2015年12月30日水曜日

成瀬が車中で考えていた事は野口への作戦ばらしだった? その二

…続き

そうすると一番難しいのは何気に西崎が予定通り奈央子を連出した後といえます。

この場合、どう展開するか
予定では成瀬が到着するのは西崎が連出した後。成瀬が到着する前か、若しくはその後かは別としても、いずれ野口は奈央子不在に気付く。
仮に奈央子不在の理由に野口が気付かず、奈央子を暫く待つ、という事であれば成瀬は食事会の準備を淡々と進める。この限りにおいて、彼は野口宅に 居続ける事が出来る。
問題は野口が奈央子の連出しに気付いた場合です。そしてどこかでそれはやって来る。このときにどう振舞うか?
この時、成瀬としてはそれ以上野口宅に留まる理由はない。自然に振舞うなら彼はその後を安藤に託して野口宅を去るのが道理。でも杉下は野口及び安 藤の関係性から成瀬と一緒に野口宅を離れる、というのは不自然。まして野口がその後に共謀の可能性に気付いた時その向け先が杉下となる可能性はゼ ロではない。
そうすると、成瀬としては杉下を自分から離す展開は避けたいと考えると思うのです。

もう一つは安藤と野口の関係についてです。
杉下は安藤を巻き込みたくない、と考えていた。作戦の展開次第でどのように転ぶかは不明でありつつ、安藤を野口の攻撃対象から除外するには野口の 前で安藤が作戦に無関係である事を宣言するのが一番効果的です。そうであれば仮に野口のDVの立証に不調を来しても、安藤が会社に対して三人によ る計画を理由に野口の不当な攻撃を事前に防止する口実を作ってやる事が出来る。

そして最後の一つが自分と杉下の関係性です。
杉下と安藤を野口宅に残すと安藤が杉下にプロポーズする機会を残す事になる。杉下の気持ちは見えないけれど、安藤に勝ちうるとすると、シャルティ ヒロタのオーナーの弁の通り『言ったもん勝ち』の状況を作りたい。そうすると確実に安藤のプロポーズ機会を潰したい。

以上を考慮すると、成瀬としては確実に杉下を野口の下から隔離し、安藤の地位保全に配慮し、且つ安藤とのプロポーズ競争に勝ちうるポジションを得 るには、野口、安藤、杉下の前で、成瀬自身が西崎・杉下・自分による作戦の暴露が一番効果的、となると思うのです。

ですので、巷で期待されている『成瀬の起死回生の一手』とは成瀬による作戦暴露であり車中で考えていたのは、この事ではないか?と推理しました。

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