2024年1月23日火曜日

ドラマ:安藤がドアチェーンを掛けた理由

よく、安藤がドアチェーンを掛けた理由が判らない、といった意見を放映当時みました。ですが、安藤は安藤なりに切羽詰まった状況下での行動だったのです。

安藤は既にプロポーズの機会を奪われた

出典:https://www.tbs.co.jp/

6話現代編において、プロポーズする前に「あの日、西崎さんはあの部屋から奈央子さんを連れ出そうとしていたんじゃないの?」と問うています。安藤は事件の時点で3人による奈央子救出作戦が動き出している事、もうそれを止めることが出来ない状況である事を判っていたのです。

安藤は事件当日に「結婚してくれって言うつもりだった」のですが、作戦が成功するにせよ、失敗するにせよ、もはや食事会は開かれません。彼は杉下へのプロポーズの機会を既に失っている状況でした。

安藤と杉下はもはやこれまでの関係を続けることは出来ない

Nのために 論考: ドラマ:スカイローズガーデンの深読み (ronkouforn.blogspot.com) でも指摘した事項です。西崎、杉下はこの作戦に当たって安藤との関係が終了する事を覚悟しての行動です。その事は安藤にも分かります。安藤は奈央子を強引に連れ出す、という行動に関しては野口側の立場にならざるを得ない立場であり、また西崎、杉下にもそのように判断されたからこそ、彼には作戦が隠蔽されたのであり、安藤との関係より奈央子の強引な連れ出しが優先されたからこその作戦実行である事が解るのです。

そうすると、安藤には作戦の成否にかかわらず杉下は安藤とこの後以前と同様の関係を継続する意思がない事は明らかであり、もはやプロポーズする機会は訪れないのです。

安藤がドアチェーンを掛けたのは『起死回生を狙った勝負手』

出典:http://bmbb.jp/

安藤がこの時おかれた杉下との関係に関する状況は、将棋でいえば『詰めろ』が掛かった状態です。将棋における『詰めろ』とは『次に何もしなければ詰ませられる状態』を言います。安藤としては普通の対応ではもはや勝ち目がない状況です。そこで安藤は『起死回生を狙った勝負手』を出す必要が生じました。それがドアチェーンを掛ける事だったのです。

将棋の勝負手とは『形勢の悪い側が相手の混乱を誘う事で逆転を狙うギャンブル的な手』です。

つまり、奈央子を連れ出そうとしている西崎、及びその作戦への参加者である杉下を野口宅から出る事が出来ない状況を作る事で、野口との間に緊張状態を作り出す。その状態の解消のため、もし杉下が自分を頼ろうとするならば、関係を継続できる可能性が生じ、どこかでプロポーズが出来るかもしれない。安藤はその可能性に掛けたのです。

しかし勝負手とはギャンブルでもあります。そのギャンブルの結果が安藤も予想しなかった野口夫妻の死亡という結果になったのでした。

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