話してやり」とだけ言われる。しかもそのメモは、その場で書き写したりしたものではなく、渡すことを想定して用意されていたかのような「名前+ナンバー」のメモ。
当時、相手が誰を好きだったかに関わらず、何かあったのでは?と私だったら勇気を奮い起こして電話する気がします。
改めて桃さんの説を読み直してます。
一つ腑に落ちないのが、杉下は恋愛でき無い説です。おそらく桃さんは杉下自身が成瀬に対する恋愛感情に自覚がない、と取られているんだと思います。
しかし、後に杉下が西崎の問いに答えた、究極の愛と上記の過程は矛盾しませんか?
この時の杉下は明確に成瀬がその究極の愛の対象者である事を意識していますし、母親から隠れた時も、西崎に対して成瀬へのダダ漏れの感情を隠していません。
私は杉下の究極の愛=杉下の精神の保護機構と取っており、成瀬への溢れ出す思いから杉下自身の精神を保護する為のシステムだと取っているんですが、それでも時折ダダ漏れしてしまう。
このような彼女が、自身恋愛でき無い、とするのは無理があると思えるのですが…
naoさんも〜⁉︎劣勢だな。
私がずっと気にしているのは、このドラマの中での西崎の役割なんです。
このドラマ、全ての構造的歪み、破綻を西崎の奈央子を庇って犯人になる、というぶっ飛びがそれらを吸収する事で体裁を保っているんですよね。そういった役割のキャレクターが主人公二人の心情、行動に影響を及ぼしてい無い、というのは構造的な無理があるように感じるんです。
それと、上記とも関係しますが、もし成瀬が杉下のN=安藤と誤解していたのであれば、杉下の状況を伝える役割は西崎でなくても良くて、それこそ高野にこの時言わせてもいいはずなんです。
それなのになぜ西崎に杉下の状況を成瀬に言わせたのか?なぜ成瀬と西崎が接触を取り続けた設定にしたのか?なぜ西崎が成瀬に杉下を託す発言をしたのか?
成瀬が杉下のN=安藤と誤解した、とするなら、これらの設定が意味の薄いものに感じられる。
夏江だってはっきり言えば安藤の外鍵のトリックの隠蔽のため、視聴者への刷り込みをするために設定されたキャラクターですからね。
そんな事を考えていると、成瀬は杉下のN=西崎と取った。西崎と杉下は刑が終了するまで接触でき無い。そうであれば成瀬は杉下の感情に介入する事がないよう自ら連絡先を変更して西崎の出所を待った。その上で改めて杉下へプロポーズして杉下が自分と西崎にどちらを選択するか、イコール条件で杉下の前に立とう、そう思っていた。そして西崎が出所したから成瀬には杉下へ連絡する事をためらう事情は解消したから、高野から聞いた番号へ電話した…
このような解釈の方が私にはスッと入ってくるんですよ。
こんばんは。
まず、『電話してやり…』は、どのような意図で高野さんが発言したのか。
少なくとも、高野さんは希美と成瀬くんには何らかのつながりがある(=さざなみ)そして、互いに特別な感情がある、と思っていたと思います。
だからこそ、スカイローズガーデン事件を調べている。
そして高野さんは希美と安藤が接点を持っていないことを知っています。
またこの時点で、希美の病を知る、数少ない人間です。
希美が、誰にも頼らないことを、知っている。
高野さんは、成瀬くんに希美と連絡を取ってほしかったのではないか、と思うのです。
成瀬くんの積年の想いに気付いていたから、成瀬くんを希美と会わせたかった。余命が尽きるまでに。
そして、ひとりで余命と向き合う希美のことも放っておけなかったのではないでしょうか。
希美は成瀬くんに対して、普通の、年頃の女の子が抱くような想いの自覚はなかったと思いますよ。
付き合いたいとか、キスしたいとか、そういった恋愛感情を自覚していたとは思えません。
希美が表現する究極の愛=男女の愛、とは捉えていません。
成瀬くんが幸せにしてたらいい(=そばにいられなくても)
自分が、窮地に立たされても、成瀬くんに奨学金を渡してしまう。
嘘をついてまで、かばってしまう。
高校生のする恋愛、とは違うと思いますよ。
安藤の、希美に対する想いとは、全く種類の違う想いだと思います。
また、希美自身がどう…というよりも、あくまでも成瀬くんから見た希美は、父親を嫌悪していることからも、成瀬くん自身は、男として希美に必要とされている、とは思えなかっただろうと思うのです。
だからこそ、触れることすらできなかった。
また、スカイローズガーデン事件の際、西崎さんに、杉下を守ってやってくれ、と言われ頷く。
=杉下を守る。
この時点では、=会わない、とは決意していないと思うのです。
西崎さんの言葉通り、希美を守る=事件後のツライことを支える、と思っていたのではないでしょうか。
しかしその後、希美から鍵の隠蔽を依頼され、すれ違っ希美と安藤を見て、希美は安藤を、守りたいのだと誤解した。
希美が幸せにしていると思えばこそ、成瀬くんは希美の前から姿を消した。
希美のN=西崎さん、と思っていたのなら、西崎さんの言葉通り、希美を守り、支えながら、一緒に西崎さんの出所を待ったのでは?と思うのです。
10年もの間、西崎さんを待ち続けるだろう希美を、成瀬くんがひとりにするとは思えない。
希美はひとりではない、と思っていたから、希美の前から姿を消した。
西崎さんと希美は刑が終了するまで接触できないのでしょうか??
成瀬くんが、西崎さんに面会しているのですから、希美も面会することはできたはずです。
ふたりで一緒に面会に行くことだってできたはず。
事件現場にいたことを、偶然だと主張した=面会には行けない、とはならないと思います。
あんな事件のあと、安藤といないのなら、ひとりですごしているに違いない希美のことを、成瀬くんが10年もの間、放っておけるとは思えないのです。
高野の『電話してやり』の発言意図はおおむね同意です。
ただ、先にも書きましたが、高野は杉下の状況について成瀬の事件直後の認識をあえて壊さない、崩さないようカモフラージュしている。そこの部分を成瀬がどう評価するか?が一つ違うところですね。
あと、桃さんの考える『恋愛』感情と私が考える『恋愛』感情とに範囲のずれがあるようです。
私は桃さんがいう『ふつうの高校生がする恋愛と違う』部分も含めて『恋愛感情』に含めています。
また、それが形成される前、高松デートや野望ノートの記述、早朝デート、そして詰将棋のやり取り。これらは立派に“普通の”恋愛のプロセスと見えますし、早朝デートの際の成瀬の背中に頭を垂れる描写は杉下自身が成瀬への感情を自覚した描写だと思います。そしてそれを成瀬も理解した。頭を垂れた部分で成瀬の表情がクローズアップされています。これは彼女の所作の意味を成瀬が理解した描写と取っています。
いくら辛い境遇にあろうと、ある種ふつうの感覚によるプロセスを経ずしていきなり成瀬が神性を帯びるようなジャンプは心理プロセスとしては飛躍しすぎであろう、そういった中でも、“普通の”プロセスが存在するはず、という考えです。
あと、究極の愛についてですが、これはnaoさんのコメントへのレスの中でも書きましたが、私は杉下の成瀬への思いから杉下自身の精神を保護するために形成された心理機構だと取っています。つまり、杉下の成瀬への思いの全部を表現したものでは無く、システムに杉下自身が無意識に名前を付けたもの、という解釈です。
私は杉下は成瀬が好きで好きでしょうがない、と取っています。これは物語の全編を通して貫かれている。
好きでしょうがないから彼をかばい、好きでしょうがないから偽証も受け入れた。好きでしょうがないから同窓会の後野ばら荘であった際にも超奥手の杉下が目いっぱいの自己アピールもしたし、作戦終了後には成瀬を自室へ招き、おそらく自分の感情を成瀬に伝えようとしていた(部屋を出る際の、部屋を見回した動作と、ハートのピアスです。ハートのピアスは十年後NOTOREに行った際にも付けていた)。
そのような杉下が成瀬と会えない、あってはいけないという状況に追い込まれた時、『~してはいけない』、『~は出来ない』という否定語での心理抑圧を行ったのでは、到底精神が持たない。だから杉下自身の精神を保護するために、杉下自身が無意識に形成したのが、さも自らの意思としてそうしているんだ、というポジティブな表現を必要とされて形成された、心理抑圧・保護機構=システムだと取っています。
あ~、ここまで書いていて、もうこんな時間。明日は用で早いので、いったんここで切りますね。
桃さん申し訳ない!
一つ前のコメントからの続きです。
杉下の究極の愛が杉下の心理抑圧・保護機構であると書きましたが、このシステムは杉下自身の妄想癖及び美的感覚に相当程度影響されたものだと思っています。
ですので成瀬が神性を杉下の中での帯びたのもこのシステムの作用だと取っています。
後、西崎の『杉下を守ってやってくれ』への態度についてです。
やはりここでも守る、という言葉の意味の範囲が、桃さんと私(というより成瀬自身と)異なっています。
西崎はごく普通の範囲で守ってくれ、と言っています。桃さんの言われる守るとほぼ同じととっていいでしょう。ですが成瀬にとっての守るは、その範囲が違う。
成瀬の行動特性として特徴的なのは、杉下への直接的危機は有無を言わさずそこからひっぺがしますが、そうでない場合、特に精神面に関しては強引な、直接的介入行動はしない、というものです。
前者はお城への杉下の放火未遂を止めた事をと、スカイローズガーデンで成瀬の独自判断で偽証を指示した事。後者は、成瀬が代理放火をしようとして杉下が止めた後の、泣き崩れる杉下をだきしめる事が出来なかった事、十年後ののプロポーズで杉下に選択を任せた事です。で、この後者の行動特性がスカイローズガーデンの際にどう現れたかというと、杉下から姿を隠す、という形になる。西崎が杉下と接触でき無い状態で、成瀬が杉下に寄り添う事自体が既に杉下の感情への直接的介入行動なんです。
ですから成瀬にとって、彼女の精神面においては自分の直接的介入行動を抑制し、彼女の自主的選択を尊重する、というのが成瀬にとっての杉下を護る、という事なんです。
話的に落ちを着けれていませんが、ひとまづアップします。
おはようございます。
まず、moto様の解釈ですと、スカイローズガーデン事件の際の、
成瀬くんからの手繋ぎの意味が薄くなると思うのですが。
ふたりにとって、手を繋ぐという行為の意味…
あの時、成瀬くんからの手繋ぎで、希美は成瀬くんの想いを感じ取ります。
君の秘密を守るよ、君とはもう会わない
と、受け取ったはずです。
『成瀬くんとはもう話さん』
かつて希美自身がした行為と同じですから。
成瀬くんからのさよならのメッセージを受け取った希美の、部屋を出る時の成瀬くんを見つめる切ない表情。伝えられなかった想い…
成瀬くんから手を繋ぐ=希美の選択に任せる、ことにはならないと思うのです。
これだと、希美が成瀬くんに会いたくても、たとえ連絡先が変わってなくても、希美からは連絡を取れません。
島を出た後の成瀬くんが、希美に連絡できなかったように。
10年服役する西崎さんに対してフェアじゃないから?
しかし、成瀬くんからしたら、希美の気持ちがわからない以上、西崎さんにそこまで、義理立てする程の関係性はない気がします。
また、すれ違う安藤と希美の表情を見た成瀬くんの、すべてを理解したような表情の意味もなさなくなると思います(手繋ぎ直前の表情)。
会わなくなることと安藤が無関係であるならば、この流れでの手繋ぎは不要だと思いますし、成瀬くんのすべてを悟り、身を引く決意をした(伝えられなかった想い)ような表情も、西崎さんとのやり取りの中で表現されるのではないでしょうか。
希美が本当の意味で成瀬くんへの想いを自覚したのは、さざなみのあと、離れてからだと思います。
偽証し、会えなくなってでも守り抜いた大切な存在。
しかし本当は希美の方が守られていた。
守られ、助けられていたことに本当の意味で気付けたのは、“成瀬くんのそば”を失ってから。
夜明けのバルコニーで、
『ひとりで正々堂々と生きていく。誰にも頼らん。欲しいものは全部自分で手に入れる』
と、希美自身が、成瀬くんの前で宣言しています。
それを聞いた時の成瀬くんの寂し気な表情。
野ばら荘に希美の母親が訪ねて来た時の、西崎さんの前での成瀬くんへの想いがだだ漏れ状態の希美。
その時には、ハッキリ成瀬くんへの想いを自覚していますが、そのことを成瀬くんは知らないのです。
希美がいちばん辛かった時期、いつもそばに寄り添い、希美を助け、支えとなった成瀬くんは、希美にとって他の誰も代われない大切な人になった。
好きとか付き合いたいとか、そんな枠にはおさまらない。
むしろ男女の仲になることすら、望まなかったのではないか、と思います。
男女の仲は簡単に壊れることを、目の当たりにしているからです。
恋人じゃない。ただ付き合っているのでもない。
結婚して、子供までいても、壊れるのです。
身近にそれを感じてしまうと、好きであればある程、男女の仲としての進展を、普通の感覚の人のように望まなくなるのです。
男女の仲でさえなければ、壊れない(とも限りませんが、余程のことがない限り完全に繋がりを断つ状況にはなりにくいでしょう)。
だから、希美の本当の気持ちは、成瀬くんには見えない。
早朝デートの時、互いの気持ちを理解し合ったのであれば、先に進むことは簡単です。
互いにそれを望んでいなかった(成瀬くんは望んでいたかもしれないけれど、希美に寄り添うあまり、行動できない)。
希美は簡単に恋愛できない、というのは、普通の感覚の人のように、好きな気持ちに気付き、想いを伝え、付き合う、または振られる…
そういう当たり前とも言える恋しているから取る行動を、できないという意味なのです。
成瀬くんは、奥手故、自分から行動できない上に、希美の想いには気付いてない(恋愛感情)。
見事にすれ違うふたりです。
全編通して考えると、
希美のNは最初から最後まで一貫して成瀬くん。
しかし、成瀬くんは希美のNを安藤と誤解し、希美が事件後安藤と幸せになっている(=自分が鍵の隠蔽をすれば希美は安藤と幸せになれる)と思っていた為、10年すれ違った。
とした方が、私はしっくりくるのです。
本筋からはズレるかもしれませんが、
ひとりで生きていく。
誰にも頼らん。自分で手に入れる。
希美が男に媚びる生き方を捨てた瞬間ですが、これはものすごいトラウマだと思います。
何不自由ない暮らし、専業主婦でお洒落な母親。贅沢三昧の家庭で育ち、それが当たり前だった希美は、当時自分の将来像をどのように描いていたでしょうか。
女が仕事で成功することは、想像以上にものすごく険しい道です。
男性が仕事で成功することとは、比べものにならないのです。
男性と同じ結果では、評価されません。
女性が優遇されてきているとはいえ、評価されることとは、また別次元のことです。
希美のこの決意は、=自立、ですが、当たり前の女としての幸せとは、相反することなのです。
この発言をする希美は、やはり普通の恋愛をしない決意をしている、またはできないのだと、私は理解しています。
桃さんの論理をまだ理解できて無いけど、杉下にとって成瀬が強烈なトラウマだったという説には同意です。
成瀬自体が杉下のトラウマという事に気付いていない方がほとんどなのに、それに気付いていた桃さん、さすがです。
ついでに言えば、それは火のトラウマ(さざなみ)だととっています。
えっと、疲れた体と起ききっていない頭で思考しているので申し訳ないのですが…
スカイローズガーデンでに手繋ぎの意味が薄れる、の部分が分かりません。
杉下がどう取ったか?は同じ意見です。
杉下が連絡をとりたくてもとれなくなる、の部分は成瀬が杉下の気持ちへの不介入を決めている以上、それが成瀬の意思です。ですので電話番号も変えた、という解釈です。
西崎へのアンフェア、というより杉下の制約を受けない環境下における自由意志を尊重した、という解釈です。
成瀬自身はこの時、自分が杉下の気持ちが分からない、とは取っていた、とは私は取っていません。この部分は結局は成瀬の誤解ですが、成瀬は事件の全真相を自分が理解できている、と自認していた、というのが私の立場です。
成瀬が取り違えたのは、杉下のN=自分、という部分のみです。
手繋ぎのタイミングについての疑問ですが、これはまさに安藤の外鍵の隠蔽のトリックそのものです。杉下のN=安藤と視聴者へ刷りこみです。視聴者が、成瀬がそう取ったと思える描写そのものが安藤の外鍵の隠蔽のトリックの一部ですから。
合わなくなる事と安藤が…の下については、私は西崎の守ってやってくれ、への頷きがそれだと取っています。だから成瀬はこの時点で杉下への接触を断つ事も決めていた、と理解しています。
桃さんが言われる、恋愛でき無い、の意味がちょっと分かりました。行動でき無い、という事なんですね。
ですが、行動でき無いと恋愛感情を持た無いは別の次元の話です。この普通の意味での恋愛的行動をとる事ができ無い、と恋愛感情を持つ、との分離が事件時の杉下の究極の愛の相手として西崎が出てくる要因です。
長くなりますので、一旦ここで切ります。
私もまだ整理しきれていませんが、この希美の、好きだと自覚しながらも行動できない、を成瀬くんは、というか、おそらく西崎さんも、希美は恋愛できない、簡単に男性に恋をしない(自立を強く望むことは西崎さんも知っているから)と思っている(成瀬くんはことごとく希美の気持ちに気付かない)と理解しています。
本当は、安藤にさえ希美はそれを伝えているのですが、当時心に闇を持たない安藤は、全くそれに気付かないのですね。
(大学のベンチで、父親に入学金をはやく返したい、と言ってます)
私はスカイローズガーデンの成瀬くんからの手繋ぎで、成瀬くんは生涯希美と会わない決意をしたからこその、あの切ない表情なのだ、と捉えていました。
そして、それに気付いたからこそ、希美のあの切ない表情なのだと。
moto様の解釈ですと、成瀬くんは西崎さんの出所後には改めて希美の前に現れるつもりだった、ということでしょうか。
それであれば、余計に連絡先を変える必要はなかったのではないか、と思います。
さざなみの手繋ぎの後、ふたりともが連絡先を変えなかったように。
さざなみでは連絡先を変えず、スカイローズガーデンでは連絡先を変えた…
やはり、スカイローズガーデン後、希美の幸せを守る為に、希美の中の自分を消すことが目的だったのではないか、と思います。
一方、希美の方も連絡先を変えています。
こちらも、さざなみの後は変えていないのに、です。
希美は成瀬くんからの手繋ぎで、永遠の別れを理解した。
成瀬くんと異なる点は、成瀬くんとの別離を受け入れ、鍵を隠蔽し、真実を偽証した目的は、成瀬くんが事件現場にいたことを、偶然とする=自分と成瀬くんの関係を否定する=さざなみを蒸し返されないようにする、ですが、これだけだとやはり、連絡先を変える理由としては薄いと思います。
成瀬くんからの連絡を待ってしまうことに、鳴らない携帯に耐えきれない自分を想像したから、ではないでしょうか。
自分が番号を変えてしまえば、新しい番号を知らない成瀬くんからの着信は、100%以上有り得なくなります。
そしたら、連絡を待つこともない。
そして、希美も成瀬くんの幸せを望んだ結果だと思います。
自分のことは忘れて幸せになってほしい…と。
成瀬くんが、希美の気持ちがわからない、というのは、希美が真に守ろうとしていたのが、成瀬くん自身だということ、希美が成瀬くんに恋をしていたことを、成瀬くんは知らない、という意味です。
事件後の闇を生きていかなければならない3人(希美、成瀬くん、安藤←西崎さんは敢えて自分を犯罪者に仕立て上げたので入れませんでした)にとって、理解し合うことができるのは、他の2人以外にはいません。
全く関係のない他の人とは、心を通わせることはできないのです。
そんな中で敢えて、相手からの連絡手段を自ら断つ、ということは、相手の幸せを思えばこそ…としか受け取れません、少なくとも私は。
強制的に連絡手段を断つことは、希美の自由意思を尊重することにはならないと思いますよ。
自由を尊重するということは、どちらでも選んでいいよ、ということですよね?
