杉下の『究極の愛』は罪の共有であり、これ自体はさざなみの事件処理を契機に杉下に形成されたものです。
一方、彼女の独立心は実はその起源はお城放火未遂の際の『何もいらん』です。この時杉下は自分を救ってくれる存在が成瀬である事を自覚しながら、一方で成瀬が自分のためなら、簡単に崩れそうな吊橋を渡ってしまうのを観た。自分を救う=成瀬が危険を冒す様を見てしまった。だから成瀬を巻き込む事を恐れた杉下は成瀬を遠ざける=『何もいらん』を言わざるを得なくなった。自分を救ってくれると確信した存在を、その存在を護る手段として遠ざけざるを得ないという強烈なジレンマを抱えた。それが翌日のさざなみの火事で成瀬が本当にやった!と誤解した。『大事な場所』に対する同じ感情を共有していた杉下はその導火線は自身のお城放火未遂だという強い後悔=罪を抱え込んでしまったんです。ですから、『何もいらん』がさざなみで『成瀬に対する罪』プラス『成瀬に頼ってはいけない』になり、『成瀬に頼ってはいけない』が『誰にも頼れない』が形成されたた訳です。ですから、彼女の独立心は人を頼る事に対する罪意識及び驚怖なんです。
ですから、以後の杉下の独立心はバルコニーでの『誰にも頼らん』宣言が起源ではなく、この『誰にも頼れん』が起源であり、『究極の愛』とセットなんですね。
で、実は『究極の愛=罪の共有』は杉下の『成瀬に対する罪』を杉下自身から隠蔽するためのものだったと、今は取っています。
頼れる存在に対する、頼る事に対する罪意識。なら、会わなければいい。会わなければ頼る事もないし罪意識を感じる事もない…
こんな強烈なジレンマと自身の後悔及び罪意識から彼女の精神を保護するために『究極の愛=罪の共有』でオブラートしたものなんです。
2015年11月1日日曜日
2015年10月25日日曜日
杉下の特徴と成瀬の関係性 その二
…続き
最後は『トラウマ』です。
杉下は成瀬のさざなみの真相の暴露に火で両親と父親の愛人が消えた、と成瀬に告げています。これはつまり彼らに連なるトラウマが火をつけたと思った成瀬に還元されていた、それらは成瀬を通じての関係であったとという事です。
実際に安藤のサプライズあるゴンドラの経験から杉下は『冷蔵庫』のトラウマから解放されました。
ゴンドラの経験で実現したのは、『水平線を見たい』(※元は“まっすぐな水平線”だったものが“高いところから見る水平線”に変質している)という野望です。これで杉下の全ての野望が実現した。この経験が冷蔵庫のトラウマを解消したという事は杉下の中では野望とトラウマがリンクしていて、その野望は成瀬に還元されているわけですから、実は杉下のトラウマも成瀬に対して還元されている事が判るのです。
トラウマが成瀬に対して還元されている例がもう一つあります。
早苗が野ばら荘を訪ねた際の杉下の反応です。この時杉下は最大のトラウマである母親の出現に『誰にも頼らず生きたい』といい、西崎の問いに『助けて、って思った人はいる。でも言えなくて』と答えています。つまりトラウマと『成瀬に助けて!といってはいけない(禁止)』がリンクしているんですね。
このように、杉下を特徴付けている『野望』、『誰にも頼らん!(頼れない)』および『トラウマ』は実は全て成瀬に対して還元されているんです。ですから彼女の行動意図及び判断、心理は全て成瀬に対する彼女の感情の影響を受けている、と考える必要があるんです。
参照先
杉下の野望の本質
杉下の『何もいらん!』の意味
島での出来事の還元先としての成瀬
ゴンドラで杉下が解放されたもの
fin
最後は『トラウマ』です。
杉下は成瀬のさざなみの真相の暴露に火で両親と父親の愛人が消えた、と成瀬に告げています。これはつまり彼らに連なるトラウマが火をつけたと思った成瀬に還元されていた、それらは成瀬を通じての関係であったとという事です。
実際に安藤のサプライズあるゴンドラの経験から杉下は『冷蔵庫』のトラウマから解放されました。
ゴンドラの経験で実現したのは、『水平線を見たい』(※元は“まっすぐな水平線”だったものが“高いところから見る水平線”に変質している)という野望です。これで杉下の全ての野望が実現した。この経験が冷蔵庫のトラウマを解消したという事は杉下の中では野望とトラウマがリンクしていて、その野望は成瀬に還元されているわけですから、実は杉下のトラウマも成瀬に対して還元されている事が判るのです。
トラウマが成瀬に対して還元されている例がもう一つあります。
早苗が野ばら荘を訪ねた際の杉下の反応です。この時杉下は最大のトラウマである母親の出現に『誰にも頼らず生きたい』といい、西崎の問いに『助けて、って思った人はいる。でも言えなくて』と答えています。つまりトラウマと『成瀬に助けて!といってはいけない(禁止)』がリンクしているんですね。
このように、杉下を特徴付けている『野望』、『誰にも頼らん!(頼れない)』および『トラウマ』は実は全て成瀬に対して還元されているんです。ですから彼女の行動意図及び判断、心理は全て成瀬に対する彼女の感情の影響を受けている、と考える必要があるんです。
参照先
杉下の野望の本質
杉下の『何もいらん!』の意味
島での出来事の還元先としての成瀬
ゴンドラで杉下が解放されたもの
fin
2015年10月24日土曜日
杉下の特徴と成瀬の関係性 その一
杉下にとっての成瀬とはいかなる存在であったのか?
