2015年9月7日月曜日

杉下の『安藤、待って!』と『助けて、成瀬くん!』

この話題は実は成瀬は杉下のN=安藤と誤解した?を巡る議論の中でコメントを頂いてるnaoさんからの問題提起、『成瀬には杉下の安藤入室阻止行動がどのように見えていたか?』から始まり、そこに桃さんも加わった議論で得た成果です。お二人に感謝!

杉下のN=成瀬という認識下で、成瀬を守る為の行動として杉下の安藤入室阻止行動がどのような意図であるのかがさっぱり見当が付かなかったんですが、naoさん、桃さんの説明で理解出来ました。
『成瀬を護りたい杉下にとって、成瀬と自分の関係を知る者を増やしたくない』という心理です。
この心理は彼女の行動特性から来ています。杉下には『都合が悪い事は咄嗟に他人に隠す』という特徴があります。

四阿で成瀬に対して母親の発作を高野に言わ無いでほしい、と頼むシーン。
さざなみ放火で成瀬が高野に詰め寄られる場面で咄嗟についた嘘『四阿で成瀬に奨学金の申請書を渡した』
そして安藤の入室阻止行動

いづれもが『都合が悪い事は咄嗟に他人に隠す』特性の発露です。

そう考えると、成瀬には『助けて!』と言い、安藤には『入らないで!』という、杉下の二人に対する心理的距離の対比が非常に面白いですね。
杉下にとっては、成瀬は『中の人』であり、安藤は『外の人』だという事が如実に表れている。この心理は作戦の参加者かどうかに関係無い。危機に際して杉下が誰を頼るのか?というまさに安藤が知りたかった事そのものの発露なんですね。
杉下は成瀬の入室直後、その背中に『成瀬くん、ごめん』とつぶやいています。杉下も成瀬は本質的に巻き込んではいけない存在だとこの時点で判っていてる。それでも切羽詰まった時に助けを求めざるを得ない、そしてそれができるのが唯一成瀬なんだ、という事が端的に表されているのが、この二人に対する対応の描写なんですね。

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