プロポーズの件は、まさにこれに該当すると思います。
しかし、どちらでも選んでいいよ=西崎さんの出所まで離れていてもいいし、希美が自分に連絡したくなったら連絡してきていいよ、とはならないわけです。
相手の幸せを思うが故に連絡先を変え、強制的に相手からの連絡を断つ=相手が幸せにすごしていることが前提でないとできないと思うのです。
いつも希美の幸せの為に行動する成瀬くんですから。
その相手を西崎さんだとするには、無理があります。
何度か西崎さんに面会している成瀬くんなら、希美が西崎さんの面会に来ていないことも、きっと知っているでしょう。
安藤と幸せにしているのだろう、と思うには充分な情報だと思います。
希美のトラウマについて、ですが、
元を正せば両親から植え付けられたトラウマが根底にあると思っています。
その状況の下で、起こったことが、成瀬くんをもトラウマへと変えてしまったのだと捉えています。
今移動中なので、走り書きで申し訳ないです。
成瀬が望美の気持ちが分から無い、の意味はオーケーです。差は有りません。
西崎出所後、l成瀬が改めて杉下の前に現れるつもりでいた、もオーケーです。私の理解はそれであっています。
桃さんおお説ですんなりと入ら無いのが、成瀬がもう二度と合わない、としたならば、高野のあの情報だけでそれまでの決意をひっくり返して電話する気になるか?
あの情報だけでは成瀬は杉下に電話できないと思えるんですね。
ああ、ごめんなさい、順番待ちに並ばないと!
桃さん、某所で野球を観戦しながら考えていたんですが、相互に前提が異なる事を抱えたまま、成瀬が誰を杉下のNだと誤解したか、を議論するのはいつまでも議論が噛み合わないとおもいました。私は事件時における杉下の究極の愛の相手=西崎、という事を前提に論理構築しています。やはり議論すべきはここだと思うんです。ここが相互に共通点を見つけられないとすると、その後の展開は、何をやっても結局は食い違いが生じる。
もっともここの部分が一番難しく、かつ私としても非常に苦しい部分で、多分に信じる、信じないの領域の議論になる可能性が高いのですが、仮に共通点理解を得られないとしても、私が何を考えているかはお話ができるから、それはそれで無意味ではないなと。
おそらくそれでも杉下は恋愛出来るか?がさらに前の議論として一部出ていますから、更に遡る必要性も有りそうですが。
如何でしょうか?
こんばんは。
え〜と…長くなるかもしれませんが。
まず、先程も書きましたが、西崎さんの出所後、成瀬くんが希美の前に現れるつもりでいたのであれば、尚更連絡先は変えないと思うのですが。
二度と会わない、会ってはいけないという気持ちの表れが、連絡手段を断つ(希美の中の自分を消す)、ではないかと思うからです。
時を同じくして、成瀬くんは職場もシャルティエ広田から神楽坂のフレンチへ変えていたのではないか、と想像しています。
成瀬くんが希美の連絡先を知ったのは偶然です。偶然として描かれています。
そもそも高野さんがスカイローズガーデン事件を追っていなければ、希美を探したりしてはいないでしょう。さざなみからもう14年も経っているのです。
希美は高野さんを怖れ、会社まで即決で辞めてしまいます。
自立を求めていた希美にとって、今の地位を捨てることが、どれ程の意味を持つことであるか。
高野さんが希美を見つけ出さなければ、成瀬くんに連絡先を教えることもなかったでしょうし、成瀬くんのことも探し続けた末、漸く偶然お墓参りをしていた成瀬くんと再会しています。
西崎さんは興信所を使ってはいますが、希美に現金を送っていなければ、希美が野ばら荘を訪ねてくることもなかったかもしれません。
しかし、安藤だけには、変えた連絡先を教えています。
このことから、私はmoto様の、安藤は希美に嫌われた説も少し違和感を感じています。
事件直後は確かに安藤を受け入れられず、安藤を、というより、成瀬くんとの永遠の別離を受け入れることができず、安藤と会ったところで事件の真相を話すこともできない。
西崎さんの減刑の為にならないとわかっていても、真相(成瀬くんが現場にいたことが偶然ではない)が、世に知られることを怖れた。
希美が安藤を守ることになると誤解して、野口さんを逆上させたことこそが、殺人事件(本当は無理心中)にまで発展させてしまった。
結果安藤のことさえ苦しめてしまった。
その後ろめたさから、10年安藤にも会うことができず、西崎さんに面会に行くことさえできない。
2014年の現代に、安藤にプロポーズされ、指輪ん受け取るよりも前に、この真実に希美は気付いていたと、私は思います。
それは希美自身が社会に出て働き、いろんな経験をしたから。
当時はわからなかった僻地行きの本当の意味を理解したのだと思います。
だから最後まで西崎さんの面会に行けなかった。
成瀬くんとは、自ら連絡先を変えてまで接触を断っているのに、その原因の一端となった安藤には、新たな連絡先を教えている。
このことから、希美はもっと早い段階で安藤のことを赦していたと言えるのではないでしょうか。
安藤が希美に赦される、それ以前に希美も安藤に赦されていたはずです。
さて、高野さんとの会話だけで、成瀬くんが希美に電話をかける気持ちになるか、についてですが、私の考えは前述の通りです。
『杉下…元気やった…?』
の問いに対する高野さんの答えの違和感。
そして、高野さんの希美に連絡をしてやってほしい、というふたりを思いやる気持ち。
この時点では、高野さんはまださざなみの真相を知りません。
希美と成瀬くんが繋がっていると思いながらも、真相には未だ辿り着けず、この時はまだ疑っていたはずです。
にもかかわらず、ふたりを接触させようとしている。
安藤というワードがただの一度も高野さんからは出てこない。
『強い子やけん』=誰にも頼らん…?
と思っても不思議ではないと思います。
高野さんの答えがもし、『元気にしとったよ』(病のことを悟られるわけにはいかないという気遣いから、とかで)だったとしたら、成瀬くんはこの時点では希美に電話をしてなかった可能性は高いと、私は思います。
いずれにせよ、moto様のどの論を、何度も何度も繰り返し読んでも、希美のN=西崎さん、と成瀬くんが誤解していたとは、どうしても思えないのですよね。
かわりに、自分の考えていたぼんやりとしていたことが、どんどん明確になっていく気がしています。
なので、論ずることは意味があると思っていますが、感じ方も人それぞれですから、同じ結論に辿り着けないことも、当たり前ではないかなと思いますよ。
そもそも、世間一般的見解は、希美のN=安藤なのですから(笑)
このあたりで、この章の30にも渡るレスを読まれた方の意見を、聞いてみたいところですが、如何でしょうか。
ワハハハっ‼︎(笑)
最後の文に大笑いしてしまいました!
そうなんですよね!ここでやっている議論って、何が問題になっているか自体を理解出来る人って、私と桃さんのほか、後どれ位いるだろう?世界中でこのドラマを見た人全員のうち、絶対片手以下だと言える部分についての解釈の差なんですよね!(笑)
桃さん言われる通り、ここで議論する事で自分自身の論理への理解が進み、それが人からどう見えるか?を理解する事は大事な事ではあるけど、いま優先すべきは、そこにパワーを使う事では無いですね。
まずは事件時の杉下のN=安藤という、いわゆる成瀬派でさえ陥っている問題に、それが間違っている、という事に気付いてもらう、という方が先だよね〜!
しばらく、そっちに重点移しますか!
Cafeの店長がROMさんが多くて、とボヤいていたのですが、それはこの図書館の議論が、世間を置いてけぼりにしているからなのかもしれません.。ちょっと反省します。
桃さん、杉下のN=成瀬の普及(教化?)活動が先かな、と書いたものの、考えもまとまらず、引き続き島での成瀬と高野の会話をつらつらと考えていたんです。
そうした時、二つの事で引っかかりがあるんですね。
ひとつは、成瀬の発言『こっちで考えたい事があって…』。
もうひとつが成瀬が墓参りしているシーン。高野夫妻とここで再会しています。
まず成瀬の『こっちで考えたい事があって…』の発言なんですが、この発言は高野とスカイローズガーデン及び杉下の話題の前の、冒頭での発言です。
もし桃さんの言われる通り、成瀬が高野との会話に引っかかりを覚えて、自分の当初の意志を翻し、杉下へ連絡を取る気になったんだとしたら、その会話の前の段階で成瀬が島で『考えた』かった事とは何であったのか?
NOTREの開店にあわせて島へ帰る事は既に決めていた事。そして杉下の事はもう二度と会わない、連絡しないと成瀬が決めていたなら、このセリフの行き場がないんです。
父親の墓参りは、久しぶりに島に帰った人間であれば当たり前の行為とも言えるんですが、あえて墓の前で高野と再会させた演出の意図はなんだったのか?その後に夏恵のさざなみの真相の告白の前振りとも取れますが、さらに裏読みすることも可能だと思える。
つまり、仮に成瀬が西崎の出所を待って改めて杉下に接触するとしていたなら、それはつまり杉下へのプロポーズになる。杉下へのプロポーズの前提にはさざなみの真相の暴露(=自分の父親が恐らく放火犯で、自分は杉下の勘違いを“結果的に”利用していた)を伴う。それに伴う父親への許しを墓前で求めた、とも理解しうるんです。
他の部分の描写についてはまだ考察が必要だと思いますが、成瀬と高野の再会時のシーンと会話について言えば、成瀬が西崎の出所を待って杉下へ連絡しようとしていた、と考えたほうが、よりドラマ内でのこのシーンの意味合いに厚みが増すように思います。
後、なぜ西崎と誤解するの?のご指摘ですが、すみません書くの忘れてました。桃さんの杉下は恋愛出来ない説に囚われ、そんな事ないでしょう〜?という反駁に意識がいってしまいました。
又後ほど説明しますが、恋愛行動は取らないかもしれないけれど、恋愛感情は杉下も持ち得る、という部分を同意頂ければ、杉下の究極の愛の相手として西崎が登場し得るんです。そこの説明がおろそかでした。後日また書きます。
こんにちは。断片的な質問の仕方でごめんなさい。
下記のこと、いかがでしょうか?
1、成瀬くんは、スカイローズガーデン事件の折、安藤が部屋に立ち入ることさえ阻止しようとした希美ちゃんの行為を、どう捉えているのでしょうか?自分のことは作戦に協力させ(結果的にですが)殺人事件に巻き込んだ。しかし、安藤には一切事件に関わらせないようにする。
パニックのさなかにもかかわらず、チャイム音と「安藤です」の声に素早く反応し、立ち上がって玄関に走っていく様子には尋常ではない強い思い入れを感じたはずです。
しかも、成瀬くんは野ばら荘での作戦会議の際、希美ちゃんが「安藤にはこのこと話してないし、関係ないから」と西崎さんに釘を刺す会話を聞いています。即ち、希美ちゃんの安藤保護意識は事件の偶然性と計画性のなさを取り繕うための取り引きの一環ではないことを知っている。このことから、安藤は(自分よりも)特別な強い思い(恋愛感情)で希美ちゃんから大切にされている、と成瀬くんは感じたと思います。それが10年後の「あなたを守ろうとしていました」につながったのではないでしょうか?
2、10年後、成瀬くんと安藤が会う場面
成瀬くんは、何故わざわざ安藤に会ったのでしょうか?
電話がかかってきた時「安藤さんに話せることは何もありません」と言えば、それで済むことです。安藤に会ったのは、成瀬くんが相手を尊重する性格だったことの他に、成瀬くんにとっても安藤は「一度会っておきたかった」重要な存在だったからではないでしょうか?
成瀬くんにとって重要なこととは、希美ちゃんに関わること。つまり、安藤を希美ちゃんのNと考えていたと推測ました。
3、成瀬くんの「だいぶ勘違いしていたかもしれません」は、何をどう勘違いしていたとお考えでしょうか?
桃さんは「恋愛できないと思っていた希美にプロポーズされるような男性がいる」こととおっしゃっていました。私はすごく単純に、「安藤のぞみのことを女性だと思っていた。島時代と同じように誰とも付き合っておらず、自分のことを親しく思って作戦に誘うなど頼りにしてくれているんだ、と思っていたのに、実は結婚が話題になるほどの男性がいた」ことが勘違いの内容だと思っています。
4、本筋から逸れてしまうかもしれませんが、成瀬くんと高野さんの会話の場面。
「変わらんよ、あの子は。強い子やけん」の意味ですが、「変わらんよ、あの子は(昔からずっとお前をかばっている。一度決めたことは貫く、意志の)強い子やけん」と取ったのですが無理があるでしょうか?
希美ちゃんは、高野さんを部屋に呼びスカイローズガーデン事件について嘘の説明をします。その最後で(私は希美ちゃんはこのことを言うために高野さんを呼んだと思っています)、「スカイローズガーデンの事件でも、さざなみの事件でも、私は自分が見たことをそのまま警察にお話ししました」と伝えます。
その直後、高野さんは長い間じっと希美ちゃんを見つめていますね。この時の高野さんの目は「警察官の目」であり、希美ちゃんの嘘を見破っていたのではないでしょうか?
それを受けての「変わらんよ、あの子は~」だったのではと感じました。
長くなって失礼しました。以上4点、ご意見を聞かせていただければ幸いです。
naoさん、鋭いところ突っ込んでくるな〜!
1.は考えた事がなかった。成瀬からどう見えるか、以前に杉下のあの行動の意図がわかりません。思った以上にハードル高いです。時間下さい。
2.は電話で済ましてしまったら、ドラマに成らないから(笑)。それはともかく、成瀬が安藤と会ってもいいかな?とは思ったと思います。ではなぜに?となると、これは以前本稿でも書きましたが、成瀬が安藤を赦す気になれたから、と取っています。
ですが、安藤と成瀬があったシーンについては私はネガティブな評価なんです。強引にあった意味付けと論理的整合性を付けました。そしてこのシーンが、事前にシナリオの一部として検討もされていたモノであろう、とも推測しています。ですが、このシーンが二人のその後、若しくはストーリー全体に何がしかインパクトがあったとすると、否定的な評価になってしまうんですね。唯一自分がストーリーへのインパクトを認められるのが、安藤の外鍵の隠蔽のトリックとしてなんですが、これはその直前の高野と安藤ととの会話で用をなしている。つまり高野に夏恵の行動の類推から、『安藤を守るために』みんなが真実を言わない、という視聴者への刷り込みをやっている訳で、過剰演出なんですよ。夏恵は高野に安藤に対してそう言わせるためのキャラクターなのですから。ですので私のこのシーンの評価は、視聴率欲しさに一度お蔵入りさせたシナリオを急ぎ引っ張り出してきた、というものです。
3.の私の解釈はこうです。勘違いの内容そのものは、安藤が男で杉下にプロポーズするほどの男が存在するとは思っていなかった、だと思います。しかし動揺の正体は西崎に気持ちが有る(と成瀬が思っていた)杉下に対してプロポーズする意思を持つ男がいる。仮に現在杉下に自分への感情がなかったとしても、その男(安藤)以上の関係性を成瀬は持っているとい自負が有る。そうであるなら、自分も安藤と同じポジションに立つ必要があるが、それをするにはさざなみの真相の暴露(十年後に行った事です。真犯人が成瀬父であり、自分は杉下の勘違いを結果として利用した)が必要、それに対する杉下の反応に自信が持てなかった、というのが動揺の正体はだと取っています。
4.そうですね、その意味も含まれていますね。そして言外に成瀬を未だに守ろうとしている、と伝えたかったのかもしれません。
成瀬が気付いたかは分かりませんが…
naoさん、1.の問題ですが成瀬がどう取ったか?の以前にそもそも杉下のあの行動の意図がまだ見えていません。つらつら考えたのですが、繋がらないです。以外と爆弾なのかも?(笑)
長くなって済みません。
naoさん
成瀬の回答は時間的な限定をしているというより、安藤の見た、杉下の中の自分の成立理由を述べたのでは?
