…続き
仮に杉下のN=西崎とするなら、彼が10年も杉下から離れていたのは西崎に対する杉下の感情へ介入しないため。
そしておとしまえをつけるのも、かれが西崎に差し入れしていた事実から西崎から杉下の『究極の愛』の相手が自分である事を聴かされていたであろう 事が予想されます。つまり成瀬としては、自分の判断としては杉下のN=西崎であるが西崎にはそれが自分に見えている。そうであれば西崎が出所した のを契機に杉下に自身の感情を伝え(=プロポーズ)、併せてさざなみの真相を打ち明ける。
それで杉下が西崎を取るなら、それもよし。杉下が自分を 選ぶならそれもよし。いずれにせよ自分という杉下の足枷(西崎のいう『究極の愛』であり、それが罪の共有)を外す(=さざなみの真相を明かす)し て、彼女に判断を委ねる。
それが彼の杉下に対するおとしまえだったのだろうと考えます。
ただし、私は成瀬は事件の際に、杉下のNについて二重の誤解をしたと取っています。最初の段階では杉下の作戦への参加理由の類推から西崎と考えて いたのが、成瀬の面白い特徴である、杉下の自分へ向けた行動の意図を読み誤る、という癖からそれを安藤と彩度取り違えた、というものです(そして ここが味噌ですが、この時成瀬は杉下に対して怒りを抱えていた、というのが論考的誤解説)。
しかし、時がたち、冷静に当時の状況を推測すれば、やはり杉下の行動意図は西崎にあるように見える。だから現代編では成瀬は杉下のN=西崎ととっ ていた、というのが現在の考えです。
参照
成瀬の『杉下のN=安藤誤解説』への転向 その1~3
成瀬は杉下のN~安藤と誤解した? 1~4
『成瀬の杉下への怒り決別説』採用による変更点概要
成瀬は杉下のN=安藤が誤解だと、何で気付いたのか?
1 件のコメント:
ここでは修正が必要な個所がありますね。
このころは、成瀬が府中の西崎に差し入れをしていた、という発言から、府中に成瀬が訪れて西崎と面会していた。その面会の際の会話として、西崎から杉下の偽証意図=杉下のNは成瀬である、と聞かされていただろう、と考えていました。
しかし、その後服役者への面会条件などを調べたのですが、成瀬は西崎とは刑務所では面会していない、という見解に変更しました。
面会が可能な人物としては、親しい友人は許可されるのですが、成瀬は『親しい友人』ではないし、そう振舞ってしまうとスカイローズガーデンでの偽証と矛盾してしまうんです。
ですので、西崎と成瀬は服役中は面会をしていない、という推理になります。
ただ手紙をやり取りする相手としては、条件が付けられていないようですので、差し入れに対する返礼として西崎から成瀬へ手紙を出す、といった事はあった可能性はあります。
では、この手紙の中でスカイローズガーデンの真相が語られるのでは?とも考えますが、しかし服役者の手紙の内容は検閲されますので、手紙に事件の真相を書く、という事も考え難い。
そうすると、やはり成瀬は西崎から事件の真相、杉下のN=成瀬という事を西崎からの情報として出所前に得ていた、とは考えられない、というのが現在の見解です。
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