今日は杉下は、事件当時安藤が外鍵をかけた理由を認識し得たか、という部分について考えます。
先の『杉下は何故救急への通報を打ち切ったのか』の投稿で検討した通り、杉下は救急への通報を中断した時点では安藤が外鍵をかけた事は認識出来ても、その理由までは理解出来ていません。
安藤が外鍵をかけた理由を認識しうるとすると、以下の場面に限られます。
安藤が部屋に入ってきた後、西崎が「逃げられなかった」と安藤に告げた時。
以下は杉下のモノローグで
西崎は安藤に「逃げられなかった」と言った。
安藤と西崎は鉢合わせたんだ。
二人でどのような会話を?それは判らない。でもその鉢合わせが安藤が外鍵をかけたきっかけだ。
西崎と会ったことで安藤は鍵を掛けた。その目的は西崎を野口宅から出さない為。安藤は奈央子がDVを受けていることは知っている。そうすると西崎を野口宅から出さないのは奈央子の不倫相手が西崎であると安藤が理解したから。
今日の食事会はシャルティヒロタ。そのシャルティヒロタで成瀬が働いていることを安藤は知っている。三人が合っている事も安藤は知っている。安藤は私と成瀬が付き合っているかを気にしていた。
もし安藤が成瀬が食事会の給仕としてくる、と感づいたとしたら?
でもそれで何故鍵をかけて閉じ込める必要がある?
閉じ込めたらなにがしか西崎と野口の間で事が起こることは想像できるだろう。
事を起こしたかった?なんのために?閉じ込められた私たちがやろうとする事とは?外部との連絡!
その状況で、誰を頼ろうとするかを測ろうとしたのか!
西崎は野口ともめているだろうことは予測できるはず。西崎は安藤に連絡は取れない。だから、安藤は私が成瀬と安藤のどちらを頼るかを知ろうとしたんだ!成瀬に対する嫉妬!
2 件のコメント:
そうなんですよね、杉下には事件直後に認識可能なのはここまでなんです。
彼女は安藤がプロポーズしようとしている、という情報が欠落しているが故に、単なる嫉妬という形までの認識しかし得ないんです。
もしこの時点で彼がプロポーズする意向を持っていることを認識出来ていれば、もしかしたら事件後の安藤に対する態度は変わったかもしれません。
いま改めてこの部分を考えても、やはり大きな差は無いんですよね。
やはり嫉妬というのが主として認識出来うる点だと思うんです。
あと、これは最近気づいた点ですが、杉下と西崎はこのN作戦2の実施を決めた時点で安藤との関係を終了させる覚悟であったという部分です。安藤の直属上司の妻を横恋慕しようというのが作戦の本質ですから、当然安藤と杉下・西崎の関係が従来のままであるはずがなく、当然関係を切る事が前提であったわけです。
そうすると、安藤が奈央子の救出作戦が杉下・西崎によって秘密裡に行われた事が判れば、安藤側にも相応の心理的な影響はある。
杉下は自分との関係を終わらせる事を前提に、それを隠して作戦の準備をしている一方で自分は杉下にプロポーズするつもりでいたわけですから。
そういう意味では安藤はこの時相当の興奮状態・怒りの状態だったはずなんですね。
杉下にも、プロポーズは別としても安藤が自分に好意を持っており、それを知りながら関係を一方的に切ろうとしていた事がこの時点で安藤にもバレた訳ですから、相応に怒りの感情が混ざったものであったろう事は想像ができると思うのですが、それでもこんな破壊的行動(外鍵をかけて内部を危険な状態にする)という事は許せない事だっただろう、と思うのです。
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