つまり、成瀬は自分が杉下のトラウマ、若しくは囚われであった事を認識していて、その成立した理由が島では杉下、成瀬相互を自分のよすがにしないといられなかった、という事を説明した、と取っているんです。
ですから東京時代の杉下の気持ちが安藤にあったとの成瀬の認識の表明ではないと思います。
それとこのセリフで製作者が行おうとした視聴者への刷り込みがあると見ています。
安藤に『杉下が成瀬を支えにしていた』と言わせる事で杉下の中の成瀬がトラウマそのものである事を隠蔽した。
このドラマ、成瀬が杉下のトラウマ、とはみせずひたすら純愛の相手、という味付けで演出している様に見える。
で、それはなぜかといえば、このドラマの本当のミステリー(と私は取っています)である、『何がスカイローズガーデン事件を引き寄せたのか?』を隠蔽する為である、と取っています。
naoさん!
ごめんなさい、操作ミスかな?自分でやった気ないんやけど、なんでかnaoさんのコメント、
削除されとる。
本当、ごめんなさい!すみません。!!
桃さん
後日書く、と言っていた西崎についての事ですが、時間掛かっていて申し訳ないですが、別途稿を立てさせてください。
実は西崎の扱いが一番厄介で、このブログでも二転三転しているのはご存知の通りです。
そして今現在の自分の中の西崎の位置付け、それはつまり杉下との関係性の中でのものになりますが、このブログで書いたものとまた若干ニュアンスが異なっています。
極端に論理展開が変わるわけではないので、放置していたんですが、この成瀬が杉下のNが誰であったと考えたのか、という解釈の差について議論するにはこの西崎の扱いについて正確にお伝えした方がいい、と考えました。
同意頂けない可能性が非常に高いのですが、物語全体の理解の為には、よりインパクトがデカイと思われます。
こんにちは。motoさん、大丈夫ですよ~。気になさらないで下さいね!
でも、こちらのブログを読んで下さる方が「何て書いてあったのかな?」と思って下さるかもしれませんので、図々しく再投稿させていただきます(実はコメントする際、緊張するので下書き書いてます 汗)。
2について、もう少し書かせて下さい。
安藤は成瀬くんに「杉下はいつも心の中で誰かを支えにしていたよ。それは君だろ?」と尋ね、成瀬くんは「島を出るのにお互いの支えが必要だったんです」と答えています。
この会話は、ちょっとかみ合っていないのでは?安藤が「いつも」つまり東京時代もずっと成瀬くんのことを支えにしていたと言っているのに、成瀬くんは「島を出るのに」と限定している。
これは、後の「(島を出てからは)杉下の傍にあなたがいてくれてよかった」と組み合わせて、成瀬くんが東京時代のN=安藤と認識していたことの表れだと思うのですが、いかがでしょうか?
以上です。
それから余談になりますが、どこかで、スカイローズガーデン事件での手つなぎは、元々は安藤の前で二人が手をつなぐという設定になっていた、それを榮倉さんたちが「これはちょっと・・」と断り今のようになった、と書いてあったのを読んだ記憶があります。捜したのですが、見つからなくて・・。どなたかご存知ありませんか?
もしそうだとしたら、制作者の意図を理解する手がかりになったと思います(ちょっと枝葉にこだわり過ぎかな?)。
naoさん!
naoさんは女神です!感謝です。
製作裏話は余り収集する方ではないのですが、それは面白いですね。多分に原作の影響かな?
原作では安藤が警察と共に入室したさい、安藤が杉下が成瀬の服の裾を掴んでいるのを見ているので。
もしそのままなら、見え方はまた変わるでしょうね。
店長から聞きました。いやお恥ずかしい。
でも、お気づきになった思いますが、実は私も電話については意見を変えてるんです。
当初は二度と連絡しない、と成瀬は考えたと思っていたんですが、その後意見を変えたんです。
桃さん、こんにちは。
昨日、桃さんの早朝デートの場面の考察を改めて読ませていただきました。私の理解は次のようですが、いかがでしょうか?
夜明けのバルコニーで朝日を受けながら希美ちゃんが宣言した言葉は、「誰にも頼らん。ほしいものは全部自分で手に入れる」「力の限り戦略的に」「どんな手を使ってでも全力で闘う」。
普通の男子高校生が聞いたら引いてしまうような言葉の連続。でも、成瀬くんは温かいまなざしで見守り、否定することも茶化すこともなく「初心表明演説か」と丸ごと受け入れます。
親に裏切られ、壊れられ、父親の愛人に土下座して得た食べ物を口に押し込まなければ生きていけない日々。
信じられるものを失くした希美ちゃんにとって、生き方を肯定してくれる成瀬くんの存在は、何よりの心の支えになったと思います。
この時、二人の間に生まれたものは何か?私は、恋愛感情ではないと思います。というより、恋愛感情も含めた、もっと大きな絆。信頼・感謝・献身・尊敬・・。
成瀬くんの支えを力に、どんな境遇にも負けず、顔を上げ強く生きていこうとする希美ちゃんの野望を真剣に受け止め、実現させ、全力で応援する成瀬くん。
二人がお互いのNになった瞬間と感じています。
恋愛という一つの幸福の形に踏み出す前に、もっと深い絆を手に入れた二人。普通の境遇にあったなら、きっと高松デートのような楽しい時を重ねたことでしょう。
島に帰った二人が、その続きをたどれたらいいですね。
こんばんは。ご無沙汰しています。
なかなかに忙しい一週間でした。考えはまとまっているものの、書込みする時間が取れなくて。
まずひとつ目。
『島で考えたいことがあって…』についてですが、私はNOTREの建つところで人と会っていた描写から、仕事のこと、自分のことを考えるため、だと捉えています。
この時点で、希美へのプロポーズは考えていないと思っています。
成瀬くんは、希美が島を出たくてたまらなかったことを、誰よりも知っています。
そして、広い世界で生きていることを、誰よりも望んでいた。
結婚式で再会した時も、就職のことを聞いています。就職先が決まったことを聞いて、自分のことのように安堵した表情。
また、島を出たいと思う原因である両親と愛人がまだ住んでいる可能性のある島へ、希美の病のことをまだ知らない成瀬くんが、連れ帰ることを考えていたとは、私には思えません。
また、成瀬くん自身にとっても、父親が自分の為に(学費の為)放火し(と疑っている)失った大事な場所であるさざなみと、その思い出の残る島、そして誰より大切な希美との思い出が溢れた島へ帰ることを、成瀬くんも簡単には決断できなかったと思います。
店の建つ場所に立ち、見慣れた風景の中で、ようやく決意を固めた、固める為に島を訪れたのだと思います。
ふたつ目。
墓前での高野夫妻との再会についてですが、成瀬くんが、島へ帰ってきて訪れる場所、というのは、もう父親のお墓とNOTREの建設予定地くらいしか、ないと思うんですよね。
生まれ育った家も店ももうありませんし、行くところも訪れたい場所も目的地も、もうないと思うのです。
一方、高野夫妻にとっても同様に、住まいは東京に移していますし、駐在所には現役の後輩警察官がいます。挨拶に訪れるくらいで、成瀬くんが駐在所に行く理由もないですし、高野夫妻がNOTREに行く理由もありません。
この3人に共通する場所は、成瀬父のお墓しかないと思います。
なので、墓前での再会は、他に再会させる場所がなかったのだと思います。
nao様
ご意見の①は、私も同じ解釈をしています。
まさに私が、成瀬くんが、希美のN=安藤と誤解したと結論づけた、最も大きな理由です。
成瀬くん目線で、希美の行動を追いかけると、やはり希美のN=安藤、と見える演出ではないかと思うのです。
世間一般における、希美のN=安藤、と違うのは、成瀬くんが誤解をした、と捉えている点であり、実際は希美のN=成瀬くん、という解釈をしています。
また、早朝デートのnao様の考察も、同意する部分が多いです。
あの所信表明演説で私は、希美の恋愛観を見た気がしているのです。
大事な人ほど、遠ざける。
大事だからこそ、進展を望まない。
希美は普通の恋愛を求めてはいない。
そんな儚いものより、もっと強固な、絶対的な信頼、成瀬くんだけは自分の味方なのだ、という繋がりを求めたのだと思います。
ここから先は、書くか迷ったのですが…
男女は等しく自立し、自分の力で生きていく能力があると、私は思っています。
しかしながら、如何ともし難い絶対的な性差は存在します。
自立する上での、この性差というハンデ、これを乗り越え、男性同様に社会で認められる(誰にも頼らん、欲しいものは全部自分の力で手に入れる)には、一般的な女としての幸せを捨てることだと、私は理解しています。
申し訳ありませんが、この考え方は自分自身の経験、生き方そのものから導き出されたものですので、如何なる反論や素晴らしい考察を述べられても、覆ることはないと思います。
誰かを愛し、想い想われて、ひとつの家庭を築く。その先に愛する人の子を産む。
それを捨てることが、希美の生き方だったと私は思うのです。
それを、幸せなことだと希美は思えなくなってしまったのではないか、と思えるからです。
希美は副所長にまでなっていますよね。
事件や成瀬くんのいない現実と向き合えず、逃げるように仕事一筋でやってきた結果だと思うのです。
仕事に生きる、自立を求める女にとって、結婚やその先にある出産は、仕事に支障をきたす、周りとの競争から外れることであり、自立とは相反することです。
=セックスそのものに対する嫌悪(妊娠したら困るからですね)
第一線で活躍することと、結婚・出産・育児は、相反することなのです。
子供を産み育てること、それはたとえ一時的にであっても、夫(子供の父親)に頼って生きること。
希美には受け入れられることではないと思います。それは、自分の両親を見ているから。
私自身、同じ気持ちを持っていたことがあります。
うちの母親は未だにバリキャリの仕事人間で、希美の母親とは真逆ですから、私も希美程のトラウマはありません。
しかし、幼心にも、勉強して良い学校に行って、良い職に就いて、一生仕事する。その思いを持つには十分な環境でした。
誰かに惹かれても、先を夢見ることもないし、想いを寄せられても、相手に結婚願望があれば余計遠ざける。
希美は事件後はそれまで以上に、恋愛していたとは思えないのですよね。
また、病になってからは尚更遠ざかっていたと思います。
女にとって、身体に残る傷痕というのは、男性が思う以上に、大きなコンプレックスだと思います。
私は病ではありませんが、帝王切開で子供をふたり産みました。
医学も進んでいて、傷痕なんて小さいものですし、ふたり産んでも傷痕はひとつしかないんですよね。
愛する我が子を産んだ、勲章のような傷痕でも、夫にすら見られたくない、と思う時期がありました。
好きな人にしか見られたくない。
好きな人だから見られたくない。
そんな気持ちが希美にも必ずあったと思います。
その思いが、私なりのsillyの解釈にも繋がっています。
誰かと身体を重ねることは、なかったと思えるのです。
まして、成瀬くんのいない寂しさを埋める為に、気持ちのない相手と…ということは、考えられないです。
結婚や妊娠に対する否定的な考えと、身体に残る傷痕。
現在はどうかな。
成瀬くんになら見せられるでしょうか。
そうであれば良いな、とは思います。
私の中の希美像は、かなり屈折しています。
というより、希美の生き方の中に、自分自身を見ているのかもしれません。
こんばんは。ご無沙汰しています。
なかなかに忙しい一週間でした。考えはまとまっているものの、書込みする時間が取れなくて。
まずひとつ目。
『島で考えたいことがあって…』についてですが、私はNOTREの建つところで人と会っていた描写から、仕事のこと、自分のことを考えるため、だと捉えています。
この時点で、希美へのプロポーズは考えていないと思っています。
成瀬くんは、希美が島を出たくてたまらなかったことを、誰よりも知っています。
そして、広い世界で生きていることを、誰よりも望んでいた。
結婚式で再会した時も、就職のことを聞いています。就職先が決まったことを聞いて、自分のことのように安堵した表情。
また、島を出たいと思う原因である両親と愛人がまだ住んでいる可能性のある島へ、希美の病のことをまだ知らない成瀬くんが、連れ帰ることを考えていたとは、私には思えません。
また、成瀬くん自身にとっても、父親が自分の為に(学費の為)放火し(と疑っている)失った大事な場所であるさざなみと、その思い出の残る島、そして誰より大切な希美との思い出が溢れた島へ帰ることを、成瀬くんも簡単には決断できなかったと思います。
店の建つ場所に立ち、見慣れた風景の中で、ようやく決意を固めた、固める為に島を訪れたのだと思います。
ふたつ目。
墓前での高野夫妻との再会についてですが、成瀬くんが、島へ帰ってきて訪れる場所、というのは、もう父親のお墓とNOTREの建設予定地くらいしか、ないと思うんですよね。
生まれ育った家も店ももうありませんし、行くところも訪れたい場所も目的地も、もうないと思うのです。
一方、高野夫妻にとっても同様に、住まいは東京に移していますし、駐在所には現役の後輩警察官がいます。挨拶に訪れるくらいで、成瀬くんが駐在所に行く理由もないですし、高野夫妻がNOTREに行く理由もありません。
この3人に共通する場所は、成瀬父のお墓しかないと思います。
なので、墓前での再会は、他に再会させる場所がなかったのだと思います。
nao様
ご意見の①は、私も同じ解釈をしています。
まさに私が、成瀬くんが、希美のN=安藤と誤解したと結論づけた、最も大きな理由です。
成瀬くん目線で、希美の行動を追いかけると、やはり希美のN=安藤、と見える演出ではないかと思うのです。
世間一般における、希美のN=安藤、と違うのは、成瀬くんが誤解をした、と捉えている点であり、実際は希美のN=成瀬くん、という解釈をしています。
また、早朝デートのnao様の考察も、同意する部分が多いです。
あの所信表明演説で私は、希美の恋愛観を見た気がしているのです。
大事な人ほど、遠ざける。
大事だからこそ、進展を望まない。
希美は普通の恋愛を求めてはいない。
そんな儚いものより、もっと強固な、絶対的な信頼、成瀬くんだけは自分の味方なのだ、という繋がりを求めたのだと思います。
ここから先は、書くか迷ったのですが…
男女は等しく自立し、自分の力で生きていく能力があると、私は思っています。
しかしながら、如何ともし難い絶対的な性差は存在します。
自立する上での、この性差というハンデ、これを乗り越え、男性同様に社会で認められる(誰にも頼らん、欲しいものは全部自分の力で手に入れる)には、一般的な女としての幸せを捨てることだと、私は理解しています。
申し訳ありませんが、この考え方は自分自身の経験、生き方そのものから導き出されたものですので、如何なる反論や素晴らしい考察を述べられても、覆ることはないと思います。
誰かを愛し、想い想われて、ひとつの家庭を築く。その先に愛する人の子を産む。
それを捨てることが、希美の生き方だったと私は思うのです。
それを、幸せなことだと希美は思えなくなってしまったのではないか、と思えるからです。
希美は副所長にまでなっていますよね。
事件や成瀬くんのいない現実と向き合えず、逃げるように仕事一筋でやってきた結果だと思うのです。
仕事に生きる、自立を求める女にとって、結婚やその先にある出産は、仕事に支障をきたす、周りとの競争から外れることであり、自立とは相反することです。
=セックスそのものに対する嫌悪(妊娠したら困るからですね)
第一線で活躍することと、結婚・出産・育児は、相反することなのです。
子供を産み育てること、それはたとえ一時的にであっても、夫(子供の父親)に頼って生きること。
希美には受け入れられることではないと思います。それは、自分の両親を見ているから。
私自身、同じ気持ちを持っていたことがあります。
うちの母親は未だにバリキャリの仕事人間で、希美の母親とは真逆ですから、私も希美程のトラウマはありません。
しかし、幼心にも、勉強して良い学校に行って、良い職に就いて、一生仕事する。その思いを持つには十分な環境でした。
誰かに惹かれても、先を夢見ることもないし、想いを寄せられても、相手に結婚願望があれば余計遠ざける。
希美は事件後はそれまで以上に、恋愛していたとは思えないのですよね。
また、病になってからは尚更遠ざかっていたと思います。
女にとって、身体に残る傷痕というのは、男性が思う以上に、大きなコンプレックスだと思います。
私は病ではありませんが、帝王切開で子供をふたり産みました。
医学も進んでいて、傷痕なんて小さいものですし、ふたり産んでも傷痕はひとつしかないんですよね。
愛する我が子を産んだ、勲章のような傷痕でも、夫にすら見られたくない、と思う時期がありました。
好きな人にしか見られたくない。
好きな人だから見られたくない。
そんな気持ちが希美にも必ずあったと思います。
その思いが、私なりのsillyの解釈にも繋がっています。
誰かと身体を重ねることは、なかったと思えるのです。
まして、成瀬くんのいない寂しさを埋める為に、気持ちのない相手と…ということは、考えられないです。
結婚や妊娠に対する否定的な考えと、身体に残る傷痕。
現在はどうかな。
成瀬くんになら見せられるでしょうか。
そうであれば良いな、とは思います。
私の中の希美像は、かなり屈折しています。
というより、希美の生き方の中に、自分自身を見ているのかもしれません。
こんばんは。ご無沙汰しています。
なかなかに忙しい一週間でした。考えはまとまっているものの、書込みする時間が取れなくて。
まずひとつ目。
『島で考えたいことがあって…』についてですが、私はNOTREの建つところで人と会っていた描写から、仕事のこと、自分のことを考えるため、だと捉えています。
この時点で、希美へのプロポーズは考えていないと思っています。
成瀬くんは、希美が島を出たくてたまらなかったことを、誰よりも知っています。
そして、広い世界で生きていることを、誰よりも望んでいた。
結婚式で再会した時も、就職のことを聞いています。就職先が決まったことを聞いて、自分のことのように安堵した表情。
