私が杉下のN=安藤を取らない理由のシリーズ第五段。これが最後になります。
安藤と杉下の名前、『のぞみ』に関する考察です。
実はこれ、ネタ募集でnao様から頂いたものです。あまりこの論考では、こういった方面からのアプローチをして来なかったのでnao様、有難うございます!
まず名前の同一性からです。本当は原作まで遡るべきかもしれませんが、謎解きという観点から行くと原作を持ち込むと間違えるので、やめておきます。あくまでドラマ内という事で。
これは、成瀬に対しては杉下と同じ『のぞみ』という名前から、女性と誤認させる伏線という理解になります。では成瀬にとってもう一人の『のぞみ』を女性と誤認させる事にドラマとしてどのような意味があるか。
もしもうひとりの『のぞみ』が男だと成瀬が2回目の杉下の部屋での作戦会議に判っていたら?
日時はクリスマスイブ、状況はハイソ夫妻の自宅での食事会へ若い男女がゲストで招かれる。その男女は同じアパートで学生時代を過ごした…
普通のセンスであれば、その男女をカップルと取ります。成瀬は杉下の気持ちが安藤にあるのか西崎にあるのか、疑念を持つでしょう。成瀬が杉下に安藤との関係を問うたら?杉下は親しい友人と答えるでしょう。でも成瀬はもう一つ聞かざるを得ない。では西崎に協力するのはなぜ?と。
これを杉下に成瀬が問うたら?ミステリーの崩壊です。杉下の西崎への感情を問うような描写は厳禁です。
ですが、成瀬が安藤を男と認識したのち、杉下がレストランを訪れています。その際、なんで問わなかったのか?という反論があるでしょう。その時、聞けるじゃないか、と。
この時の問題は、安藤が男とである、という事とその安藤がプロポーズしようとしている、という事を同時に知ったという部分がポイントです。この状況で成瀬としては自身が安藤に習いプロポーズするべきか悩んでいる状況です。その状況で杉下の気持ちが誰にあるのか?を問えないでしょう。またドラマの演出としては成瀬の安藤に対するライバル心をうかがわせる心理描写と、それへの杉下の反応を見せる、という部分に意味があった。だからシャルティエヒロタであった時は、成瀬は問えない。
つまり、ミステリーとしてみた時、成瀬にはもうひとりの『のぞみ』は女である、と誤認していて貰う必要があった。そのために安藤の名前は『のぞみ』である必要性があった、というのがドラマ全体での位置付けになります。
続く…