2015年5月28日木曜日

偽証を匿うための偽証は罪の共有?

先の二つの投稿で、スカイローズガーデンでの杉下には、成瀬、西崎にそれぞれ罪の共有関係が成立しうる事を説明しました。

すなわち
杉下は罪(成瀬が行おうととしている隠蔽工作)を犯した人間(=成瀬)を捜査機関から匿う意図で偽証(=犯行現場は見ていない、外鍵については知らない、三人が居合わせたのは偶然)した

杉下は罪(=自分が野口を殺害した、という偽証)を犯した人間(=西崎)が一番傷つかないよう、捜査機関に偽証(=犯行現場は見ていない、外鍵については知らない、三人が居合わせたのは偶然)する

共に、偽証を犯した人間のために自らも偽証をする。

しかし、これは罪の共有と言えるのか?

さざなみにおける杉下の偽証は、成瀬との事前の会話は有りません。それに杉下が成瀬がやったと思っていたのは放火であり、罪の性質が異なる。それ故に共有と呼びうる。

スカイローズガーデンでは三人の間で意志のやり取りが行われていた。
処理の方向性についての会話が成立していた。

それにそもそも偽証の罪を匿うための偽証、であるなら、それは自ら同じ罪を犯している事になる。

ですので、これは罪の共有ではなく共謀です。三人の行為は正確には共謀なのです。

そうすると、西崎が杉下に向かって発した『愛はないかもしれないが、罪を共有してくれ』
これもトリックである可能性が大です。

1 件のコメント:

motoさん さんのコメント...

私が3人の偽証が罪の共有ではなく、共謀と断じるのは、ここに書いてある事、その認識からです。
3人の偽証は罪の共有などではなく、共謀です。