また、島を出たいと思う原因である両親と愛人がまだ住んでいる可能性のある島へ、希美の病のことをまだ知らない成瀬くんが、連れ帰ることを考えていたとは、私には思えません。
また、成瀬くん自身にとっても、父親が自分の為に(学費の為)放火し(と疑っている)失った大事な場所であるさざなみと、その思い出の残る島、そして誰より大切な希美との思い出が溢れた島へ帰ることを、成瀬くんも簡単には決断できなかったと思います。
店の建つ場所に立ち、見慣れた風景の中で、ようやく決意を固めた、固める為に島を訪れたのだと思います。
ふたつ目。
墓前での高野夫妻との再会についてですが、成瀬くんが、島へ帰ってきて訪れる場所、というのは、もう父親のお墓とNOTREの建設予定地くらいしか、ないと思うんですよね。
生まれ育った家も店ももうありませんし、行くところも訪れたい場所も目的地も、もうないと思うのです。
一方、高野夫妻にとっても同様に、住まいは東京に移していますし、駐在所には現役の後輩警察官がいます。挨拶に訪れるくらいで、成瀬くんが駐在所に行く理由もないですし、高野夫妻がNOTREに行く理由もありません。
この3人に共通する場所は、成瀬父のお墓しかないと思います。
なので、墓前での再会は、他に再会させる場所がなかったのだと思います。
nao様
ご意見の①は、私も同じ解釈をしています。
まさに私が、成瀬くんが、希美のN=安藤と誤解したと結論づけた、最も大きな理由です。
成瀬くん目線で、希美の行動を追いかけると、やはり希美のN=安藤、と見える演出ではないかと思うのです。
世間一般における、希美のN=安藤、と違うのは、成瀬くんが誤解をした、と捉えている点であり、実際は希美のN=成瀬くん、という解釈をしています。
また、早朝デートのnao様の考察も、同意する部分が多いです。
あの所信表明演説で私は、希美の恋愛観を見た気がしているのです。
大事な人ほど、遠ざける。
大事だからこそ、進展を望まない。
希美は普通の恋愛を求めてはいない。
そんな儚いものより、もっと強固な、絶対的な信頼、成瀬くんだけは自分の味方なのだ、という繋がりを求めたのだと思います。
ここから先は、書くか迷ったのですが…
男女は等しく自立し、自分の力で生きていく能力があると、私は思っています。
しかしながら、如何ともし難い絶対的な性差は存在します。
自立する上での、この性差というハンデ、これを乗り越え、男性同様に社会で認められる(誰にも頼らん、欲しいものは全部自分の力で手に入れる)には、一般的な女としての幸せを捨てることだと、私は理解しています。
申し訳ありませんが、この考え方は自分自身の経験、生き方そのものから導き出されたものですので、如何なる反論や素晴らしい考察を述べられても、覆ることはないと思います。
誰かを愛し、想い想われて、ひとつの家庭を築く。その先に愛する人の子を産む。
それを捨てることが、希美の生き方だったと私は思うのです。
それを、幸せなことだと希美は思えなくなってしまったのではないか、と思えるからです。
希美は副所長にまでなっていますよね。
事件や成瀬くんのいない現実と向き合えず、逃げるように仕事一筋でやってきた結果だと思うのです。
仕事に生きる、自立を求める女にとって、結婚やその先にある出産は、仕事に支障をきたす、周りとの競争から外れることであり、自立とは相反することです。
=(妊娠したら困る、という思いからですね)
第一線で活躍することと、結婚・出産・育児は、相反することなのです。
子供を産み育てること、それはたとえ一時的にであっても、夫(子供の父親)に頼って生きること。
希美には受け入れられることではないと思います。それは、自分の両親を見ているから。
私自身、同じ気持ちを持っていたことがあります。
うちの母親は未だにバリキャリの仕事人間で、希美の母親とは真逆ですから、私も希美程のトラウマはありません。
しかし、幼心にも、勉強して良い学校に行って、良い職に就いて、一生仕事する。その思いを持つには十分な環境でした。
誰かに惹かれても、先を夢見ることもないし、想いを寄せられても、相手に結婚願望があれば余計遠ざける。
希美は事件後はそれまで以上に、恋愛していたとは思えないのですよね。
また、病になってからは尚更遠ざかっていたと思います。
女にとって、身体に残る傷痕というのは、男性が思う以上に、大きなコンプレックスだと思います。
私は病ではありませんが、帝王切開で子供をふたり産みました。
医学も進んでいて、傷痕なんて小さいものですし、ふたり産んでも傷痕はひとつしかないんですよね。
愛する我が子を産んだ、勲章のような傷痕でも、夫にすら見られたくない、と思う時期がありました。
好きな人にしか見られたくない。
好きな人だから見られたくない。
そんな気持ちが希美にも必ずあったと思います。
その思いが、私なりのsillyの解釈にも繋がっています。
誰かと身体を重ねることは、なかったと思えるのです。
まして、成瀬くんのいない寂しさを埋める為に、気持ちのない相手と…ということは、考えられないです。
結婚や妊娠に対する否定的な考えと、身体に残る傷痕。
現在はどうかな。
成瀬くんになら見せられるでしょうか。
そうであれば良いな、とは思います。
私の中の希美像は、かなり屈折しています。
というより、希美の生き方の中に、自分自身を見ているのかもしれません。
こんばんは。ご無沙汰しています。
なかなかに忙しい一週間でした。考えはまとまっているものの、書込みする時間が取れなくて。
まずひとつ目。
『島で考えたいことがあって…』についてですが、私はNOTREの建つところで人と会っていた描写から、仕事のこと、自分のことを考えるため、だと捉えています。
この時点で、希美へのプロポーズは考えていないと思っています。
成瀬くんは、希美が島を出たくてたまらなかったことを、誰よりも知っています。
そして、広い世界で生きていることを、誰よりも望んでいた。
結婚式で再会した時も、就職のことを聞いています。就職先が決まったことを聞いて、自分のことのように安堵した表情。
また、島を出たいと思う原因である両親と愛人がまだ住んでいる可能性のある島へ、希美の病のことをまだ知らない成瀬くんが、連れ帰ることを考えていたとは、私には思えません。
また、成瀬くん自身にとっても、父親が自分の為に(学費の為)放火し(と疑っている)失った大事な場所であるさざなみと、その思い出の残る島、そして誰より大切な希美との思い出が溢れた島へ帰ることを、成瀬くんも簡単には決断できなかったと思います。
店の建つ場所に立ち、見慣れた風景の中で、ようやく決意を固めた、固める為に島を訪れたのだと思います。
ふたつ目。
墓前での高野夫妻との再会についてですが、成瀬くんが、島へ帰ってきて訪れる場所、というのは、もう父親のお墓とNOTREの建設予定地くらいしか、ないと思うんですよね。
生まれ育った家も店ももうありませんし、行くところも訪れたい場所も目的地も、もうないと思うのです。
一方、高野夫妻にとっても同様に、住まいは東京に移していますし、駐在所には現役の後輩警察官がいます。挨拶に訪れるくらいで、成瀬くんが駐在所に行く理由もないですし、高野夫妻がNOTREに行く理由もありません。
この3人に共通する場所は、成瀬父のお墓しかないと思います。
なので、墓前での再会は、他に再会させる場所がなかったのだと思います。
nao様
ご意見の①は、私も同じ解釈をしています。
まさに私が、成瀬くんが、希美のN=安藤と誤解したと結論づけた、最も大きな理由です。
成瀬くん目線で、希美の行動を追いかけると、やはり希美のN=安藤、と見える演出ではないかと思うのです。
世間一般における、希美のN=安藤、と違うのは、成瀬くんが誤解をした、と捉えている点であり、実際は希美のN=成瀬くん、という解釈をしています。
また、早朝デートのnao様の考察も、同意する部分が多いです。
あの所信表明演説で私は、希美の恋愛観を見た気がしているのです。
大事な人ほど、遠ざける。
大事だからこそ、進展を望まない。
希美は普通の恋愛を求めてはいない。
そんな儚いものより、もっと強固な、絶対的な信頼、成瀬くんだけは自分の味方なのだ、という繋がりを求めたのだと思います。
ここから先は、書くか迷ったのですが…
男女は等しく自立し、自分の力で生きていく能力があると、私は思っています。
しかしながら、如何ともし難い絶対的な性差は存在します。
自立する上での、この性差というハンデ、これを乗り越え、男性同様に社会で認められる(誰にも頼らん、欲しいものは全部自分の力で手に入れる)には、一般的な女としての幸せを捨てることだと、私は理解しています。
申し訳ありませんが、この考え方は自分自身の経験、生き方そのものから導き出されたものですので、如何なる反論や素晴らしい考察を述べられても、覆ることはないと思います。
誰かを愛し、想い想われて、ひとつの家庭を築く。その先に愛する人の子を産む。
それを捨てることが、希美の生き方だったと私は思うのです。
それを、幸せなことだと希美は思えなくなってしまったのではないか、と思えるからです。
希美は副所長にまでなっていますよね。
事件や成瀬くんのいない現実と向き合えず、逃げるように仕事一筋でやってきた結果だと思うのです。
仕事に生きる、自立を求める女にとって、結婚やその先にある出産は、仕事に支障をきたす、周りとの競争から外れることであり、自立とは相反することです。
=セックスそのものに対する嫌悪(妊娠したら困るからですね)
第一線で活躍することと、結婚・出産・育児は、相反することなのです。
子供を産み育てること、それはたとえ一時的にであっても、夫(子供の父親)に頼って生きること。
希美には受け入れられることではないと思います。それは、自分の両親を見ているから。
私自身、同じ気持ちを持っていたことがあります。
うちの母親は未だにバリキャリの仕事人間で、希美の母親とは真逆ですから、私も希美程のトラウマはありません。
しかし、幼心にも、勉強して良い学校に行って、良い職に就いて、一生仕事する。その思いを持つには十分な環境でした。
誰かに惹かれても、先を夢見ることもないし、想いを寄せられても、相手に結婚願望があれば余計遠ざける。
希美は事件後はそれまで以上に、恋愛していたとは思えないのですよね。
また、病になってからは尚更遠ざかっていたと思います。
女にとって、身体に残る傷痕というのは、男性が思う以上に、大きなコンプレックスだと思います。
私は病ではありませんが、帝王切開で子供をふたり産みました。
医学も進んでいて、傷痕なんて小さいものですし、ふたり産んでも傷痕はひとつしかないんですよね。
愛する我が子を産んだ、勲章のような傷痕でも、夫にすら見られたくない、と思う時期がありました。
好きな人にしか見られたくない。
好きな人だから見られたくない。
そんな気持ちが希美にも必ずあったと思います。
その思いが、私なりのsillyの解釈にも繋がっています。
誰かと身体を重ねることは、なかったと思えるのです。
まして、成瀬くんのいない寂しさを埋める為に、気持ちのない相手と…ということは、考えられないです。
結婚や妊娠に対する否定的な考えと、身体に残る傷痕。
現在はどうかな。
成瀬くんになら見せられるでしょうか。
そうであれば良いな、とは思います。
私の中の希美像は、かなり屈折しています。
というより、希美の生き方の中に、自分自身を見ているのかもしれません。
桃さん、お帰りなさい!お待ちしてましたよ!
桃さんの論、私が常々強力、と感じているのはそれが桃さんの個人的経験から発している事を桃さんが隠さないからです。ただ単に自分にはそうとしか思えない!という思考を伴わない、唯自分の美意識を押し付けるだけの論がオフィシャルでも多数見られた中で、桃さんのコメントは常に強い光を放っているんです。それは桃さん個人の経験より発する論である事が分かるからです。
そして、桃さんの言われる価値判断は、私がこのドラマの思想的背景だと思っているキルケゴールの実在主義における『主体的真理』そのものだと思っているからです。
キルケゴールの主張は、簡単に言えば、1+1=2、だなんていう客観的真理など、個人にとってはどうでもよくて、個人の経験にルーツを持つ論理で説明し得ない価値こそが『主体的真理』であり、それこそが実在にとっての大事である、という事なんです。
私が主張する杉下の西崎への感情の可能性も、実は同様に個人的な経験に依存した判断です。
私はある方に未だに囚われている事はすでに別の場で述べさせていただいていますが、それでは自分が他の方に恋愛感情を抱かなかったか?といえば、それは違うんです。恋愛と呼べるようなものは殆ど有りません。伴侶との間の事位です。しかし数は多くは無いですが、自分がその方に囚われている事を自覚しつつも、それでもやはり誰かの事が気になる、好きになるという感情はあったんです。そしてそれは理屈ではないんです。
その方がマリア様になった高校の頃にも有りましたし、最終的に彼女との終局となった後にも、やはり有りました。いずれもどこか彼女と重なるものを感じた方で、恐らく彼女の面影を追っていたのでしょう。もちろん彼女と並び立つような存在では有りません。ですが、私や杉下のような、相手がある種現実世界から遊離した存在となった者の中では両者は並存し得るという事を知っているんです。
そしてその経験が杉下の西崎への感情の判断のベースになっており、かつ理屈好きのひねくれ性格と相まって、杉下への感情移入となっている事を告白しますね。
恐らく桃さんと私はチョット似ていて、個人的な経験からドラマに観ている世界は異なるけれども、ドラマのすべての描写に自らの経験に基づく自分なりの一貫した説明を付けたいだと思います。
ですから、ここの場が、自分にはこう見えるけれど、他の人にはどう見えているんだろう、という相互の世界観の披瀝の場となり、自分の世界の認識に役立つ事が、一番素晴らしい事だと、そのための場であって欲しい、そう願っています。
naoさんから頂いた、杉下の『安藤入室阻止行動』について、成瀬からどのように見えたか?以前に杉下の行動意図が今だ見えていません。
杉下のN=成瀬は間違いない(短期集中講座中)のですが、この行動と杉下の成瀬保護の意思との間に関連が見出せないんです。
naoさん、桃さん。
この杉下の『安藤入室阻止行動』は、どのような意図か、お二人の考え教えてもらえませんか?
こんばんは。
質問されていることの答えとなるかわかりませんが、私なりの考察を書きたいと思います。
希美が通報する為か、救急車を呼ぶ為かに手に握りしめていた携帯電話はいつのまにか床に放置され、部屋に鳴り響くフロントからの内線。
反射的に希美は、助けて、と成瀬くんを呼んでしまいます。
部屋の状況を見ても、説明がなくても、冷静な成瀬くん。そして西崎さんとの会話。
この時になって初めて希美は、成瀬くんを巻き込んでしまったことに気付いたのだと思います。
『大丈夫、全部偶然だって言えばいい…』
この言葉で、成瀬くんを巻き込んでしまった、重大さに気付いた。
成瀬くんが現場にいること自体を偶然にしなければ、時効を迎えていないさざなみの事件にまで遡られる可能性に気付いた。
この時点で、希美の頭の中には、偶然を装うことが成瀬くんを守ることになる、自分が巻き込んでしまった成瀬くんを守る、唯一の方法なのだ、ということしかなかったのだと思います。
成瀬くんとは違い、冷静さもなかった。
やってもいない殺人の罪を被るという西崎さんを説得することもしない。
=西崎さんを見捨てるのと同じことだ、と思うのですよね。
『全部偶然だって言えばいい…』
これをすんなり受け入れてしまう希美を見て、成瀬くんは希美のN=西崎さん、とはとても思えなかったと思うのです。
いくらそれ=偽証、が西崎さん本人の望みであったとしても、普通の判断力のある状態ならば、その提案を止めるでしょう。
ありのままを証言しても、誰も刑事的な罪は問われないはずです。
しかし、希美は西崎さんを見捨ててまでも、成瀬くんが現場にいることを偶然とする方を選んだ。
『杉下を守ってやってくれ』
…決意の表情で頷く成瀬くん。
この時、希美の瞳から溢れる涙は、西崎さんへの謝罪、そして成瀬くんを巻き込んでしまったことへの後悔。
ではここで、安藤が部屋に入るとどうなるでしょうか。
確かにカギをかけてしまったことが、事件を最悪な方向へと導いてしまったわけですから、事件関係者ではありますが、私は、作戦Ⅱの存在すら知らない安藤は、希美にとっては最初から部外者なのだと思います。
部外者だから、関わってほしくない。
勿論、そうすることが安藤の未来を守ることでもある。
その気持ちもあったと思います。
けれど根底には、これ以上成瀬くんとの関係を知る人物を増やしたくなかった。
安藤は成瀬くんの存在を知っています。
西崎さんと面識があることも、一緒に食事をしていたことも、同級生であることも、知っています。
安藤が部屋に入り、起こったことのすべてを知った時、どういう行動を取るか、希美にはわかっていたのではないでしょうか。
『安藤はズルいことしないもん』
だから、安藤を事件に関わらせたくなかった。
前述の通りそれだけではなく、安藤の未来も考えた上での、あの行動、必死さだったと思いますが、その必死さ故に、成瀬くんにはそうまでして守りたい存在=希美のN、に見えてしまったのではないでしょうか。
moto様
心に残す誰かがいても、近い存在に心惹かれることもある。決して不誠実なことではなく、人が前を向いて生きる為に、当たり前のことだと思います。
しかし、そんな自分を肯定できるかどうかもまた、男女の違いなのかもしれませんね。
こんばんは。遅くなりました。
希美ちゃんの安藤入室阻止行動の意図、初めは今までどおり、とにかく安藤の将来を守りたかった、だから事件の現場に立ち入らせたくなかった、と考えていました。
ですが、今日改めてこの場面を見直し、それでは合わないような違和感を覚えました。
希美ちゃんは安藤を止めるのに際し、「今 入んないで。お願い、ちょっと待って。今 入んないで。お願い、待って、お願い・・・」と懇願しています。切ない頼み方。
「今 入んないで」は、「事件の現場を見ないで」ではないでしょうか?
