2015年10月28日水曜日

成瀬のおとしまえ その二

…続き

気になる描写があるんですね。成瀬と高野が再会した際の言葉。『島で考えたい事があって』。彼がこのタイミングで考えたい事とはなにか?
西崎に対しては、彼は府中の西崎に何度も差し入れをしているため、あえてこのタイミングでおとしまえをつける必要はない。
安藤に対しては、彼がおとしまえをつけるべき立場ではない。彼がもしおとしまえをつけるべき相手がいるとすると、それは杉下となる。

彼はおとしまえをつける意思があったのか?と考えるとヒントがあるんです。
それは『島で考えたい事』の存在と父の墓参り。それを西崎の出所直後に行った。
これは杉下に対して西崎の出所を契機におとしまえをつけようとしていた彼の意志の発露だと思うんです。
つまり、彼は西崎の出所に合わせて杉下に対してさざなみの真相の伝えようと考えていた、という事だと思うのです。

で、もし成瀬の誤解が安藤であるなら?
杉下と安藤の関係は四人の関係性の中でその後も接触があっていい関係であり、成瀬がそう誤解しているなら成瀬は杉下との間におとしまえをつける必 要はない。だから成瀬は特段考えていなかった。高野と島であい、誤解だと気付くまでは…。安藤誤解説にたつならこうなります。つまり上の示唆は否 定されるわけです。

続く…

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