これを改めて考えてみたいと思います。
杉下を特徴づけているのは『野望』に象徴される上昇志向、『誰にも頼らん』の独立心、そして冷蔵庫とドレッサーを代表とする『トラウマ』です。これらと成瀬がどのような関係にあるか考えます。
これらは全て両親及び父親の愛人との関係性から生じたものですが、実は全て成瀬に対して還元されているのです。
先ず『野望』からです。
杉下の野望の本質は高校生として出来る現実的対応以上のものを必要とされた反動、空想上の逃避先です。ですから本来島を脱出した時点で用無しになるはずのものだった。しかしそれ以降も彼女が野望実現に邁進したのは、バルコニーでの初心表明、Nチケットおよび頑張れエールでそれが成瀬との約束になったからです。つまり杉下にとって野望の実現は逢いたくても逢えない成瀬と自分との繋がりの確認行為だったのです。こうして野望は成瀬に対して還元されているのです。
次は『誰にも頼らん』です。
これは実は島での境遇から発生したものですが、実は成瀬に対する感情にすり替わっています。杉下が母親の妄動に切羽詰ってお城放火をしようとしました。それを成瀬が止め、代理放火しようとした。その際の成瀬の『俺に何が出来る?』に対する返答『なんもいらん!』がその後の彼女の独立心の根源なのです。
その翌日のさざなみ炎上とも関係するのですが、杉下はこの一連をみて、成瀬が自分との関係において、いとも容易く『今にも崩れそうな吊橋』を渡ってしまうのを見て、自身の救世主たる成瀬に対してさえ『頼ってはいけない』が刷り込まれたんです。ですから彼女の独立心は元の『誰にも頼らん(意思)』がこれ以後『誰にも頼れん(禁止)』になってしまった。こうして彼女の独立心は成瀬に対して還元されているんです。
続く…
これを改めて考えてみたいと思います。
杉下を特徴づけているのは『野望』に象徴される上昇志向、『誰にも頼らん』の独立心、そして冷蔵庫とドレッサーを代表とする『トラウマ』です。これらと成瀬がどのような関係にあるか考えます。
これらは全て両親及び父親の愛人との関係性から生じたものですが、実は全て成瀬に対して還元されているのです。
先ず『野望』からです。
杉下の野望の本質は高校生として出来る現実的対応以上のものを必要とされた反動、空想上の逃避先です。ですから本来島を脱出した時点で用無しになるはずのものだった。しかしそれ以降も彼女が野望実現に邁進したのは、バルコニーでの初心表明、Nチケットおよび頑張れエールでそれが成瀬との約束になったからです。つまり杉下にとって野望の実現は逢いたくても逢えない成瀬と自分との繋がりの確認行為だったのです。こうして野望は成瀬に対して還元されているのです。
次は『誰にも頼らん』です。
これは実は島での境遇から発生したものですが、実は成瀬に対する感情にすり替わっています。杉下が母親の妄動に切羽詰ってお城放火をしようとしました。それを成瀬が止め、代理放火しようとした。その際の成瀬の『俺に何が出来る?』に対する返答『なんもいらん!』がその後の彼女の独立心の根源なのです。
その翌日のさざなみ炎上とも関係するのですが、杉下はこの一連をみて、成瀬が自分との関係において、いとも容易く『今にも崩れそうな吊橋』を渡ってしまうのを見て、自身の救世主たる成瀬に対してさえ『頼ってはいけない』が刷り込まれたんです。ですから彼女の独立心は元の『誰にも頼らん(意思)』がこれ以後『誰にも頼れん(禁止)』になってしまった。こうして彼女の独立心は成瀬に対して還元されているんです。
続く…
2015年10月14日水曜日
杉下の『何もいらん!』の意味
お城放火未遂の際の、成瀬の『何が出来る?』に対する杉下の『何もいらん!』
この杉下のセリフ、みなさんはどのように取られたでしょう?