安藤に見られることによって、事件の経緯を推測され、分析され、それ(3人が居合わせたのは偶然ではなく、計画性があったこと)を警察に話されるのを恐れた。だから、入室を阻止しようとした。
つまり、希美ちゃんの行動は、安藤よりも、成瀬くんをこそ事件の外におくことを意図していたのでは、と考えます。
ただ、希美ちゃんのN=自分だと理解していない成瀬くんには、桃さんのおっしゃるとおり、正しく安藤をNと勘違いしてしまう場面になったと思います。
桃さん、こんばんわ。
お子さんの宿題のチェック終りました?(笑)
私の問いへ返事頂き、ありがとうございます。
成瀬を知る人物を増やしたくない、という心理ですか。すんなり、では無いですが確かに一つの考え方であり、ありうる行動ですね!私ももう少し考えてみます。
成瀬の指示を受け入れた杉下を見ての反応については、桃さんと前提が事なっているので、見解が分かれるのは仕方ないです。私は事件前から成瀬は西崎に気持ちがある、と理解している事が前提となっています。
また、成瀬が入室する以前に杉下と西崎との間で西崎の偽証要求に対して杉下が拒否しているやり取りを成瀬は知りません。ですから杉下が成瀬の指示を受け入れたのを見て、それが成瀬には西崎の為、と見える、という論理なのです。
ただ桃さんの考察で指摘したいのは、2点あります。
杉下は当初、西崎に対して、何もしていないのだから、犯人になる事はない、と言っています。
ですので、決して正常な判断力を失っていた訳ではないと思います。
もう一点は『ありのままを証言しても、誰も刑事的な罪は問われない』という部分です。
残念ながら捜査機関は作戦の結果が夫婦の心中事件とは取らないんです。
成瀬が偽証を杉下に指示したのは、この判断があるからです。桃さんは成瀬の事件への認識をどう取られているか不明ですが、成瀬はこの事件に関して実は関係者4人の内、一番真相を知っている人物です。かれが理解出来ていなかったのは、杉下のN=成瀬、という部分だけです。
事件が心中である事も、杉下が勘違いの結果から野口に作戦をばらした事も理解しています。これは思考実験で確認すみです。
そのうえで杉下へ偽証を指示したのは、捜査機関が作戦の結果が夫婦の心中事件とは取らない、と判断したからです。そうすると杉下が犯人にされる可能性が出てくる。捜査機関が真実に到達出来ない事を彼はさざなみで経験しています。それを避ける為に成瀬は西崎を切り捨てた。
そこで一つ桃さんの説でスッと入ってこないのが、以下の点です。
かりに成瀬は杉下の作戦への協力があくまで奈央子を助けるという動機だったと、成瀬が理解していたとして、成瀬が偽証を指示した時点で成瀬には杉下が偽証を受け入れたように見える。そうであるなら、この時成瀬には杉下が誰の為に偽証を受け入れたとみえたのか?
この段階で成瀬には安藤はまったく見えていません。そうするとこの時点で成瀬が安藤を思って杉下が偽証を受け入れた、とは思えないはずです。また偽証の根幹は鍵がかかっていたかどうかに関係がありません。仮に鍵がかかっていなかったとしても同じ偽証をするのです。そうすると、安藤入室前の時点で杉下が偽証を受け入れたのは、消去法で自分=成瀬と、成瀬に見えていた事になります。
そのうえで、安藤が入ってきた。そこで成瀬には偽証の根幹を守る為には安藤の外鍵の隠蔽が必須条件である事も杉下に言われずとも理解出来る。そうであれば杉下のN=安藤、とはやはり取らないのでは?
仮に杉下に西崎への感情は無く、また成瀬も杉下の西崎への感情はない、と理解している条件でこの杉下の偽証の受け入れ過程を再評価すると、成瀬には杉下のN=自分(成瀬)にみえるはずで、やはり安藤には見えないのでは?(但し、これではその後の成瀬の行動とやはり不整合が出ますね)
追伸
桃さんがご自分の事を告白頂いたおかげで、だいぶ理解出来ました。
桃さんと私の一番の差は、杉下の成瀬に対するトラウマ(桃さんの説では成瀬を含むその他異性全般)は両親の別離に起因している、という見解なんですね?
私は杉下の成瀬に対するトラウマは成瀬自身に起因している、と取っていますので、その差が杉下の心象に対する評価の差、となっているんだと理解しました。
追追伸
私の場合、自分を肯定していた訳ではなく、ただ流されていた、という方が当たっていると感じています。
殊に彼女との終局以降は、それが自分の傷を癒してくれるかもしれない、という漠然とした期待もあったかもしれません。時間が解決してくれるんじゃないかという。でも駄目でした。
ええと…成瀬くんを知る人物、ではなくて、成瀬くんと自分の関係を知る人物を、増やしたくない(事件関係者にしたくない)という意味ですね。
希美が冷静な判断力を失ったのは、成瀬くんを事件に巻き込んでしまったことに気付いてからだと解釈しています。
本来であれば。
成瀬くんのことも、部屋へは入れない選択肢があったはずです。
安藤のことを必死で拒んだように。
何故希美は、成瀬くんに(第三者に)助けを求めてしまったのでしょうか。
希美は、西崎さんが罪を被ることはないでしょう、と言っています。
これは確か公式でも書いたように記憶しているのですが、普通の感覚を持っていれば、偽証する必要などない事件なのです。
だから、当初、西崎さんに罪を被ることはないでしょう、と言った。(=本当のことを証言しよう、と同義でしょう。)
成瀬くんに、西崎さんを説得してほしかったのだ、と私は捉えています。
しかし、成瀬くんを巻き込み、さざなみにまで遡られる可能性に気付いた。
このあたりから、希美の頭の中は、目の前で起こっていることよりも、さざなみのことでいっぱいになってしまっていたのではないかと思うのです。
もう一点。
警察の捜査能力であれば、真相を突き止めるでしょう。これも普通の感覚ならば、そう判断します。
確かに世の中、冤罪は存在しますが。
勿論、4人の証言だけでは難しいでしょうけど、そもそも、シャルティエ広田のオーナーに事情聴取すれば、3人の関係はすぐわかることですし、作戦Ⅱにこそたどり着けないかもしれませんが、鑑識や監察医、どちらが先に息絶えたか。撲殺の凶器、角度、位置、血痕、刃物の角度…
必ず真相にたどり着きます。
作戦Ⅱのことだけ黙っておくとしても、死に至った過程、夫妻がお互い勘違いをしていた為、そこも理解されないでも、物理的に、野口を殴った人物、奈央子を刺した人物の特定は、警察なら可能だと思います。
奈央子を監禁していた客観的証拠もありますし、証言も取れるでしょう。
殺人罪だけは、回避できたと思います。事実誰も殺していないんですから。
ただそれでは物語が成り立ちませんけども。
そう思えなかったのは、成瀬くんが偽証を受け入れたのは、成瀬くん自身の経験からという部分には同意です。
警察の捜査能力を信用できなかったから。
そしてそれは、希美も同様だったと思います。
本当は安藤のように、すべてを話して、いつまでも待つ。それが真っ直ぐな愛し方と言えるのでしょう。
そういう意味で、やはり成瀬くんもどこか歪んでいるのです。
私は、所謂事件処理の際、希美の強い意志は感じられませんでした。
罪を被ることはないでしょう…と言いながらも説得できない。
成瀬くんに、それでいいね、と念を押され、結局流されているように、成瀬くんには見えていたと思っています。
ハッキリとした意思表示を、発言を、何ひとつしてはいないからです。ただ泣いているだけ。
それは、偽証しなければ成瀬くんを守れない、しかしそれでは西崎さんを見捨てることになる…どうしたらいいのかわからないまま、決断できないままに、話が進んでゆく…
そんな希美が唯一、ハッキリとした意思を示したのが、安藤への行動でした。
少なくとも、成瀬くんの目に見えた希美の現場での自主的な行動は、これだけなのです。
また、偽証する=西崎さんが殺人の罪を被る、これを、西崎さんの為、とは取らないと思います。
成瀬くんから見ても、希美は西崎さんを見捨てた、と見えていたと思っています。
このドラマは、それぞれの登場人物が、親から受けたトラウマによって、歪んでいることから生じたすれ違いや愚かさが、ひとつの大きなテーマになっていると思っています。
希美だけではなく、成瀬くん然り、西崎さん然り、また描写こそありませんが、野口さんや奈央子の両親も、あるいは。
このふたりも機能不全家庭で育った結果の共依存かもしれません。
唯一、対照的に描かれているのが、安藤、そして高野さんです。
肉親から受ける傷というのは、同世代の友人や恋人から受けるものとはまた、違います。
自分のアイデンティティを揺るがすことです。
自分を作り出した人間に、否定されるのですから。
希美のトラウマ、強烈なまでの自立心は紛れもなく親から与えられたものであり、それは性別に関係なく、異性にのみ向けられる、というものでもないと思っています。
私の住んでいるところでは、夏休みは昨日(日曜日)まででした。2学期制ですし、月曜日だからキリ良く、といったところでしょうか。
だから、宿題チェックは、昨日済みです。
ちなみに、青景島のある県が、私の出身地です。
今は隣県に住んでます。
桃さん、
取り急ぎ、『それを言っちゃ〜おしめいよ』の部分について同意(笑)
奈央子の絶命までの時間の短さとか、あんな偽証がすんなり通ってしまうこととか…
それを持ってミステリーとしての稚拙さを説く論もありましたね。
でも、この物語の面白さの本質はそこでは無いから、目を瞑りましょう(笑)
桃さん、naoさん、『杉下の安藤入室阻止行動』の杉下の動機、理解出来ました。お二人のお説の通りですね。杉下は事件の成瀬が大事、という心理ベースの上に、事件の関係者を増やしたく無い、という心理から安藤の入室阻止行動を取ったんだ、という結論で間違いないと思います。
彼女の行動特性として、『都合が悪い事は咄嗟に他人に隠す』という特徴がある事を思い出しました。
四阿で成瀬に対して母親の発作を高野に言わ無いでほしい、と頼むシーン。
さざなみ放火で成瀬が高野に詰め寄られる場面で咄嗟についた嘘『四阿で成瀬に奨学金の申請書を渡した』
そして安藤の入室阻止行動。どれも一貫している。『都合が悪い事は咄嗟に他人に隠す』という杉下の行動特性の表れなんですね。
そう考えると、成瀬には『助けて!』と言い、安藤には『入らないで!』という、杉下の二人に対する心理的距離の対比が非常に面白いですね。
杉下にとっては、成瀬は『中の人』であり、安藤は『外の人』だという事が如実に表れている。この心理は作戦の参加者かどうかに関係無いのでしょう。
杉下は成瀬の入室直後、その背中に『成瀬くん、ごめん』とつぶやいています。チョット桃さんとこの部分は意見を異にしますが、杉下も成瀬は本質的に巻き込んではいけない存在だとこの時点で判っていてる。それでも切羽詰まった時に助けを求めざるを得ない、そしてそれができるのが唯一成瀬なんだ、という事が端的に表されているのが、この二人に対する対応の描写なんですね。
いや、スッキリした!最初は全然わからなかったんです。でも、久しぶりにヤッタ!という気分です。
桃さん、naoさん有り難う!これは間違いなく三人による成果ですよ。コメントに埋もれさせたままにしておくのはもったいない!本編に項建てしますね!
つらつらと成瀬は杉下のN=安藤と誤解した説を考えていたんです。
で、まだ全体がつながらないんですが、一つの可能性としておもしろいアイデアが浮かびました。
仮に成瀬が杉下のN=安藤と誤解したとした時、成瀬は杉下の事を嫌った!という可能性です。
嫌ったから、西崎と交わした約束を反故にした。
嫌ったから電話番号を変えた。
嫌ったからもう接触する気も失せた。
西崎は成瀬の感情を知っていたから、まず安藤をテストした。
西崎は成瀬の感情を知っていたから、杉下とあった際にも成瀬の話題を出さなかった
そして杉下も成瀬から自分が嫌われた事に気づいていた…
んー、でも妄想かな?
まだつらつらと考えてます。
自説で一つ繋がらない部分を発見しました。
西崎が杉下の病気を伝えようとした順番についてです。
西崎はまず安藤を呼び出して吊り橋のテストをした。結局安藤の返事に満足出来ずに、結局成瀬にテストなしで伝えた。
当初は父親から世話になった人間に恩返ししろ、と諭され、自分を支援してくれた安藤をテストもせずに成瀬に杉下の事を伝えるのは不義理だと考えたから、と取っていたんです。
でも何か違う気がしてきました。
西崎と成瀬は服役中も接触を取り続けていました。成瀬が杉下から離れた事を西崎も知っている。当然西崎は杉下のN=成瀬と知っていますから、なぜ?と問う。お前に杉下を託しただろう、と。この時成瀬が杉下のN=西崎であり、杉下の感情に介入しない為だ、と説明していたとしたら、第一選択として安藤を選んだろうか?この場合の成瀬の行動は杉下を思っての行動ですので、やはり第一選択は成瀬になるんではないか?と考えています。
ここでもし、成瀬が西崎に対して杉下のN=安藤で、自分は身を引いた、とした場合は、西崎が出所後杉下の状態を確認していますから、やはり第一選択は安藤とはならず、成瀬になると思うんです。
それでも西崎は第一選択として安藤を取った。
それはなぜか?と考えると、成瀬は西崎に対して、自分が杉下を嫌っていて、もう杉下と関わる意志がない、と表明していた場合にのみ、西崎は安藤を第一選択とし得るんではないか?
この説はまだまだクリアすべき点は多数あります。
自説である、成瀬が作戦に協力する事にした理由や、未だ越えられていない、杉下の偽証を受け入れたプロセスとの関係、更に成瀬がプロポーズしたシーンとの整合など…。
ですが、西崎が安藤を第一選択として接触した事との整合性と西崎と杉下の接触関係を考えると、何気にこの杉下は成瀬に嫌われた説が、非常に強力なものに見えてきました。
そしてこれが本当なら、物語全体の大ドンデン返しですよね。
そして思考が捻くれている自分としては、とても魅力的に見えます。
ですので成瀬が杉下のN=安藤と取った説も徐々に自分の中に入ってきつつあります。
安藤の外鍵隠蔽トリック説、杉下の究極の愛の相手=西崎説と共に、なかなか受け入れ難いかもしれませんが、いかがでしょう?(笑)
他に書きかけの考察と、cafeの方へも書きたいコメントがあるのですが、取り急ぎ2点だけ。
希美が成瀬くんに嫌われた説ですと、ますます、高野さんとの再会後、成瀬くんが希美に連絡をする気持ちになった説明がつかないような気がするのですが。
もう1点。
あのラストシーンは、希美の病を知った成瀬くんの同情からのプロポーズの結末、ということでしょうか。
希美の姿を見つけた成瀬くんの表情、側に行ってからの笑顔、どちらも、やっと愛する人との未来を見ている幸せそうな顔に見えるのですが。
成瀬くんは、スカイローズの手繋ぎ、その後の別離から、初めてさざなみ時の希美の気持ちを知ったと思います。
希美も同様に、さざなみ時の成瀬くんの気持ちを知ったと思うのですよね。
だから、希美自身がスカイローズで成瀬くんに嫌われた、と勘違いした…とも考えづらい気がしています。
如何でしょうか。
桃さん、あんな暴論にレスもらえるとは!
すみません、相変わらずの言葉足らずで、意味が伝わってないですよね。
杉下が成瀬から嫌われた説は、成瀬が杉下のN=安藤と勘違いした説の発展形なんです。
成瀬は杉下のN=安藤と勘違いした。成瀬は密室を作った安藤が許せない。そんな安藤を庇う杉下を嫌う、という心理です。
ですので桃さんやnaoさんが高野との会話で、成瀬が勘違いしていた事に気付けたのなら、この感情も解消出来る、と踏みました。
でも今朝もう一度考えたら、このアイデアでは西崎が先に安藤をテストした事を説明出来ない事に気がつきました。
つまり成瀬が杉下のN=安藤と誤解した説と根っこは同じなので、西崎が安藤に先に会った事の説明が付かないんですよね。
ですので、成瀬が杉下を嫌った説は取り下げます。
そうするとなぜ西崎は安藤を第一選択としたのかが分からなくなってきました。
面白いアイデアだと思ったんだけどな〜
3人様のコメントを追って読んでますが進まず、流れに乗れないでいます(笑)
解釈に同意するトコと微妙に異なるトコもあって、面白いです。
大まかには桃さんやnaoさんと同じで、スカイローズガーデン事件でも希美ちゃんのN=成瀬くんであるにも関わらず、成瀬くんは安藤と認識したと思ってます。
N作戦2のはずが大惨事となってしまい、西崎さんがやってもない罪を被ろうとして理解出来ないまま罪の共有(偽証)を持ちかけられ、混乱するばかりの希美ちゃん。そんな中、2種のベルが鳴り、希美ちゃんはフロントからの成瀬くんに助けを求めた。成瀬くんが入室すると血液の付着したブランケットを成瀬くんが受けとるままに渡し、希美ちゃんは全てを成瀬くんに委ねてます。西崎さんからの偽証依頼に成瀬くんが引き受ける。その時希美ちゃんは成瀬くんを巻き込んでしまった事に気付いたと思います。隠蔽しないと、さざなみ事件が蒸し返される。それだけは何としても阻止したい。成瀬くんを守る為に偽証を受けるしかない。成瀬くんからの「それでいいね。」成瀬くんの判断にそのまま委ねる形をとったと思います。
でもだからと言って桃さん意見の希美ちゃんが西崎さんを見捨ててしまう行為になってしまうのでしょうか??西崎さんが望んだ偽証依頼です。幼い頃の自分(西崎さん)と思い、愛し救い出したいと思った奈央子さんが「ひどい事してゴメン…」自分の母親だった。母を見殺しにしてしまった(救えなかった)罪悪感、火のトラウマ、更に上塗りされた奈央子さんの死で、西崎さんの闇から出るには西崎さんが言うように罪を償う偽証しかないと希美ちゃんも西崎さんの気持ちがきちんと理解出来てたと思います。なので希美ちゃんは西崎さんを見捨ててはないと思います。
そして成瀬君も、希美ちゃんが偽証を引き受けたのは誰の為とかではなくて(←motoさんへの回答)、また西崎さんを見捨てたのではなく(←桃さんへの回答)、
自分(成瀬くん)の判断に従っただけ…と受けとったと思います。
ひとまず、以上です。また、茶碗洗い等を後回しにしてしまったんで(^-^;
アフロ1さん、確認です。
杉下が成瀬の偽証指示を受け入れたのは、杉下が成瀬の保護を意図して、と理解されている訳ですよね?
成瀬に任せたかどうかは別として結果成瀬を保護したいが故、という事であれば、まかせたかどうかは余り問題ではないかと。
ただ一つあるのは、アフロ1さんの書き方だと、成瀬を保護する意図とともに、西崎の意向を汲んだ、と読み取れますが、そういう意味でしょうか?
もしそうであれば、私はちょっと違う、という感覚です。杉下のモノローグで、『大切な人の事だけ考えた』といっていますので、この場合、杉下は西崎を精神的には切り捨てた、という解釈にならないでしょうか?
確かに杉下の意図が成瀬の保護として、その効果として西崎の意向も実現された、というのは事実ですが、それはあくまで副次的効果であり、杉下が『西崎も保護する意図』を持っていた、とはならないと思います。
但し、杉下の意思が西崎にある場合には、西崎の意向に沿う(偽証する)=西崎を護る、という表現が成立する事には同意です。私が成瀬が杉下のN=西崎と誤解した説の、成瀬の判断と同じロジックです。
一つ解せないのは成瀬にどう見えていたのか?の部分です。冒頭で成瀬は杉下のN=安藤と誤解した、とされているのに、末尾で成瀬の指示に流されていただけのように見えていた、という趣旨の事をおっしゃっていますが?
この部分は成瀬の指示を受け入れた段階での見え方と、その後の杉下の行動を見ての判断の二段階での見え方を言われているのでしょうか?
成瀬が協力したのは純粋に人助けだったとして、改めて成瀬が杉下のN=安藤と誤解した際に、杉下の手をとれるかを考えてみました。
成瀬は西崎の人助けに共感した。それに協力しようとする杉下にも共感して作戦に加わった。
しかし安藤のどう考えても利己的な行動=外鍵を掛ける行為で密室が作られ、野口夫妻が死亡し、西崎が奈央子を庇って自ら犯人になろうとしている。杉下を護りたい一心で事件の現場に『今にも崩れ落ちそうなつり橋を渡って』飛び込み、杉下を庇わんがため西崎も切り捨てた。
それにもかかわらず、杉下はその密室を作り出した安藤を庇おうと行動している。
これから刑を受ける西崎も、危ない橋を渡った自分もお構いなしに精神的に切り捨てて…
このような状況下において、いくら成瀬に杉下に対する気持ちがあったとしても、杉下の安藤との今後を慮って自ら身を引く、その意思表示として杉下の手を取る、などという事が出来るようには思えません。
成瀬はこのドラマで、終始冷静な判断力の持ち主として描かれています。もし上記のような判断であるなら、倒錯です。
以前naoさんから頂いた問いへの回答でも書きましたが、外から閂を掛けた友人を許容できないように、その友人を庇おうとする人を許容出来るでしょうか?閂を掛けた人物同様、庇おうとする人間もその人間性に疑いを持たないでしょうか?
私がどのように思考しても、杉下のN=安藤と成瀬が取ったと思えないのは、このレベルでの疑問です。
成瀬が杉下のN=安藤と成瀬が取ったとして、杉下の手をとれるとするならば、それは絶縁宣言としてだと思います。
実は昨日撤回した、成瀬は杉下を嫌った説も上記の判断から出ています。もし成瀬が杉下の手をとれるとするならば、それは杉下に対する絶縁宣言以外にないと思うのです。
で、実はひょっとしたら本当はそうなのでは?と思っているのが、西崎が成瀬に電話した際の表現なんです。
『もう一度杉下を助ける気はないか?』
これに成瀬は『回りくどい』と返している。つまり、西崎が回りくどい形で話を切り出さざるを得なかったのは、成瀬の杉下への判断を知っていたから、のように思えるんです。
もし成瀬に杉下への気持ちがある、杉下のために成瀬が身を引いたと西崎が取っているなら、もっとストレートに話をしていいと思えるんです。
こんにちは。
アフロ1さんの考察を読ませていただきましたよ。
私も同じく「希美ちゃんが西崎さんを切り捨てた」には違和感がありました。
motoさんのコメント「杉下のモノローグで、大切な人のことだけ考えた、といっていますので、この場合、杉下は西崎を精神的には切り捨てた、という解釈にはならないでしょうか?」をもう少し説明していただけますか?
二人は親からの異常な仕打ちという共通のトラウマを持ち、お互いにそれを感じ取り、心配し合い助け合う仲だったと思います。スカイローズガーデン事件の現場で二人きりの時、西崎さんは希美ちゃんに、「おれは罪を償いたい。前にも母親を見殺しにした。それを償わずに生きてきて、どう現実に向き合えばいいのか分からない。償い終わったら、今度こそお前たちと同じように現実を生きていく」と訴えます。
希美ちゃんにとっては成瀬くんを守ることが主眼。けれども、たとえ「副次的効果」であっても、希美ちゃんの選択が西崎さんの願いを叶え、救うことになったならば、「切り捨てた」という極端な表現は合わないように思うのです。西崎さんを真に切り捨てることは、「殺人犯にすること」ではなく、「罪を償わせない=生き直させない」ことだと考えるからです。
私は事件の現場で希美ちゃんが切り捨てたのは、西崎さんではなく自分自身の幸せだったと思っています。
成瀬くんを失い、更なる嘘を吐き通す人生を送らざるをえなくなってしまったのですから。
それが分かっているからこそ、西崎さんは
「あの日がなければ、杉下は幸せになっていたんじゃないかと思うと胸が痛む」
「この10年には意味があった。ありがとう、杉下」
と伝えたのではないでしょうか?
長文、失礼しました。
やはりたくさんツッコミが入りましたね(笑)
ツッコミ所、満載だったと私も感じとります・・(笑)
まず最初の指摘点ですが、
希美ちゃんは「助けて」の段階では成瀬くんに『委ねて』おり、後に偽証受け入れでは『護る・保護』してます。motoさんのおっしゃる通り希美ちゃんが『成瀬くんを保護したいが故』のなら、『委ねたかどうか』は問題ないのかも知れません。この部分はもうひとつ後でコメントしようと思ってた内容と繋げたコメントだったので、すみません。
次の指摘点です。
希美ちゃんは『一番大切な人(成瀬くん)の事だけの事を考え(た)』て、偽証を引き受けたのだから、 西崎を精神的には切り捨てたのではないかの解釈ですが(←これは桃さん意見でもあるんですよね)、
naoさんコメントありがとうございます。そうなんです。そういう風に受けとらなくてもいいのではないかと思ってのコメントでした。
『一番大切な人だけの事を考えた』
西崎さんのさらに深くなった心の闇を理解し救いたいと思っても大それた事過ぎて「そんなの出来ない」と一度は断った希美ちゃん。成瀬くんを巻き込んでしまった事の重大性に気付き、成瀬くんの未来を守る為、偽証を引き受けるか決断したのは、その時は成瀬くんの事だけを考えて決断した・・との意味合いで解釈してました。
最後の指摘点の成瀬くんには希美の偽証受け入れをどう見えていたのか?ですが、
私は、成瀬くんが希美ちゃんのN=安藤と確信(誤解)したのは、希美ちゃんからの鍵の隠蔽依頼の時だと思ってます。それまではまだ成瀬くんは、希美ちゃんのNが誰か明確に分かってなかったと思います。プロポーズされるような男性(安藤)がいるというだけで希美ちゃんの気持ちは知りません。
あくまでも成瀬くんは希美ちゃんからの助けに、真剣に立ち向かっただけ。今度は俺が守る番だとばかりに「大丈夫。…それでいいね」
成瀬くんは、希美ちゃんが偽証を引き受けたのは誰の為とかではなく、また西崎さんを見捨てたとか
ではなくて
希美ちゃんが助けを求めた自分(成瀬くん)の判断に従っただけ…と受けとったと思います。なので、もしかしてこの時成瀬くんは希美ちゃんの恋愛感情が自分にあるかもと感じとってたようにも思えます。なのに、その後の希美ちゃんからの鍵の隠蔽を依頼される事で、希美ちゃんのN=安藤と誤解した。あの成瀬くんからの手繋ぎは、安藤のエゴ行動云々の感情はなく、希美ちゃんへ「さようなら、君の幸せを願って嘘を守り通すよ」と、最後の別れをしたのではないでしょうか。
かなり手ぬるい文章となっとります。まだまだツッコミ所あるでしょうね(汗)
流れが一度切れてしまいますが、先に書いていたものをアップしますね。
naoさん、アフロ1さんへのレスはおって入れます。
皆さんと議論していて、徐々に自説(成瀬は西崎の出所を待って杉下に連絡する積りだった)に若干の疑問符が付いてきています。まだクリアすべき点は多々あるんですが、もしかしたら本当に成瀬は杉下を嫌って離れたのではないか?この方向性を追求してもいいのかも知れない、と思い始めています。
幾つかある兆候の一つが、成瀬が春に島に還ることを既に決めていた、という部分です。西崎を待って杉下に接触するつもりでいたなら、自分の将来を杉下の反応を観ずに決める、というのも若干弱いか?と思えてきました。当初はダメモト、と取っていたんですが。
二つ目の兆候が、杉下の安藤入室阻止行動の議論で気付いた事です。成瀬という人物の面白い部分なんですが、自分が見聞きしていないことまで、僅かな兆候から正確に推論し、状況を正確に把握できる成瀬が、杉下の直接的な成瀬に対する行動の心理を読み誤る事実がある事に気づいたんです。具体的には杉下の、奨学金についての成瀬への感情を読み謝っています。同じことがスカイローズガーデンでも起きた可能性を排除できないと思いました。
そしてもう一つは仮に成瀬が杉下のN=安藤と誤解した際の、成瀬の杉下への評価です。
実はここが私と皆さんとで一番ギャップがデカイ部分かも知れません。
先のコメントで書いた通り、どのように評価してもネガティブな評価となる安藤の行為、それをかばう杉下を、ある程度普通のセンスを持つ人間が、その後の相手の事を慮るなどという事は出来ない、という確信です。
成瀬が杉下のN=安藤とは誤解していない、という認識はこのセンスから来ています。
そして杉下は成瀬に嫌われた説の出所も、全くおなじこのセンスに由来しているんです。
今、自分のコメントを読み直して
ひとつ追加させてください。
最後の部分、あの成瀬くんからの手繋ぎは希美ちゃんへ最後の別れと共に、愛の告白もしてると思ってます。
naoさんから頂いた、『杉下が成瀬を保護する意図で行動する=杉下は西崎を精神的には切り捨てた』について、解説させていただきます。ちょっと長くなるかもしれません。
杉下のモノローグ『一番大切な人の事だけ考えた』の意味は、こういう意味です。
“一番大切な人(=only one)を護る以外の事は、自分の行動を決定する際に考慮しない”という意味です。そしてそれは所謂“究極の選択”という意味です。
杉下のN=成瀬であるなら、西崎の事は彼女の行動を決定する要因ではない。つまりは西崎を切り捨てた、という論理です。
もしかしたら、ここの部分の前提が皆さんとそろっていないが故に、若干議論がかみ合っていないのかも知れません。
実は事件の際の各キャラクターの行動を私は「原因」と「意図」と「効果」とで厳密に区分して分析して論を立てています。
そして「意図」の部分には、”一番大切な人(=only one)を護る”が入ります。
このように考えると、意図に伴う行動が、たとえ”一番大切な人”以外を利する事になったとしても、それはあくまで行動に伴う副次的「効果」であり、行動者の意図ではない。
だから“精神的に切り捨てた”という表現になります。
一番解りやすい例が西崎です。西崎のN=奈央子です。これは彼自身が明確に述べています。彼は”奈央子を護る(殺人犯にしない)”意図で自分が犯人になりました。この意図には杉下、成瀬、安藤は入っていません。それを実現する目的で杉下に偽証要求もしています。彼が犯人になる事で杉下、成瀬、安藤は奈央子同様嫌疑対象から外れました(「効果」)。この効果をもって西崎は杉下、成瀬、安藤を護る意図で自分が犯人になった、とは言えない。むしろ彼は他の三人を自分の行動の決定要因から外してしまっていますので、精神的にはこれら3人さえ、彼としては”切り捨てた”のです。
事件処理の各人の行動は極限状況における“究極の選択”であり、その意図として”あれも、これも”という心理は存在しないのです。各人の“あれか、これか”という実在的な選択、それはつまりはエゴと等価なのですが、その結果がスカイローズガーデンの事件の真相です。
この、”あれも、これも”をやってしまうと、安藤が実は嫌われたという事に気付けないし、安藤に対する拒絶行動を説明出来なくなる。9、10話で一貫して描かれていた描写が「赦し、赦され」である事も発想・論理として出てこなくなるんです。
上手く説明出来たか自信がありませんが、ひとまずアップします。
ご説明、ありがとうございました。
西崎さんの例、確かに理解し易かったです。
つまり、ある集団の中から一人だけを選ぶ、それは他の人は選ばないことを意味する、で合っていますか?
たぶん私が戸惑っていたのは、「切り捨てた」の強いニュアンスです。
「成瀬くんさえ守れれば、他の人はどうだっていい」ほどの強い気持ちを、あの時の希美ちゃんには感じられなかったのです。
手つなぎのことなど、また考えてみますね。
naoさん、
切り捨てる=「成瀬さえ守れれば、他の人はどうだっていい」だと思います。
だからこそ究極の選択なんです。そして杉下自身が「一番大切な人の事だけ」と言っているのですから。
実はこのあたりも巧妙にドラマでは隠蔽されていて、杉下と西崎の再開のシーンで二人とも「謝罪」の言葉を使っていないんですね。
西崎には「ありがとう」と言わせて、杉下には「似たようなこと」と言わせている。でも西崎の「ありがとう」=「ごめんなさい」なんですね。彼は杉下に一生秘密を抱え込ませたのですから。これは西崎の「他の人はどうだっていい」選択の結果なんです。
もし杉下への配慮が彼の選択の中にあったとしたら、自分が犯人になる、という選択は出来ないと思います。私がエゴ、としきりに言っているのはこういう意味です。
この事件においては、西崎が犯人になる事と安藤の外鍵を隠蔽する事が全ての関係者の利益を実現する上での共通の手段なので、さも「みんなのため」、「あの人のためでもあり、このひとのためでもあり」といったように見えますが、本質は違います。
そうなんですね。何だかすごく悲しいです。
そうだとしたら、希美ちゃんには何もいいことはないじゃないですか。成瀬くんを守れれば幸せだったのかもしれないけれど、その結果得たものは孤独と絶望、そして不治の病・・。
常々思っていたのです。西崎さんは自ら望んだ10年の刑期を終え、気持ちを整理し、就職を考えるほど新たなスタート地点に立つことが出来た。でも、希美ちゃんの苦悩は期限なく果てしなく続く・・。
不完全故に愚かな選択を繰り返してしまう、けれども懸命に運命と闘い、大切な人のために生きた。
成瀬くんが希美ちゃんを迎えに来てくれて本当によかった❗
naoさん、
このドラマ、杉下を徹底的にいたぶってるんですよ!
製作者はサドでは?と思えるほど杉下をいたぶっているんです。
だからこそそれだけに杉下が成瀬の元で至福を得た事に余計感動出来るんですね。
謎解きをして、このドラマの事がよくわかってきたら、ラストシーンの魅力が放送直後より何倍にも感じるんです。
で、実は杉下は成瀬に嫌われた説が自分の中で俄然魅力的なのは、上記の理由です。
もしこの説が成立するなら、杉下へのいたぶりとしてはこれ以上無いですよね?
まだ繋がってないけど、これが繋がったら、本当にこのドラマの謎解きが終わるのかも?と感じていたりします。
アフロ1さんのコメントを読み返して、naoさんも含めて何に混乱されているのか分かりました。
「精神的に切り捨てた」「他の人の事はどうだっていい」という部分の表現が、杉下にそれほどの明確な意思が有ったのか?という疑問ですね?
彼女の中に明確な意思として上記のような感情、若しくは思考が有ったか?といえば否でしょう。ですが繰り返しですが『成瀬を守る事以外は自分の行動の決定要因として考慮しない』のならその精神作用の結果、現象を外部から観察、表現すると「精神的に切り捨てた」「他の人の事はどうだっていい」という表現になるんです。
あと、成瀬には杉下の偽証受け入れがどう見えていたのか?彼女のNは誰とみえていたか?についてです。
私は杉下は西崎に感情があったからこそ、そして成瀬がそれに気付いていたからこそ、西崎と判断したと、取っていますが、仮にその前提を取っ払うとしたら、杉下のN=成瀬(自分)とみえていたと思います。そのセンスは同じです。
ただ既に書いている事ですが、どうしても皆さんと自分のセンスが揃わないのが、杉下のN=安藤と誤解した際の成瀬の杉下に対する感情なんですね。
自分が好きな人がいる部屋を閂を掛けた人間がいて、その中で人が二人亡くなった。なぜか自分が好きな人がその閂を掛けた人物を庇う。その時、中の好きな人を救い出そうと苦労して閂を開けた人物が、いくら自分がその人の事を好きだからといって、何もなしにその人と閂を掛けた人物の将来を慮って身を引く、という精神にはならないと思うんですよ。成瀬は聖人君子では無いでしょう(笑)
成瀬に対してバイアスがかかっているように見えるんです。
それだけに成瀬が魅力的という事かな?(笑)
報告です。
以前桃さんとのやり取りの中で、大笑いの末、やろう!と宣言した『杉下のN=成瀬』説普及短期集中講座の連載が完了しました!
基本的にはこれまで書いた事の焼き直しなんですが、杉下の立ち位置の癖を使った刷り込みなど、これまで直接的には安藤の外鍵の隠蔽のトリックとして書いて来なかった事も入れました。根幹は、従来通りです。
どうだったでしょう?
杉下のN=成瀬、これで理解者が増えてくれるかな?