一つの取り方として、杉下の独立心の発露という見方がありますが、私はそうとっていません。
これは彼女の独立心の発露でなく、自分のお城焼くという衝動に成瀬が躊躇なく代理放火をしようとした行為を見て、自分の衝動を成瀬にぶつけたら、成瀬が何をするか知れない、巻き込んではならない、頼ってはいけない、甘えてはならない、という抑制が働いた為です。
教室で成瀬にシャーペンで助けを求めたにも関わらず、それを口に出来なかったのも、自身のどす黒い衝動に成瀬を巻き込み兼ねない事に躊躇したから。
彼女の『だれにも頼らん!』は、母親に対する反発から形成されたものではありつつ、成瀬のお城放火未遂に対する反応から、自らが頼る事に対する、相手の反応(巻き込み)への怖れから来ている、という理解です。
このときの杉下の経験はかなり複雑ですよね。
この経験で、杉下は成瀬が自分の危機において自分を救い出してくれる救世主である事を痛感したにも関わらず、成瀬がいとも簡単に崩れそうな吊橋を渡ってしまう、それゆえ成瀬を頼る事が憚られるという二律背反、ジレンマを抱え込んでしまった。このジレンマを解消するには杉下は『だれにも頼らん!』を張らざるを得なくなった。自分が救世主だと思っている相手にさえ頼る事が出来ない以上、だれも頼れないのは理屈です。
このジレンマが後の『成瀬くん、ごめん』であり『甘えられん』に繋がっているととっています。
このあたりも、成瀬に対するトラウマを親に対するトラウマの如くカモフラージュするすり替え演出がされているのかな?と感じる部分です。
参照
杉下の『成瀬くん、ごめん』と『甘えられん』
成瀬は杉下の救世主
この杉下のセリフ、みなさんはどのように取られたでしょう?
一つの取り方として、杉下の独立心の発露という見方がありますが、私はそうとっていません。
これは彼女の独立心の発露でなく、自分のお城焼くという衝動に成瀬が躊躇なく代理放火をしようとした行為を見て、自分の衝動を成瀬にぶつけたら、成瀬が何をするか知れない、巻き込んではならない、頼ってはいけない、甘えてはならない、という抑制が働いた為です。
教室で成瀬にシャーペンで助けを求めたにも関わらず、それを口に出来なかったのも、自身のどす黒い衝動に成瀬を巻き込み兼ねない事に躊躇したから。
彼女の『だれにも頼らん!』は、母親に対する反発から形成されたものではありつつ、成瀬のお城放火未遂に対する反応から、自らが頼る事に対する、相手の反応(巻き込み)への怖れから来ている、という理解です。
このときの杉下の経験はかなり複雑ですよね。
この経験で、杉下は成瀬が自分の危機において自分を救い出してくれる救世主である事を痛感したにも関わらず、成瀬がいとも簡単に崩れそうな吊橋を渡ってしまう、それゆえ成瀬を頼る事が憚られるという二律背反、ジレンマを抱え込んでしまった。このジレンマを解消するには杉下は『だれにも頼らん!』を張らざるを得なくなった。自分が救世主だと思っている相手にさえ頼る事が出来ない以上、だれも頼れないのは理屈です。
このジレンマが後の『成瀬くん、ごめん』であり『甘えられん』に繋がっているととっています。
このあたりも、成瀬に対するトラウマを親に対するトラウマの如くカモフラージュするすり替え演出がされているのかな?と感じる部分です。
参照
杉下の『成瀬くん、ごめん』と『甘えられん』
成瀬は杉下の救世主
登録:
投稿 (Atom)