ここによってくれる人が増えるといいな〜
おはようございます。
まず、私が、希美は西崎さんを見捨てた、と表現したのは、成瀬くんの視点に立った時、そう見えたのではないか?という意味からです。
希美は、西崎さんが何故犯してもいない殺人の罪を被ろうとするのか、その動機を明確に知っています。
しかし、成瀬くんはそのことを知らない。
そればかりか、西崎さんの過去のトラウマも、灼熱バードも、西崎さん自身がトリであることも、知らないのです。
だから、最初作戦Ⅱの話を聞いた時、人妻略奪だと思っていた。
けれど、話を深く聞くことにより、困っている人は助けた方がええ、西崎さん真剣なんやね、思ったよりええ人やね…
と、変化しています。
自分に置き換えて考えてみてください。
私は自分が歪んでいると自覚していますが、それでも自分の友人が無実の罪を被るといえば、どんなことをしてでも止めます。
将来を考えるから。
今以上に生き辛くなるだろう、友人の将来を、黙って見ていることはできません。
友人から嫌われても憎まれても、犯罪者、しかも殺人犯にすることはできません。
普通の感覚では、希美のような判断はできないと思うのです。
希美は西崎さんの過去も動機も知っているので、西崎さんのことをどうでもいい、成瀬くんさえ守れれば、他はどうでもいい、と思っていたとは思っていません。
しかし、成瀬くんから見た時、西崎さんの為に偽証した、とは見えなかったと思うのです。
西崎さんすら見捨てたのか…それ程までに安藤を守りたいのか…と受け取ったと思えるのです。
成瀬くんは希美を嫌ったのか…
そこまで極端な感情の変化があったとは思わないのですが、成瀬くんは生涯希美と接触するつもりはなかったのではないか、と思っています。
接触しないことが、希美の為だと思っていたから。
幻滅するようなことがあっても、そこまで大事に想ってきた人のことは…なかなか嫌いにはなれないと思うのですよね。
ただ、幸せでいてくれたらいい。
その相手にはなれないけど…
という気持ちだったとしたら、それは理解できる部分があります。
しかし、一度そう思ってしまったとすると、また気持ちが再燃する、というのもなかなか難しいことで、それならばラストシーンは情からくるものなのか??
いや、そうは見えない…
と、悶々と考えてしまっています。
桃さん、おはようございます。桃さんがこの時間でコメント入れるのは珍しいですね。
一先ず西崎についての議論は置いておきます。
で、私も意見の変化が発生しています。naoさんの言われた『杉下の安藤入室拒否行動』からです。杉下のNを考える際に使用したテクニックをここでも用いるべきでは?と考えています。具体的には『杉下の安藤の入室拒否行動』より前とそれ以降では成瀬の情報源が異なる事に気付きました。
それより前は、僅かな情報から得た成瀬の推論が成瀬の情報源です。
しかし『杉下の安藤入室拒否行動』以降は杉下の直接的行動が情報源になっています。
先の議論で気付いた事の内の一つに、『成瀬は杉下の自分へ向けた行動の真意を読み誤る』というものがあります。奨学金に対する杉下の感情を成瀬は読み誤った実績があります。これを同じ事を、『杉下の安藤入室拒否行動』以降でやってしまった。
こうして成瀬は杉下のN=安藤と読み違えた。こう考えると、私の中で、西崎に関する成瀬の判断と両立し得る可能性が出てきます。
手繋ぎの部分の障害についてですが、これは杉下へのポジティブな感情を伴わない形であれば、縁切宣言として成瀬が手をとる事は可能だろうと考えています。つまり嫌った、失望したという感情です。言葉で行うには環境が悪い。だから手を繋いだ。
桃さんが心配しているラストシーンへの成瀬の感情への影響ですが、こう考えてみたらどうでしょう?
桃さんが言われた通り、成瀬は高野との会話で自分の判断(杉下のN=安藤)が勘違いしていた可能性が濃厚である事に思い至った。西崎からの電話でそれは確実になった。判断自体が間違っていたのだからそれに依存する感情も霧消した。なぜ霧消するかは、やはり成瀬が杉下との永遠を信じたいと思っていたから。実際杉下に対して感情面でのわだかまりを抱えつつ、捜査機関に対して偽証している訳ですから。成瀬は西崎を保護対象として偽証できません。
西崎が成瀬を第一選択としなかった理由も、成瀬が感情面のみを表明し、具体的な理由を一切隠蔽するならば、西崎はそういう判断になる。それでも成瀬を出馬させるため、回りくどい、『もう一度』という表現になった…
西崎説を自分が捨てないのは、西崎説を捨ててしまうと、プロポーズシーンでの成瀬の『杉下の人生や』の行き場がなくなってしまうためです。
私的には随分とスッキリしてきたんですが、如何でしょう?
こんにちは、motoさん
本編の5月4日にアップされてた
『 成瀬が杉下に「杉下の人生や、杉下の好きにしたらええ」と言った理由』
を読み直しました。
motoさんの違和感(2つ)を私は感じてはいません。
まず一つ目の希美ちゃんが追い出された自宅に火をつけようとした時。
確かに成瀬くんは希美ちゃんから強引に有無を言わさず燃料を取り上げ放火を止めていますが、その後の「苦しいなら助けるけん。何してほしい?」「何もいらん」に、まだ高校生で何も出来ない自分の無力を噛み締めており、それと同時に私は希美ちゃんの所信表明演説の「一人で生きていく」の意思を尊重し、背中に手をやるのを必死で堪えた拳だったとと捉えてます。
二つ目のスカイローズガーデン事件も、確かに成瀬くんが 西崎さんの偽証に対して「全部偶然だって言えばいい」と希美ちゃんの有無を言わせていなかったですが、それは成瀬くんが成長した姿であり、その後の鍵の隠蔽依頼には希美ちゃんの意に沿ってます。
なので 成瀬くんの「杉下の人生や、杉下の好きにしたらええ」の言葉は、ずっと変わらない成瀬のまんま(成瀬くんらしい)言葉だなと思ってて、この言葉に違和感はなくココも私の感激ポイントです。
・・いつだって成瀬くん目線(笑)
スカスカ反論ですが、いかがでしょう。
↑呼び捨てしてしまいました(≧∇≦)
“成瀬くんのまんま”
です。
わざわざ訂正するまでもないですが、私のエゴです(笑)m(__)m
連投で、すみません。
安藤のエゴ、それに庇って他のN達を切り捨てた希美ちゃんのエゴ
motoさんの気持ち、分かるんです。冷静な判断力のある成瀬くん、もちろん聖人君子ではない成瀬くんがそんな希美ちゃんに手繋ぎ出来るのか・・?
世の中の善悪とか、人としての道理とか、それが希美ちゃんのエゴであっても、希美ちゃんの意に沿った・・それが「成瀬くん」なのではないでしょうか。
成瀬くんだって、父を庇う為に希美ちゃんを切り捨てた(正確には何も行動しなかった)り、父をそばで支えることなく島を出たり、一緒に住もうと誘う母を切り捨てたりした。その行為に成瀬くん自身も自分のエゴを感じ苦しんでた。人生には究極の選択をしないといけない事を知ってる。やるせなさも知っている。
希美ちゃんがその究極の選択をしたのなら、俺は黙ってそれに従うよの手繋ぎ。
さざなみで希美ちゃんは何も聞かずに俺を庇ってくれた、今度は俺の番には変わりないから。
あまり自信ないですが、いかがでしょう。
更に連投です。
もうひとつ、述べたかったコメントでした。
定番の解釈ですが、
希美ちゃんにとって安藤は子であり、母的感覚なんだと思います。
希美ちゃんが自発的に安藤に『頼る・委ねる・救いを求める』事があったでしょうか。
鳴り響く2種のベルのうち(内線の)成瀬くんに助けを求め、血液の付着したブランケットを成瀬くんが受けとるままに渡し、全てを成瀬くんに委ねてるのに…
安藤には「入んないで!」と入室阻止し、希美ちゃんの衣服についた血液を隠し、付かないようによけた…
希美ちゃんはN作戦もN作戦2も安藤を外して保護した。N作戦2が失敗し惨事になる中でも、安藤を土下座・入室阻止・鍵の隠蔽と常に保護する行為がとっていた。病気に対しても「安藤には元気な所だけ覚えていてほしい」と、どの行動も発言も全て『母』なんですよね。汚したくない光、護りたい光。『頼る・委ねる・救いを求める』感情はなかったと思います。
一方、成瀬くんには 『頼る・委ねる・救いを求める』
「一人で生きていく」と言いながら、心の奥底では常に救いを求めていたのではないでしょうか。
さざなみの偽証やスカイローズガーデンの偽証、10年後の高野さんの事件捜査で退職願と、必死で成瀬くんを護っており『護る・保護』の感情が見られ、それに加えて成瀬くんには 『頼る・委ねる・救いを求める』の感情が加わります。
なので、以前のnaoさん達の(終わった?)議論に今頃横入りですが、
そもそも安藤入室阻止行動は、勿論自分(希美ちゃん)と成瀬くんを知る人を増やしたくなかったもあるでしょうが、
汚したくない光、護りたい光・・
『安藤(≒子供)は来ないで、見ないで、余計な事喋らないで』汚したくない・・
という、そんな感情があの惨事の中で尋常ではない行動になったのだとみています。
では、成瀬くんにはそんな希美ちゃんの行動をどう思ったかは、
やはり『希美ちゃんのN=安藤』を誤解する材料の一つとなっただろうなと思ってます。
アフロ1さん、
過去記事まで遡ってフォロー頂き、ありがとうございました。
ご指摘の記事の疑問は、放送を見ての直ぐの感想です。ですので非常にプリミティブな印象ですね。
『なんで成瀬はプロポーズしといて、説得しない?だって杉下病気だよ?一人にしとけるの?』という感覚です。
この当時、まだ西崎がどうの、安藤がどうの、といった誰と勘違いした、とかそもそも杉下のN=成瀬、という謎解きを始めた以前の段階での、最初期における疑問だったんです。
アフロ1さんは成瀬に止まらず、安藤も西崎も、そして当然杉下もとっても好きなんですよね。安藤入室以降の解釈は、世間一般で流布している解釈に近いものですよね。決して否定しません(笑)。『杉下命!』の自分よりずっと健全です(命!という表現、理解できるのは私とアフロ1さんだけですよね?(笑)桃さんとnaoさんは多分しらない。)
私と桃さんは世間で流布している解釈が自分の個人的経験とある種の美意識が邪魔になって、それが自分のものにならないんです。だから自分の美意識に納まる形で納得したいが故にもがいているんです。naoさんももしかしたら、半歩こちら側かな?
成瀬の手繋ぎの解釈なんて、理屈・論理じゃないですよ。私が同じシチュエーションに置かれたとき、どう反応するだろう?というセンス以外ないですもん。このセンスの故に、杉下のN=安藤と成瀬の判断はないな、と思っていたし、対話のなかで『杉下が成瀬に嫌われたってストーリーならもっと面白い?』といったセンスで見解を転向しつつあります。
そんなんでいいんですよ。ただ頑なでなく、人の意見も一度受け止めて咀嚼しよう、という態度さえありさえすれば。それで自分はここはどうしても解らん!という部分はそれはそれで表明すればいいんです。そうすれば、同じ理解には届かないかもしれないけれど、それぞれの美しさに近づくきっかけになるでしょう?その美しさに近づくことがそれぞれのハッピーなんですから。
一つだけアフロ1さんの解釈で異論を述べさせていただくと、杉下のN=安藤と成瀬が取った場合、成瀬には杉下の行動は『究極の選択』には見えないと思います。
これは杉下が偽証を受け入れたと見えるタイミングとの兼ね合いですが、杉下は安藤の入室以前に偽証を受け入れたように見える。そうであるなら、杉下のN=安藤と取った成瀬には、事後的にですが、杉下が偽証を受け入れた=究極の選択は、自己保身に見えたはずです。その上で追加的に安藤の保護行動を取ったように見えるのでは無いでしょうか?
私は成瀬はそう取った、と見ています。
こんばんは。私も頑なではないですよ~(笑)。
でも、自分の気持ちにおさまるように、スカイローズガーデン事件で成瀬くんが希美ちゃんをどう思っていたかについて、書かせて下さいね。
結論から言いますと、私は成瀬くんは希美ちゃんを嫌ってはいないと思います。
「考察」ではなく、「気持ち」のレベルの判断になってしまってごめんなさい。でも、「今にも崩れ落ちそうな吊り橋を渡って」まで助けたい人、即ち命をかけて守りたいほど大切な人ならば、その全てを受け入れる覚悟をもっているのではないでしょうか?
たとえ、自分以外の人を想っているという事実を突きつけられたとしても。
相手が応えてくれないと恨んだり嫌ったりするならば、それは愛ではない。自己満足、または単なる独占欲です。
希美ちゃんの様子は、確かに成瀬くんには辛いものだった。自分が想う人が、別の人を好きだと思い込んでしまったのですから。
でも、成瀬くんは、あの夜明けのバルコニーからずっと希美ちゃんの生き方を受け入れ、尊重し、離れていても傍にいた。「杉下の人生や。生きたいように生きたらええ」と応援し・・。だからこそ希美ちゃんは、誰にも頼らんという言葉とは裏腹に、安藤にも伝わるほど「いつも心の中で」成瀬くんを支えに出来たのではないでしょうか?
だから、希美ちゃんが誰を好きであろうと、どんな判断をしようと嫌う気持ちは生まれず、ただ悲しかった。
その悲しみの中で、希美ちゃんの幸福のために身を引く決意をした。
手つなぎは、「幸せを祈っている」だと思いました。
また、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
相変わらず苦しい(笑)情勢ですが、
皆さんにお聞きしたいのですが、皆さんの説の時、西崎が杉下の病気について、安藤を第一選択とした理由はどうお考えでしょうか?
成瀬と西崎は服役中もコンタクトを取っていた。西崎は杉下を成瀬に託したものの、どうやら成瀬は杉下と接触していない…
西崎は当然成瀬を問い詰める。
西崎『なぜ杉下を守らない、杉下のNはお前だろう。安藤じゃない』
成瀬『…』
出所して西崎は杉下のことを調べる。安藤とは接触していない。
実際に会って感触も得た。安藤を頼る意思は全くない。
この状況で西崎は考える。誰に先ず当たるべきか?そして安藤を第一選択としてチョイスした。
西崎が安藤をチョイスした理由は間違いなく成瀬の答えにある筈なんです。もし成瀬の『…』が『杉下の気持ちは安藤にある。自分は身を引く』であったなら、西崎が杉下の状態を確認した時点で第一選択として成瀬を選ぶと思うんです『杉下は一人だ、お前の勘違いだ』と。
そうでなかったということは、成瀬は西崎に対して杉下に対する強い拒絶の意思を示していたから、と私には思えるんですよね。
だからこそ、西崎には事前には安藤以外の選択肢は浮かんでいなくて安藤を呼び出した。でも安藤の回答は西崎には不満だった。
そこで改めて102号室を見つめた時、再び成瀬、という選択肢を思いついた。杉下が頼ることができるのは成瀬のみ。成瀬に誤解だと諭せば、成瀬は再び杉下のために吊り橋を渡るかもしれない…『もう一度杉下を助けてやる気はないか?』
どうでしょう?
こんばんは。
moto様は、マリア様のことを恨んだり憎んだり、嫌ったりしたことはありますか??
私は、成瀬くんは、希美と永遠の別離を考えていた、と思っています。
それは、事件の時効とか、西崎さんの出所とか、そういう、何がしかの環境の変化で変わるものではなく、生涯会わない。という覚悟。
それしか、希美を守る術がない、と思っていた。
嫌いになってしまったのなら、いくら嫌いになる原因が誤解であったと気付いたとしても、10年も会わずに、連絡さえ取らずにいた相手を、また好きだ、と思えるでしょうか。
プロポーズするほどの愛情が、突然復活するでしょうか。
想い続けていた、というのでないならば、とっくに別の相手がいておかしくない年齢です。
私は、西崎さんが安藤に希美の病のことを話すか迷ったのは、希美の為ではなく、安藤の為ではないか、と思っています。
減刑の為に尽力してくれた、大切な友人。
事件に巻き込んでしまった、大切な友人。
好きな人の死に目すら知らず、想い続けるかもしれない安藤に、希美のことを教えたかった。
希美が成瀬くんを選ぶだろうことも、成瀬くんが希美をほっとけないことも、わかっていたからこそ、ふたりが接触するよりも前に、安藤と希美を接触させようと思ったのではないか、と。
拒絶されたら、それで安藤も踏ん切りがつくかもしれないですし、知らないままということほど哀しいことはないですから…。
しかし、何だってする…と答えた安藤を見て、安藤の為に、病のことを言わなかった。
安藤の答えが想像できたから、希美も、安藤には元気なとこだけ覚えていてほしい…
と言っていたのではないでしょうか。
高野さんが、成瀬くんに希美に連絡を取らせようとしたのと、同じような感覚に近いと感じました。
如何でしょうか。
こんばんは。西崎さんが安藤を第一選択とした理由です。
一つめは、安藤が希美ちゃんにプロポーズしたことを聞いたから。
安藤の気持ちは、まだ杉下にあったのか、彼なら杉下を明るい場所に連れていってくれるかもしれないと期待した。
もう一つは、希美ちゃんの(表面上の)気持ちを尊重しようとしたから。
西崎さんは、希美ちゃんの人生最後の願いが「成瀬くんがずっと幸せであること」と理解していたと思います。
西崎さんとの10年ぶりの再会の際に希美ちゃんが流した涙は、二度と会ってはいけない成瀬くんへの恋しさと、逆らえない運命への諦めが渾然一体となったものではないでしょうか?だから、その希美ちゃんの意向を無視して、成瀬くんを再び巻き込むことはためらわれた。
けれども102号室を見た時、「助けて、成瀬くん!」と泣いている希美ちゃんの本当の声、本当の願いが西崎さんの心に届いた。そして、希美ちゃんの幸福のために身を引いた成瀬くんなら、きっと迎えにきてくれると信じることが出来た。だから、吊り橋の向こうにいる成瀬くんに向かって、希美ちゃんの代わりにその名を呼んだのだと思います。
motoさん
『〇〇命』表現、『命ポーズ』どっちにも被っとる・・(≧∇≦)
そんで、友達と命ポーズで撮った写真、あったなぁ・・
ってまた、コラー!!!
「杉下の人生や」に対してmotoさんが何を述べてたか検索したんよ。そしたら5月まで遡ってしまって・・(笑)
それから…そうなんです。“成瀬くん命”(笑)の私ですが、N達みんな大大大好きなんですよね。希美ちゃんに人生くれた人達だもん。
画面を通して、N達が辛い目にあっとるのに頑張ってたのを私はずっとこの目で観てた・・(笑)
きっと私は、それぞれのN達を肯定したくて(そうゆう事であってほしいという)希望的解釈になってるんですよね。N達の愚かな所まで全て愛おしくさえ感じてしまってるから、こちらも歪んでるんよね(笑)
motoさんのおっしゃる『自分の美意識に納まる形』で解釈しようとしているのだと思います。私も様々な異なる解釈に触れる事で、更なる発見もあり、Nの世界が更に深く美しく感じとります。
『西崎さんが安藤を第一選択とした理由』桃さん意見、naoさん意見どちらも有り得そう。
面白い!私もゆっくり考えます。
おはようございます。
(自分の頭の整理の為)同じ事を述べますが…(^^;
結局、希美ちゃんは『希美ちゃんのN=成瀬くん』で、
成瀬くんの事だけを考えた・・と言いながら
偽証では西崎さんも救える
鍵の隠蔽では安藤も救える
事も念頭に入ってたのではないでしょうか。
ただ、だからといって、そんなとんでもない事は(救いたいと)思っても実行し出来ないままになるのが世の常ではありますが、そんな中希美ちゃんが迷いもなく決断できたのは、『成瀬くんを護る為』・・。あの時は成瀬くんだけを考えて“その決心”をしたんだよ・・とのモノローグだと思ってます。
さて『 西崎が杉下の病気について、安藤を第一選択とした理由』ですが、naoさん案の希美ちゃんの涙が切なく最後の西崎さんが代わりに吊橋の向こうからその名を呼んだなんて、涙が出そうになりました。
成瀬くんに気持ちがダダ漏れしてるのに、最後までひとりで気丈に生きようとする希美ちゃん。ただ私が西崎さんの立場なら、そんな希美ちゃんの涙をみたら、尚更その氷を溶かしたいと思う。一刻も早く成瀬くんに知らせねばと思う。
でも西崎さんは過去に奈央子さんの本心を履き違え作戦失敗し、みんなを不幸にしてしまった。今回は慎重に、まず安藤にも会ってから・・。だったのだと思います。
そして、やはり成瀬くんなんだ。成瀬くんで間違いない!!と、思い至ったのではないでしょうか。
『桃さん案naoさん案+アルファ』版です(笑)
桃さんへ
私のマリア様への感情を手短に話すのは困難です。それをこの話と整合するように整理してお話しすることは出来ません。申し訳ない。
相手を思いやる故に永遠の別れをする者の中でその相手が永遠となるでしょうか?
桃さんの説の場合、成瀬の意思と行動は一致しています。その場合杉下は成瀬の中で永遠とはならないと思います。
相手が永遠となるのは、自分の感情と異なる現実がある故と思うのです。
杉下の場合は、さざなみという外的な事情から自らの感情とは異なる行動を取ったが故に成瀬が杉下の中で永遠になりました。
ですが桃さん説ですと、成瀬は杉下の意思を尊重して、つまり自ら納得して杉下から離れた事になります。この時成瀬の中で杉下は永遠にはならないのでは?
永遠になってない存在に対して十年後にいきなりプロポーズ出来るか?という桃さんの問いがそのまま桃さん説にも当てはまるように私には思えるんです。
一方、杉下の行動を見て、嫌悪した・不審に思った、という立場を取る場合、ベースとして成瀬が杉下を愛していた、とするなら、自らの感情のベースが上記の感情に歪められた心理が発生しますので、それ故杉下が成瀬の中で永遠になりえる。その制約(誤解)さえ取れれば、一気に元の感情が復元するのでは?と思っています。
実はそう思う心当たりがあります。
以前、マリア様について『今目の前にいたら、まともでいられる自信がない』と書いた事があります。このまともでない、というのは、ある種自分でも恐怖なのです。つまり私自身がひょっとして杉下の父と同じ行動を起こしてしまうかも?、という恐れを一部抱いているんです。
ですので、言葉でうまく説明出来ませんが、桃さん説より、嫌った・不信感を持った、とする方が、10年後に感情を復活させる理屈として私にはスッと理解出来るんですね。
安藤に西崎が杉下の病を話さなかった理由、桃さんがそのように取られているとは以外でした。そこはおおむね公式で言われていた論ですね。
でもそれは私は論理的におかしいと思っているんです。西崎は「もとの生活には戻れないかもしれない」と言っている。それでもどうか?と問うている。それなのに「なんでもする」と答える安藤を思いやって、安藤に話さない、というのは自らの質問趣旨を無にしていると思うのです。
そう考えると、西崎には安藤の回答が不満だったと考えた方がすんなり来ます。
つまり安藤の答えそのものが西崎のセンスに合わなかったんです。
安藤の回答は深読みすれば「今にもくずれそうなつり橋を渡る可能性は否定しないけど、原則渡らない方法を考える」と言っている事と等価です。つまり彼は基本的に奇跡を信じてないんです。
杉下はこの時キルケゴールのいう『悪魔的絶望』状態です。杉下自信が自らが救われる奇跡を信じていない。その杉下を救い出す方が奇跡を信じなければ、杉下はそこから救われるはずがない。
ですが成瀬はかつて「呼ばれれば渡る」と言っています。つまり成瀬の回答は『必要があればいつでも奇跡を信じて渡る』という宣言なんです。
一見すると成瀬の方が弱く見えます。ですが殊奇跡に対する態度としては、安藤の回答は腰が引けている、という評価になると思います。
ですから、この二人の回答の違いは二人の人生観の違いを表わしていて、非常に面白いと感じるんです。
naoさん、
西崎が杉下の代わりに成瀬に助けを求めた!という解釈、美しいです!全面賛成!
でも安藤を第一選択とした理由については…(申し訳ない!)
この時の西崎の行動目的は、周囲からの助けも拒絶して独り死に向かおうとする、悪魔的絶望下にある杉下を救い出す事ですよね?『人生最後の願い』なんていう状態の杉下を救い出す事。そんな彼女の表面的願いなど無視して、心の奥底にある感情を救ってやる事こそ、西崎の行動意図だと想うんです。そうであるなら、彼女の表面的願いが西崎が接触する順番に影響を与えた、とは思えないのです。
安藤に対するテストと成瀬に対するテスト手では内容が異なります。安藤には『奇跡』に対する態度と行動への覚悟をテストした。成瀬に対するテストは、成瀬の意思なんです。
安藤の答えは、奇跡に対する腹積りで西崎には不満だった。
成瀬に対しては奇跡に対する態度と行動への覚悟のテストは不要だったからこそ、彼の意思だけテストした。
西崎に成瀬の意思への疑問が無いならば、安藤をテストする必要は無い。という事は西崎には成瀬の意思に疑問を持たざるを得ない情報が予めあったという事になる。
ではそれはなんだろう、と考えると、それは成瀬の杉下に対するネガティブな感情だろう、という推測になる。しかもその理由を成瀬は西崎に明かしていないんですね。
もし成瀬がその理由を明かしていれば、安藤と会い、杉下とあった時点で西崎は成瀬に対して、それは誤解だ、と説得できる。安藤が出る幕は無い。
西崎とすれば成瀬が非常に頑なで且つ何を材料に彼を説得すればいいのか見当がつかない。この状況に引っ張り出せる自信がない。だからまず安藤に接触した。安藤が自分が納得できる答えを返すなら、安藤に杉下を委ねよう。
でも安藤の答えは西崎には失格だった。残された手段は成瀬のみ。何が成瀬を動かせるのか判らないまま、とにかく西崎に話せる情報を全て明かして、成瀬を説得しよう。
これが西崎の置かれた状況だと想うんです。
そしてこの類推を補強する証拠が有ります。西崎の前を車が通過して何を言ったのか隠しています。
杉下が病気だ、という事はすでに明かされています。であれば、このドラマのミステリーに関わる話をするからこその演出です。では、制作側が視聴者に隠したい事とは?杉下のN=成瀬である事と、成瀬が杉下を嫌った事だと思います。ただ単に誤解、だけでは視聴者もそう取っているから隠す必要がない。
西崎の優先順位の設定と、西崎と成瀬の会話を隠す演出を合理的に説明しようとすると、以上のような推論になるのですが、如何でしょう?
アフロ1さん、
もしその時、安藤が『橋を渡る』と答えてたとしたら、西崎は安藤に杉下の病気を話したでしょうか?
どう思われます?
こんにちは!
「彼女の表面的な願いなど無視して、心の奥底にある感情を救ってやる事こそ、西崎の行動意思」納得です。
アフロ1さんも「私が西崎さんの立場なら、そんな希美ちゃんの涙をみたら、尚更その氷を溶かしたいと思う。一刻も早く成瀬くんに知らせねばと思う」とコメントを下さいましたね。
確かにそうですね!二人の仲なら、お互いの真の幸せのために、迷うことなく行動したはずですね。
温かい解釈に気づかせて下さって、ありがとうございます!
「安藤が希美ちゃんにプロポーズしたことを聞いたから」という理由の方は、いかがでしょうか?
出所した西崎さんを安藤が訪ねた日、西崎さんは「おれは誰とも関わる気はない。君ともだ!」と言い放ちます。
この時、希美ちゃん宛ての現金書留が置いてあることから、西崎さんが既に希美ちゃんの病気を知っていると言えます。けれども、安藤に伝えない。(安藤は封筒を見ていながら何も聞かないし、西崎さんも安藤が見てしまったことに気づいてもノーコメントですね)
しかし、その後、今度は西崎さんの方から安藤を呼び出し、吊り橋の質問をする。
この間、西崎さんに心境の変化をもたらしたものとして考えられるのは、安藤のプロポーズだけではないでしょうか?そうであるならば、10年間の安藤の想いに賭けてみる気になったと言えると思うのです。
また、西崎さんが成瀬くんに電話した際の描写ですが、「相変わらず回りくどいですね」「実は杉下は・・・(車の音)」なので、ここで初めて成瀬くんに希美ちゃんの病気が明かされたのではないでしょうか?
そして、私はやはり、成瀬くんは希美ちゃんを嫌ってはいなかったと思います。それは、成瀬くんはいずれ希美ちゃんに会うつもりだったと感じているからです。
「成瀬くんなら、どんなことだって出来るよ」
さざなみの火事の夜、希美ちゃんが成瀬くんに伝えた言葉。
成瀬くんは、この言葉を支えにシェフとして修行を積み、店を任せられるほど成長したのではないでしょうか?あっという間に感じられるほど真剣に。
この言葉について、結婚式の後の四阿では
「後から、あの言葉に救われた」
「これからは、杉下が言ってくれたこと裏切らんように何とかやっていく」
高野さんには
「おれが暗いほう向かんように、そう言うてくれた」
「杉下は、おれを守ってくれた」
と言っています。好きな人の励ましの言葉だからこそ、生きる支えにできた。詐欺の闇から救い上げてくれた時のように・・。
原作の「小さいながらも店を持ち、十年ぶりに彼女を食事に招待することができそうだというのに」に引っぱられているのかもしれません。けれども、10年経た後でもプロポーズ出来たのは、希美ちゃんを想い続けてきたからこそ。言い換えれば、成瀬くんの空白の10年は、「どうしたら杉下に胸はって会えるか考え」行動した年月だと思うのです。
希美ちゃんの病気を知った時、よい病院を探したり治療費の援助をしたりするのではなく、「ただ、一緒におらん」と自分を差し出したのは、その証であると思えるのです。
本当に長文になってしまいました。お時間をいただき、申し訳ありません。
naoさん、
西崎が杉下の病を伝えようとした選択順への、安藤のプロポーズの影響についてです。
書いた後から先日の内容とかぶっとる!と思ったものの、勢いのままコメント入れます。
西崎は杉下のN=成瀬ととっていた。服役中、成瀬は西崎と接触を取り続けた。当然杉下に関するやり取りも行われる。成瀬がどのように答えたかは不明ですが最低限、成瀬が杉下と接触を絶っていることを西崎が認識したのは間違いない。そしてそれが成瀬の何かの勘違いであると判断できる。
もし、西崎が成瀬が杉下と接触を絶ったのが、彼が自分以外の誰かに杉下の気持ちがあり、その為に成瀬は身を引いた、と取った場合を考えます。対象は西崎か安藤です。ですがこの場合杉下と西崎が会った時点で全ての材料が出揃います。
杉下は西崎の援助を受ける意思はない。
杉下は安藤のプロポーズを受ける意思がない。頼る意思もない。
そうであれば、この材料を持って西崎は成瀬を説得に当たる事が出来るはずです。しかし実際には西崎は安藤を最初テストした。
つまり西崎は成瀬が杉下の気持ちを誤解して身を引いたとは取っていなかった。
すると、成瀬の杉下への感情=嫌悪が成瀬が杉下と接触を絶った理由と西崎が判断していたことになります。
仮に杉下が安藤を庇った事を成瀬が嫌悪したと西崎に話していたら?
この場合も、杉下が安藤を頼る意思がない事を持って、成瀬の誤解を解く説得が出来るはずです。わざわざ先に安藤をテストする必要はない。
つまり、西崎は成瀬が杉下自身に対する蟠りから杉下と接触を絶ったと判断しつつ、その理由を成瀬が全く明かさない為、何が成瀬を説得できる材料なのかが解らなかった。その為、成瀬を動かせる自信が無かった。ですから成瀬に杉下の事を話すのを躊躇った。
西崎は出所後直ぐ成瀬に連絡しています。ここで成瀬に改めて杉下との接触を確認したのでしょう。そして予想通り杉下と接触を取っていない事を確認した。恐らく西崎は服役中から、杉下のN=成瀬だ、だから杉下と接触しろ、といい続けていたはずです。ですが成瀬は杉下との接触を拒み続けた。この時点で西崎は杉下と成瀬を再び引き合わせる事を一度断念したんだと思います。
その状況で杉下が病で余命宣告を受けている。絶望の淵にいる。安藤は杉下の事は知らないが、プロポーズしたらしい。杉下はそれを断ったが、安藤に杉下の病の事を話せばかれは間違いなく動く。そうであれば、動くかどうか判断できない成瀬より、動くことが確実な安藤に賭けてみてもいいかもしれない…というのが西崎の接触順における判断であったろうと思われます。
相手に自分以外の想う人がいて、その人と共に在ることこそが、相手にとっての幸せだと思い、身を引く。
(希美に自分(成瀬くん)以外の想う人(安藤)がいて、安藤と共に在ることこそが、希美にとっての幸せだと思い、身を引く)
この場合、希美に対して負の感情は芽生えないと思います。
大事であるが故に、身を引く。
かつて、希美が成瀬くんを遠ざけたのと同じです。
幸せにしてくれてたらえぇ…
西崎さんのNは、唯一あの4人の中にはいません。
西崎さんのN=希美、ではないので、私は西崎さんの行動は、希美のことだけを思ってのことだとは思っていません。
自分のエゴで、悲しい事件に巻き込んでしまった3人の為に、何ができるか、考え続けていたと思います。
一度負の感情を抱いてしまった相手に対して、やはりその原因が解消されたからといって、すぐさま、感情が復元されるとは思えないのです。
成瀬くんの中で希美は永遠になったのではなく、nao様言われるように、今まさに進行形で想い続ける相手だったと思います。
想い続けていたからこそ、10年という時を経て尚、色褪せない存在だった。
だから、躊躇いなくプロポーズできた。
10年連絡さえ取らず、会ってもいない、嫌いになった相手に、余命を知ったからといって、いきなりプロポーズ…は、ちょっと現実的ではないと思います。
それに、前述したとおり、負の感情を抱いたのであれば、次の恋をして幸せになっていたかもしれません。
実際、安藤は何度か付き合った、でも誰とも結婚したいと思わなかった、と言っています。
西崎さんは、安藤のことも大切な友人だと思っていたし、自分の為にしてくれたことにも感謝していた。
プロポーズを断ったことを聞いて、希美の病のことも知らず、知らないうちにこの世から希美がいなくなった後の安藤の気持ちを思うと、たまらなかったのではないかと思います。
元の生活に戻れないかもしれない
なんだってする
この言葉を聞いて、希美の願いとは真逆だと感じたのではないかと思います。
また、成瀬くんが希美に対して、負の感情を抱いたのであれば、余命を知って連絡することはあり得るかもしれませんが、高野さんとの会話から希美に連絡するとは、ちょっと思えません。
希美の幸せだけを願い、幸せだと思っていたからこそ、姿を消したのに、そうではなかった。
たったひとりで、10年を生きてきて、死にゆく時までたったひとりだなんて。
そう思ったからこそ、まさにnao様の表現された言葉がストンと胸に落ちました。
治療費の援助でも、癌の権威を探すでもなく、ただ最期までそばにいることを。
最期の最期まで、ひとりじゃないんだよ、と。
誰にも頼らん
あの演説通り、ずっとひとりで生きてきた希美を、最期にひとりにしないこと。
希美を想い続けた成瀬くんだからこそ、希美の真の願いを汲み取れた言葉だったと思います。
自分の手で幸せにしてあげたい。
だけど、愛する人が本当に幸せなら、その相手は自分じゃなくてもいい。
ただ、幸せにしてくれてたらいい。
そこまで想えた相手なら。
ずっと心に居続けると思います。
えーと、いろいろレスするべき事がありつつですが、
だいぶ長くなったので、ここらで次の稿に移動しようと思います。
携帯でのRomさんも多いので、あんまり長すぎるのも送りが大変、という配慮です。
同名のその4を立てましたので、移動しましょう!
続きはそちらで!
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